第十六話:体力テストには、
体育館にはすでに、魔法学校の生徒たちが集まっていた。奥の方には、すでにZクラスの女子が集まっていた。男子たちは、そこに向かって歩いていく。
「みんな、早いな」
グレンが、女子たちに向かって、気さくに話しかける。
「みんなが逆に遅いくらいだよ。とりあえず、待ってればいいって、先生が言ってたから、みんなここで待ってたの」
「そうだったのか。それじゃあ、ここで待つか」
グレンがそんなことを言った矢先に、ティーチ先生が、体育館の入口から入ってくる。
それを見たマオが、ティーチ先生に向かって、大きく手を振る。すると、ティーチ先生もそれに気づき、こちらによって来る。
「みんな。集まってるね? この紙には、今回の体力テストのペアが書かれてあるから、それを見てペアを組んでね。じゃあ、私は自分の担当場所に行くから、しっかりやってね」
ティーチ先生は、自分の手に握りしめた紙を、目の前にいたドックにあげると、そのままどこかへと消えていった。
「忙しそうだなぁ」
ノイズは、ぼそっと呟くのだった。
そして、ドックはその紙を広げると、クラスメイトがそれを囲むように集まる。
「えっと。僕は誰と一緒なのかな」
ノイズは、その紙に書かれた自分の名前を探す。すると、二段落目に自分の名前が書かれてあった。その隣には、アサの名前が書かれている。それだけ確認すると、ノイズはその紙から一歩引く。
「今日はよろしく」
ノイズは、すでに隣にアサが来ていたことに気づく。
「びっくりした。足音立てないで近づくの上手すぎるだろ」
「すまない。驚いてしまったか?」
「まぁ、いいよ。今日はよろしくな」
ノイズとアサは軽く挨拶をすませる。すると、体育館のステージ上に一人の教員がやってくる。
「みなさん! 今日は体力テストです! 事前に配布されたプリントを見ながら、円滑に進めてください! それでは、本日はよろしくお願いします」
教員は、それだけ言うと、すぐにステージ上をはける。そして、生徒たちもどんどんと外に行く者や、体育館に残る者で分かれていく。
「なぁ。僕たちは、最初は何をすればいいんだ?」
「ここにプリントがある。これを見ながら進めれば、大丈夫だろう」
アサはそう言って、一枚の丁寧におられた紙をポケットから取り出す。
「こんなの貰ってたっけ?」
ノイズは、初めて見る紙に驚きを隠せないようだった。
そうして、体育テストが始まった。ノイズたちは、まず上体起こしからだった。
敷かれたマットを見ながら、二人は立っている。
「どっちが先にやる?」
「君から、先で私は問題ないぞ」
「分かった」
そんな短いやり取りをすると、ノイズはマットに寝転がり、上体起こしのポーズをとる。
アサは、ノイズの足を強く抱きしめて、つま先に乗っかる。なんだか足に胸があたっているような気がするが、ノイズはできるだけ平静を保とうとした。
「それじゃ、私が三十秒計るから、その間、ずっと上体お越しするんだぞ」
アサは、そう言いながら、隣にあった砂時計を持つ。
「始め」
アサは、そう言って、砂時計を逆さまにする。ノイズは、気合いを入れて、上体起こしを始める。
しかし、昨日の走りのせいで、全身が痛い。しかも、体を起こすたびに、体の痛みが加速していく。
「痛い! 痛い! 上体起こしってこんなに痛いの? 死んじゃうって!」
そんな、悲鳴が体育館に響きわたった。
そうして、三十秒が経った。ノイズは、マットに体を打ち付けるように、寝転がる。
「そんなんでは、生きるのに困るぞ。私もやるか、早く変わってくれ」
ノイズは、手をついて、ゆっくりと体を起こし、アサと担当を変わる。
「それじゃあ、始めるぞ」
ノイズはそう言って、砂時計を逆さまにする。
アサはノイズの、のろのろとした上体起こしとは全く違い、スピーディーに回数を稼いでいく。
「いや、早すぎだろ」
ノイズは、思わず心の声が漏れてしまった。
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