表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才少年は魔法が使えないけれど、  作者: 阿田 雨
第一章
16/45

第十六話:体力テストには、


 体育館にはすでに、魔法学校の生徒たちが集まっていた。奥の方には、すでにZクラスの女子が集まっていた。男子たちは、そこに向かって歩いていく。


「みんな、早いな」


 グレンが、女子たちに向かって、気さくに話しかける。


「みんなが逆に遅いくらいだよ。とりあえず、待ってればいいって、先生が言ってたから、みんなここで待ってたの」

「そうだったのか。それじゃあ、ここで待つか」


 グレンがそんなことを言った矢先に、ティーチ先生が、体育館の入口から入ってくる。


 それを見たマオが、ティーチ先生に向かって、大きく手を振る。すると、ティーチ先生もそれに気づき、こちらによって来る。


「みんな。集まってるね? この紙には、今回の体力テストのペアが書かれてあるから、それを見てペアを組んでね。じゃあ、私は自分の担当場所に行くから、しっかりやってね」


 ティーチ先生は、自分の手に握りしめた紙を、目の前にいたドックにあげると、そのままどこかへと消えていった。


「忙しそうだなぁ」


 ノイズは、ぼそっと呟くのだった。


 そして、ドックはその紙を広げると、クラスメイトがそれを囲むように集まる。


「えっと。僕は誰と一緒なのかな」


 ノイズは、その紙に書かれた自分の名前を探す。すると、二段落目に自分の名前が書かれてあった。その隣には、アサの名前が書かれている。それだけ確認すると、ノイズはその紙から一歩引く。


「今日はよろしく」


 ノイズは、すでに隣にアサが来ていたことに気づく。


「びっくりした。足音立てないで近づくの上手すぎるだろ」

「すまない。驚いてしまったか?」

「まぁ、いいよ。今日はよろしくな」


 ノイズとアサは軽く挨拶をすませる。すると、体育館のステージ上に一人の教員がやってくる。


「みなさん! 今日は体力テストです! 事前に配布されたプリントを見ながら、円滑に進めてください! それでは、本日はよろしくお願いします」


 教員は、それだけ言うと、すぐにステージ上をはける。そして、生徒たちもどんどんと外に行く者や、体育館に残る者で分かれていく。


「なぁ。僕たちは、最初は何をすればいいんだ?」

「ここにプリントがある。これを見ながら進めれば、大丈夫だろう」


 アサはそう言って、一枚の丁寧におられた紙をポケットから取り出す。


「こんなの貰ってたっけ?」


 ノイズは、初めて見る紙に驚きを隠せないようだった。


 そうして、体育テストが始まった。ノイズたちは、まず上体起こしからだった。


 敷かれたマットを見ながら、二人は立っている。


「どっちが先にやる?」

「君から、先で私は問題ないぞ」

「分かった」


 そんな短いやり取りをすると、ノイズはマットに寝転がり、上体起こしのポーズをとる。


 アサは、ノイズの足を強く抱きしめて、つま先に乗っかる。なんだか足に胸があたっているような気がするが、ノイズはできるだけ平静を保とうとした。


「それじゃ、私が三十秒計るから、その間、ずっと上体お越しするんだぞ」


 アサは、そう言いながら、隣にあった砂時計を持つ。


「始め」


 アサは、そう言って、砂時計を逆さまにする。ノイズは、気合いを入れて、上体起こしを始める。


 しかし、昨日の走りのせいで、全身が痛い。しかも、体を起こすたびに、体の痛みが加速していく。


「痛い! 痛い! 上体起こしってこんなに痛いの? 死んじゃうって!」


 そんな、悲鳴が体育館に響きわたった。


 そうして、三十秒が経った。ノイズは、マットに体を打ち付けるように、寝転がる。


「そんなんでは、生きるのに困るぞ。私もやるか、早く変わってくれ」


 ノイズは、手をついて、ゆっくりと体を起こし、アサと担当を変わる。


「それじゃあ、始めるぞ」


 ノイズはそう言って、砂時計を逆さまにする。


 アサはノイズの、のろのろとした上体起こしとは全く違い、スピーディーに回数を稼いでいく。


「いや、早すぎだろ」


 ノイズは、思わず心の声が漏れてしまった。



 読んでくださりありがとうございました。


 少しでも、面白いと思っていただけたり、続きを読みたいと感じていただければ、


 ブックマーク登録や広告下の☆から評価を入れてくださるとモチベーションに繋がります。応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ