表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡男子高校生と有名女優  作者: 渚
プロローグ
1/2

プロローグ

東京某所――

その女が出てきた途端、カメラのフラッシュで何もかも見えなくなった。その妖艶な女は、どのカメラにも忠実に対応し、自分が1番輝ける位置を見つけ、ポージングをする。

そんな様子を俺は、遠目から見つめる。あんなに美人な女にとって、俺のような一般人には目もくれないだろう。

電灯の下で、佇む俺はまるであの女とは正反対のようだ。同じ人間とは思えない。

「先日の不倫疑惑について一言お願いします!!」

マイクを持ったアナウンサーが女に問う。そうだ、カメラが求めているのは彼女の美貌ではない。彼女の情報なのだ。

それを求め、毎日のように張り込みをし、見つけた途端に質問を繰り返す。そのような日々をおくっている彼女にとって、これまでの人生において、これほど辛いものは無いだろう。

だが、今日は何かが違う。普段だと、カメラとアナウンサーを退けマネージャーが乗った車に乗り込むはずだが、今日はそれをしない。

マネージャーも一向に現れず、アナウンサーたちが寄って集って同じ質問を問う。女はずっと黙秘をしており、一般人たちもこの人集りに異変を感じたのか、野次馬も集まり始めた。

俺がその場を離れようとその時。女が声を発した。


「待って!!!」と。


俺は歩く足を止め、くるりと彼女に向いた。

「何の用ですか」

俺は女に問う。彼女は1歩1歩ゆっくりと俺に近づいていく。カメラも、アナウンサーも気にせずに。そして、サングラスを外して、俺に言った。

「私と組みなさい。世界を見せると、約束してあげる」

女は妖艶に笑って、俺に手を差し出した。

俺は、その手を取って

「もちろん」

と、答えた。




これが、全ての始まりだったのである――――。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ