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第6話 ポーション容器?

LED型灯ライトを1発で覚えたメイドさんは、ニコニコと笑顔を見せて部屋を後にする。


メイドさんを見送ると、ソファに座りスマートシステムを開く。


まずは前と同じように砂糖の結晶を白砂糖にみたいに粉末にする。


そういえばアリスお嬢様に砂糖の結晶を差し上げる約束があることを思い出す。


早速レシピを使って、アプル飴やモモン飴も多めに作っておく


「これならアリスお嬢様も喜んでくれるでしょう。」


次にもう一度確認しながらポーションを作って行く。出来たポーションを解析して確認していく。


教会製 … 約0.4倍の効果

アプル入り … 約1.6倍の効果

モモン入り … 約2倍の効果

砂糖入り … 約3倍の効果


やはり糖分が何か魔法や魔力と何か関係があるのではと推測できるが、今は考えても仕方がないと思うことにした。


しかし、砂糖ポーションを暫くは表に出すのは止めようとは思った。


失敗作のモモンポーションをコップに入れて飲む。失敗作といっても最高の効果がないだけだ。飲むと疲れが一気にとれる。

ついでにアプル飴を舐める。またMPが3割を下回った為だ。


ここまでの検証結果や製法をメモアプリに記述する。


メモアプリを使っていて、ポーション容器のガラス作成の原料についてハロルド様にお願いしないとダメだと気が付き、ついでに金属類も頼もうと考える。

インゴットでも良いが廃棄予定の武器や鎧でも貰えれば錬金アプリでどうにでもなる。明日にでも相談してみよう。


少し休憩しながらスマートシステムを開き、メモアプリの内容を確認しようとして、あることに気が付く。


おぉ、叡智アプリの検索が使えるようになったな。


検索できる情報は訪問した街や村の情報になるので、領都に来たことにより領都内の情報は検索できるようになったようだ。


ポーションについて叡智アプリで調べると、中級ポーションは通常ポーションの10倍の効果があるようだ。


教会製の中級ポーションなら砂糖入りのポーションと大差ない可能性もあるのかぁ。


面白いので次に何を叡智アプリで検索するか考えてみる。

すぐに思い浮かばなかったので、ストレージに収納された一覧を確認しながら考えていると、スライムがあったので検索してみる事にする。


異世界と言えばスライムでしょう!


スライムを検索してみると、スライムの情報が大量に出てくる。

その中で気になったのは、魔道具の魔法陣を書くのにスライムの素材を利用するらしい。


面白そうなので、叡智アプリで確認しながらスライムの処理を始める。


まずは外皮と破壊された核、ゴミを分離させる。残った液体は検索結果の通りに『スライム溶液』と表示された。


錬金工房で角ウサギの魔石を粉砕し、スライム溶液に混ぜ加熱する。叡智アプリで手順を確認しながら丁寧に作業をし終えると『魔法溶液』が出来上がる。


工房から出るとレシピ登録の案内が出ない。不思議に思い確認すると、元からレシピに有ったようだ。


経験と言う意味では無駄なことでは無いと思おう。


また錬金工房に入り小皿を出すと、裏に魔法溶液で状態保存の魔法陣を転写して水分を抽出する。


解析を使って小皿を確認すると、状態保存は上手く作用しているが、空気中の魔素濃度が低いと効果も落ちるとある。


取り出して実際に見てみると小皿の裏面に、薄く半透明の魔法陣があるのがわかる。竹串で軽く擦っても滑るだけだが、強く擦ると割れるように少し削れてしまう。


少し考えてから、錬金工房でスライム溶液から水分を『脱水』する。それも10%ずつ『脱水』を変えて板状に作成する。それを取り出して確認してみる。


50%脱水したスライム溶液はまるでシリコンのように柔らかく弾力がある。80%脱水したのは固いゴムみたいだ。90%だと弾力はほぼ無いけど少し曲がるので、まるでアクリル板みたいだ。100%脱水するとまるでガラスのような感じになった。


錬金工房に入り、先程の小皿の裏にもう一度、状態保存の魔法陣を転写し『脱水』する。

その上からスライム溶液を薄く塗る。そして80%『脱水』して取り出して確認するが、自分のイメージした物と微妙に違う。


少しずつ『脱水』を繰り返し95%ほど脱水すると、まるで塗装面に塗るクリアみたいになった。


うん、これなら違和感なく使えそうだし、耐久性もよさそうだ。


満足してメモアプリに成果を記録する。


更にスライム溶液を使って検証する。

スライム溶液だけを非常に薄くして脱水していくとまるでビニールのようになる。もう少し厚くするとプラスチック板のようになる。


それを見てペットボトルが作れないか挑戦する。


レシピを自動登録ではなく手動作成にすると設計画面が表示される。それを使い成形する形を設計して試してみる。


何度も失敗しながら本体と蓋を完成させる。それを取り出してみる。


見た目はシンプルな円錐型のペットボトルだな。水を入れて逆さにしても漏れないし完璧じゃないか!


あとは安全性かな?


解析ではスライム溶液は簡単には溶けないみたいだけど、入れる物によってはどうなるか検証してみないと何とも言えない。


試しにポーションを入れてみたが、特に問題はなさそうだ。


それから教会製のポーションをもう一度解析すると50ミリルだったので、同じ容量の容器を設計する。


最初は円柱で設計したのだが、収納を考えて薄めにしたが、耐久性や使い勝手が良くない。


やはり底に状態保存の魔法陣を付けようと、最終的に八角柱にする。


厚みも何種類か試すが、耐久性を考えるとペットボトルぐらいの厚みになる。思ったよりサイズが小さくなるので、手で押して中身を出すほうが良いと考える。


蓋はペットボトルみたいにすると耐久性が落ちるし、使うときに蓋を開けるのが面倒だと思い、差し込み式の蓋を作成する。

悪くはないが密閉性や耐久性を考えると微妙な気がする。


それなら完全密閉型で飲み口を折って飲めないか検討して、何度も何度も作り直して使い勝手を確認する。


そして納得できる容器を完成することが出来たので、水を入れた容器を作成して最終確認をする。


想像以上に軽い。手で強めに握っても破れたり漏れたりもしない。飲み口も簡単には折れない。


飲み口の部分を親指で強めに押すと、ペキッと音がして折れる。


おお、綺麗に想定した箇所が折れた!


折りたい部分だけ折れやすいように脱水の%を変えるのは難しかったけど、その甲斐はあったようだ。


後は口に持ってきて容器を押すと──2、3回で口の中にきちんと出る。完璧だ!


通常ポーションを使って容器にポーションを入れて作成してレシピ登録をする。それを同じように飲み口を折って飲んでみる。


完璧だ! だけど……。


何も問題なくポーションを容器に入れて完成したが、試しに飲んだので、深夜になろうとしているのに体力が回復してしまい、暫くは寝る事が出来そうに無い。


これってエッチの体力も回復するのかな?


確認するすべは無いので、……たぶん、この検証は未来に必ずすると決心をする。


アプルポーションやモモンポーション、砂糖ポーションも作成してレシピ登録する。


砂糖の結晶を舐めながら、通常ポーションを120本、それ以外のポーションを12本ずつ作成してストレージに収納する。


後はヒール草やシュガの実さえあれば、毎日3桁のポーションも作成できると考え、立派なポーション職人になれそうだと自嘲する。


先程飲んだポーションの影響で眠くならないので、更に検証を続けることにする。


せっかくポーションを作ったので、入れる箱のような物を作ろうと木工アプリを開く。


工房に入り先日バンブを採りに行ったときに、薪にしようと採って来た木を『乾燥』させ、『製材』で色々な厚みと大きさの木材を作成する。


もう少しまともな木材も欲しいなぁ。


適当に採った木でしかないし、幅も厚みも大した木材は出来なかった。


木工アプリのレシピ設計を開くと、12本入りと24本入りの箱を設計する。中には仕切りも作る。


設計したレシピですぐに作成してみるが、強度に不安がある。

木工工房でスライム溶液を塗ろうと考えたが、錬金工房で『浸透』を使ってスライム溶液を木材に浸透させて『脱水』してみるか。


スライム溶液をニスやクリアのように使用すれば、強度もあがるのではと考えたのだが、この世界には錬金術があるのだから、さらに効果的にスライム溶液を利用するのに錬金術を試そうと考えたのだ。


何度か『脱水』しては強度や見た目を確認する。理想的なところで『脱水』を止め確認する。


見た目は元の木材のままだけど、強度が全然違う!


釘が無いからはめ込みで作ったけど、もう外れることはないだろうと、箱を叩きながら確認する。


更に物理耐性の魔法陣を魔法溶液で転写すると、木材に浸透するように転写できた。


スライム溶液は可能性の宝石箱やぁ!


12本入りと24本入りをもう一度作成するとレシピに登録するが、木材が足りなくて増産は出来なかった。


体は疲れていないが頭が疲れて来たので時刻を確認すると、もうすぐ夜中の3時になりそうなので生産はここまでとした。


ベッドに入って就寝すると、想像以上に精神的に疲れていたのか、すぐに熟睡してしまった。


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