表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/205

冒険者ランク

階級、階位とありまして、そこに冒険者ランクが追加されます。

すいません、ややこしくて……

 ダンジョン

 それは現世とはかけ離れた亜空間と言われていたが、最新の研究によりその実態は、強大な力を持った魔物である事が判明した。

 仮称ではあるが『ダンジョンマスター』と呼ばれる魔物であり、莫大な魔力を使って広大ダンジョン作り、そこに魔物や宝物を生成し、それに釣られて入ってきた生物を糧とする魔物だそうだ。

 わざわざ罠とわかっていて入る奴がいるのかと思わないでもないが、ダンジョン内の魔物の素材や宝物は高品質で、素材は武器や防具の原料となるため、この戦乱の世には必要不可欠な物であり、需要は高い。

 それを(あきな)いにしている代表格が冒険者だ。

 もちろん、ダンジョン内には誰でも入れるが、高品質な物ほど下層にあり、魔物も強く、迷宮のような複雑な構造にもなっている。

 故に力だけでなく、知識や技術も必要となるため、素人ではすぐにダンジョンの餌となってしまう。

 そのためダンジョンから高品質の素材や宝物を得てくる冒険者の存在を各国は無視できず、その冒険者を取りまとめている冒険者組合は国を越えた組織となり、組合が認定した冒険者ランクは世界的認められた地位となったのだ。

 ちなみにダンジョンがある場所は治外法権となっており、国家間の争いを持ち込むことは禁止されている。

 よってダンジョン内には帝国人だけでなく、王国人や共和国人などの外国人や獣人、エルフ、魔族といった多種族の者までいる。

 しかし、ダンジョンとは思わなかったなぁ。

 陛下の命令なら行くしかないんだけど、懸念はあるぞ。


「陛下。小官は軍人です。行けと言われれば何処へでも行きますが、ダンジョンとなると些か不安が……」


「当然だ。何も一人(ソロ)で行く必要はない。帝国の冒険者とパーティーを組んで行くがいい」


 先輩冒険者達と一緒にというわけか。


「先ずは冒険者組合に行き、冒険者登録をしてくるがいい。初めは誰でもGランクからだ。あとは功績によって徐々にランクも上がるだろう。中級になったら戻ってこい。なるべく早くな」


「はっ! リクト・フォン・シュナイデン! これより出立いたします」


 俺は陛下と宰相に出立のだ挨拶をした後に帝城を後にした。

 馬車で子爵邸に戻り、子爵様に事情を説明しようとしたが、あいにくの留守。

 仕方なく、家令のヨーゼフに言伝と事情を書いた手紙を渡し、準備を整えた後に子爵邸を出た。

 なんせ『なるべく早く』と陛下に言われたからには、のんびりしていたら怒られるだけでは済まないだろう。

 俺は帝都の中央通りにある冒険者組合へと向かった。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 帝都中央通りは帝都で最も活気のある通りだ。

 通り沿いには商店が建ち並び、買い物客でごった返している。

 武器屋や防具屋には冒険者風の者達が自身の装備を念入りに見定めている。

 命を預ける物だから当然だな。

 俺は組合に行く前に道具屋と食料品店に立ち寄る。

 道具屋では回復のポーションと毒消しなどの状態回復系のポーションを買い、食料品店では2週間分の食料品を買った。

 それを魔法鞄(マジックバック)に入れておく。

 やっぱりダンジョンに入る時や旅に出る時に魔法鞄は便利だな。

 持たせてくれた父上には感謝しかない。

 さて、防具はどうするかなぁ。

 一応、自前の硬皮鎧(ハードレザーアーマー)を着ているし、手甲と脛当も硬皮(ハードレザー)製だからこれでいいか。

 それというのもヨーゼフが冒険者の中には軍人や貴族を忌避する者がいるので、身分は隠した方がいいと言っていたからだ。

 そのため軍支給の装備が使えず、自前の物を使うしかなかった。

 さっきのポーションや食料品、この後は日用品も買わないといけないからお金は節約したいから装備はこのままにしよう。

 っていうか、これは経費にならないのかなぁ?

 結構な出費だよ……金貨20枚は飛んだからな。

 やれやれ、素材を手に入れてさっさと元を取らなきゃな。

 俺はそんな事を考えながら日用品店で日用品を買い、組合に向かった。


 組合は煉瓦造りの三階建ての建物で、一階には受付カウンターと簡易酒場がある。

 二階には宿泊施設があるが、割高だ。

 三階は組合事務所でギルドマスターとかがいるらしい。

 俺にはあんまり関係ないけどね。

 俺は組合に入り、受付カウンターに向かった。


「こんにちは。冒険者組合(ギルド)、帝国支部へようこそ。御用件は何でしょう?」


 受付の女性ギルド員がハキハキした声で対応してくれる。


「冒険者登録をしたいんですが」


「ありがとうございます。では、こちらの記入をお願いします。あと、年会費が必要となりますが、今払われますか?」


「年会費?」


「はい。組合は国を越えた組織であり、運営は独立しています。そのため登録者には年会費をいただいております。貴方はGランクからですので、年会費は金貨5枚です」


 そういうのがあるんだ。

 国家に属さないとそういう負担もあるわけね。


「わかりました。今、払っておきます。ところで、この用紙の名前と年齢はいいんですが、最後の希望活動場所って何ですか?」


「それは主活動をどこにするかという事です。ダンジョンかフィールドかで記入をお願いします」


 あぁ、冒険者としてダンジョンで素材や宝物を獲得してくるか、フィールドで護衛や配達などの依頼をするかという事か。

 なら、ダンジョンだな。


「ダンジョンで。これは年会費の金貨5枚です」


「かしこまりました。えっと……『リクト』さん、15歳、ダンジョン希望ですね? 年会費は確かに頂戴しました。こちらがギルド証になります」


 薄い金属プレートのギルド証にはこう書かれていた。


 リクト 15歳 Gランク


 こうして俺は、冒険者としての一歩を踏み出したのだった。


いつも拝読ありがとうございます。

アクセス数が30000超えました。

応援してくださった方々に深い感謝を

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ