魔力増幅
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ダンジョンの主である四大精霊龍の住処は広い。
その山のような巨体を存分に活用するためには、これだけの広さ、そして天井の高さが必要となる。
だから、この部屋だけはダンジョン内であるにも関わらず、空と大地があるような空間となっていた。
その部屋を最大限に活かすのが背中に生えた巨大な翼である。
この翼と魔力を合わせることにより、その巨体を飛翔させることができるのだ。
そして、纏わり付く下等生物に煩わしさを感じ、空に舞い上がった時、それは起こった。
「ヌゥウウウ!」
山のような巨大な龍の身体に、山が入るであろう巨大な竜巻が襲いかかる。
凄まじい螺旋の風は鋭い刃となって周囲の物を飲み込みつつ、中のモノの自由を奪い切り裂いていく。
だが、それはあくまで普通であればの話だ。
規格外の大きさ、超越した存在である龍が相手では鱗に傷をつけるだけであった。
ダメージという点では大して問題になっていない。
「コザカシイワ!」
咆哮をあげながら四つ首の一つ、風の魔法を操る首が逆回転の《禍殃竜巻》の魔法を放ち、竜巻を相殺し、かき消して部屋に静寂が戻る。
「ははっ……湖を吹き飛ばした俺の狂飆が全然効いてないか。ちょっとショックだな」
「オロカナルニンゲンヨ、キサマガイカニアガコウト、ワレヲタオスコトナドデキンノダ!」
咆哮と共にまた四つ首から、それぞれの属性の魔法が地上に放たれる。
それと同時に地上からも技が放たれた。
「裂剣・雲切!」
全力で放たれた雲切は無数の斬撃となって、降り注ぐ魔法を細切れにし、霧散させていった。
しかし、連射される空からの魔法は途切れる事なく、次々と地上に降り注いだ。
地面に衝突した魔法は大地を揺るがし、空気を震わせ、すべてを破壊し尽くさんとしていた。
それをリクトは必死に躱しながら次の手を考える。
「チッ、連射できないのは辛いなぁ。こっちは《魔力増幅》してても連射は……《魔力増幅》……」
自分自身の独り言に違和感を感じる。
そして、メアリーさんに修行の時に言われた事を思い出した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「リクトくん、いい?《魔力増幅》っていうのは、《魔力操作》によって全身に巡らせている魔力量を増やして、身体機能を更に向上させる技術なの」
「魔力増幅……魔力操作……身体機能向上……?」
「もぅ! 全然、わかってないのね……あのね、普段君が戦っている時、君は無意識に魔力を操作して、身体機能を向上させてるんだよ。人の筋力での動きには限界があって、他種族と張り合えるように編み出されたのが《魔力操作》、その魔力量を増やして、更に身体機能を上げるのが《魔力増幅》だよ。わかった?」
ふむふむ、なるほど。
他種族との力の差を埋めるための技術なのか。
でも、それって意味あるのか?
「でも、他種族が《魔力操作》を使ったら、結局意味ないんじゃないですか?」
「人間という種族は器用さに優れた種族だからね。他種族にはこの技術は難しいのよ。獣人は筋力が発達してるから、そもそも必要ない技術だしね。魔族にしても魔法を使うのとは、ちょっと原理が違うのよ」
「人間だから使える技術なわけか。じゃぁ、《魔装刃》ってのはなんですか?」
「あれは《魔力操作》して全身に巡らせている魔力を武器にまで巡らせる技術だよ。魔力を装った刃で《魔装刃》。ちなみにこれって《魔力操作》の達人クラスの技術だからね、自分以外に自分の魔力を纏わせるなんて超高等技術なのよ。自然と《魔力操作》ができる君だから使える技術ね」
「ふぅん。でも、《魔力増幅》ってのは《魔力操作》より身体機能が上げれるんでしょ? じゃあ、思いっきりやったらかなり強くなれますね」
「もぅ! 簡単に言わないの! いい? 《魔力増幅》は危険な技なの。身体機能は向上されても、元の肉体はそこまで急激な発達はできない。だから、肉体にかかる負担が大きすぎるのよ。だから、《魔力増幅》の修行は自身の身体がどこまで耐えられるかの見極めなの。いい? リクトくん。絶対に間違った魔力量を身体に流しちゃダメよ。強くなる代わりに死んじゃったら意味ないんだからね」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ズドォオオオンッ!
「おっと! あ、危ねぇ!」
上から身体より大きな巨石が落ちてきたのをギリギリ躱し、躱した巨石が地面に当たって凄まじい衝撃と共に砕け散った。
「い、今のは危なかった……思い出に浸って死ぬところだった。だけど、思い出したぞ。《魔力増幅》ってまだ上があるんだ」
修行でわかった俺の肉体が耐えれる魔力量は普段《魔力操作》で巡らせている魔力の2倍まで。
俺は元々魔力量が多いらしく、それ以上の魔力を流したら俺の肉体がもたないらしい。
だから今も2倍の魔力量しか流していない。
だけど……。
「このままじゃ、殺されるだけだ。今の全力の狂飆や雲切でもあの程度……なら、一気に魔力量を増やして更に強くなるしかない。どうせ死ぬなら、やるだけやってやるさ」
俺は覚悟を決めて《魔力増幅》の魔力量を徐々に増やしていく。
全身が急激に熱くなり、力が漲ってくる。
それと同時に全身に痛みが走り、身体が悲鳴をあげ始めた。
「ごめんよ……メアリーさん。約束破って……でも、必ず地上に連れて行くから! 頼んだぞ、俺の身体!」
俺は身体に巡らせる魔力量を3倍にした。
すると、一気に視界が真っ白に変わっていった。
いつも拝読ありがとうございます。
私が小説を書くのは大抵が仕事から帰った夜中なんですが、たまに変なテンションになっている時があります。
そして、朝になって見直すと「…なにこれ?」と思う時が多いです。
皆さまも夜中のハイテンションにはご注意を。




