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第3話 追及するレベッカ夫人

ハロルド様達はすぐに行動を始めるといって、地下道から屋敷に戻るので階段の所まで見送りに来た。


「アタル、色々と頼むことになるがやり過ぎるんじゃないぞ!」


「必ず何かする時は連絡をお願いします」


おうふ、ハロルド様だけではなく、セバスさんからも忠告されてしまったよぉ。


「イ、イヤだなぁ~、そうならないために2人の魔道具に、連絡用の郵便システムの機能を追加したじゃありませんかぁ~」


「それに安心して暴走しない事を願いたいのぉ」


「何かする前に連絡をお願いします。何かした後に連絡しては意味がありませんから」


ま、まったく信用されてないじゃん!


少し不貞腐れた表情をする。そしてハロルド様達から訳の分からない事を頼まれる。


「それとレベッカの事を頼むぞ。レベッカは本当に良くやってくれておる」


「レベッカ様をどうかよろしくお願いします」


え~と、どういうこと?


しかし、質問する前に2人は地下道に降りて行ったのだった。



   ◇   ◇   ◇   ◇



ハロルド様達の最後の言葉の意味が分からなくて、言葉の意味を考えながらリビングに行くと、レベッカ夫人がクレアとラナと一緒にお茶を飲んでいた。


あれ、アリスお嬢様はどこに行ったの?


「アタルさん、お義父様達との話し合いは終わりましたか?」


「はい、すでに2人はお屋敷に戻って行かれましたよ」


返事を聞いたレベッカ夫人の目がキラリと光った気がした。


「では、少し私とお話をしてもらいましょうか」


まるで逃がさないといった感じで言われてしまう。


なにっ、何を話すの!?


「レベッカ夫人、ここで話すのは少し……」


ラナが申し訳なさそうにレベッカ夫人に言った。


「そうね、ここでも大丈夫だと思うけど、念のために会議室で話しましょう」


頭の中に警報音が鳴り響いている。


何か言い訳を考えて逃げ出すほうが良いのか!


「では、会議室に移動しましょう」


うん、逃げ遅れた気がする……。


頭の中でドナドナが流れ、子牛になって連れて行かれる自分の姿が頭に浮かぶのだった。



   ◇   ◇   ◇   ◇



私の正面にはレベッカ夫人が座り、左右にはクレアとラナが座っている。


クレアとラナは申し訳なさそうな顔で俯いている。それとは対照的な、レベッカ夫人のギラギラした表情が気になる。


「アタルさん、少しお聞きしたいことがあります。よろしいかしら?」


「は、はい……」


絶対にイヤだとは答えられない雰囲気で問い掛けられた。


「アタルさんとエッチすると魔力量が増えるのは本当なの?」


「ブホッ!」


口にしたお茶を吹き出してしまう。


私は驚いてラナを見ると目を逸らして俯いてしまった。クレアは俯いたまま、顔を上げてくれない。


「アタルさん、ラナとクレアには話を聞いてありますわ」


レベッカ夫人は問い詰めるように、ギラギラした目で私を見つめながら言った。


ご、誤魔化せそうにないなぁ~。


「それに答える前に確認したいことがあります。クレア、ラナ、なぜ話したのですか? 夫婦の秘め事を他人に話すのは良くないと思いますよ。それに秘密にすると言ったことまで話したのはなぜですか?」


「旦那様、すみません。夫人には結婚前に色々と相談に乗って頂いていたので……」


クレアがまずは謝罪する。


色々と相談? 何を相談?


「旦那様、クレアさんは悪くありません。私が既にレベッカ様にお話をしていたので、クレアさんは答えるしかなかったのです」


うん、何となくラナが先に話した気はしていた。でも、なぜ!?


「結婚する前に、夫婦の事をレベッカ様に教えを頂いていたのです。特に、……夜の生活については噂しか知らなかったので……」


ラナの答えに少しだけ納得はできた。

たしかに地球と違い、そういった情報は人に聞くしかないのだろう。


自分はネットで調べたなぁ。


地球にでも、健康な男としてそういった情報はもちろん予習していたし、試験けっこん直前にも叡智アプリで追い込み勉強をしていた。


そんな私が2人の予習を責めることはできないし、責める気もない。しかし……。


「教えて頂いたのは理解できますが、すでに結婚して問題など無いではありませんか?」


ラナが答え辛そうにしている。


「それは、私が教えた内容と、極端に違ったので不安になったのよ!」


そ、それは……、自分も予習と違ったけど、魔エッチは地球に無かったからで……。


「連続で何回もする男がいるなんて、あまり聞いたことがないわ。そのうえ朝からもすると聞いたし、クレアからダンジョンでもしたと話を聞いたわよ。彼女たちが不安になって私に相談したのは仕方ないと思うし、原因は貴方よ!」


おうふ、は、反論できません。


自分でも、なぜこれほど絶倫なのか分かりません!


みこと♪『それは私の加護の影響でしょうね』


「ブホッ!」


神託!? 加護って何!?


生命の女神からの神託があり、その内容に驚いてまたお茶を噴き出してしまった。


ラナが立ち上がって噴き出したお茶をきれいにして、新しいお茶を用意してくれる。


その間にステータスを確認してみると、称号に『神々の加護』とあった。


『神々の加護』を開くと様々な神の名前と『祝福』や『寵愛』の文字があった。

神々の名前が多すぎて、全てを確認するのは大変なので、『生命の女神の寵愛』をとりあえず開いてみる。



【生命の女神の寵愛】

生命の女神の加護(祝福)は生命力を強くして、それに関するスキルが生えやすくなる。また、老化を抑え肉体も健康にしてくれる。

また、生命の誕生を強化するために加護(祝福)があるだけで性豪スキルと同等の能力が備わる。

加護(寵愛)は加護(祝福)の効果を、さらに強化した加護になる。加護(寵愛)はスキルの効果を超越しているため、それに関するスキルが生えやすくなることはない。

絶倫スキル以上の効果があるため『24時間、ずっと何時でも何処でも何回でも戦えます』となります。


生命の女神より:

バンバンやってバンバン子供をたくさん作ってねぇ!

でも、睡眠と食事は大切よ!



なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!


聞いてないよぉーーー、私は人間なのかぁ!


そして最後の追伸みたいのも、腹が立つぅ。


しかし、これで色々な事が納得できる。


スキルが生えていないのに異常な自分の……。

それに、前より生産系が進化していると思ったし、それ以外の能力の成長も早い気がしていた。


落ち着けぇ、落ち着けぇ、細かい確認は後だ、今はレベッカ夫人との会話を早く切り上げよう。



   ◇   ◇   ◇   ◇



申し訳なさそうに俺を見つめるラナとクレアに言う。


「理由も分かったから良いけど、これ以上は話さないようにね」


「「はい」」


2人は揃って返事をしてくれた。


「レベッカ夫人、どこまで2人に話を聞いたのか知りませんが、エッチすれば魔力量が増えるということではありませんよ」


「ええ、エッチする時に魔力を混ぜ合わせるようにすると聞いていますわ。3人の中では魔エッチと言っているそうですわね」


……そこまで話が伝わっているのかぁ!


「そ、それも、確実にそれで魔力量が増えるとは……」


すでに魔の女神様に確認したので間違いありませんが……。


「でも、それ以外は考えられないのよね?」


くっ、さらに追及してくるのかぁ!


「か、可能性は高いと思っています。でも、確実とは言えないし、最近では、あまり魔力量は増えていません」


何となく私の魔力量の10分の1ぐらいで上昇が止まっている。


魔エッチの効果については、何となく確認は出来ていると思う。


「そう、もう少し検証が必要なようね」


それほど必要じゃありませんが、細かく確認するなら必要かも……。


でも、これ以上は現状で検証はできませんねぇ。


「だったら私で検証してもらいますね!」


ドッカーーーーーン!


頭の中で核爆弾が爆発して、頭の上にきのこ雲が幻のように見えているのだった。


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