「やる気」があらわれた!
赤いマントを羽織った男と鉄のビキニとも言われる青い鎧を身に付けた女騎士が剣を交えていた。
力任せに繰り出される横薙ぎの直剣。
女騎士は足をつけたまま上半身を背後に投げ、草原に片手を置く。その瞬間、白い腹の上を鉄の棒切れが水平に掠めた。
「ちょこまかと……」
そのまま足で地面を蹴った女騎士がクルリと立て直し、先手を取って一気に距離を詰める。
ビキニアーマーだからこそ出来る機動力だけを頼りに、両手で持った剣を振りかざす。
男もそこまで目が衰えている訳でもなく、剣でいなす構えをとった。
ガギッ――
粗めの鉄がかち合い、火花が二人の間で弾ける。
女騎士は受け止められた事を気にもせず、ひたすら剣を高速で振り直す。
金属音だけが響き、次第に男の剣が下がり始めた。
男も鉄の欠片が舞う中で弾き返す事に消耗してしまっていたのだ。
『これで終わりです』
それを見逃さなかった女騎士は大きく振りかぶり、一気に叩きつけた。
剣ごと奴を真っ二つに。
出来たかと思えた、しかし。
そこに男の姿はもうなく、剣の先が草の根を割いて土を突いてしまった。
素早く剣を抜きながら辺りを見渡す。
その時、ちょうど背後から嫌な声が聞こえた。
『これ負けフラグな』
「ッ!!」
全身全霊で振り返りながら剣を強く握る女騎士。
しかし、それよりも男の突きの方が何倍も速かった。
為す術もなく背中から貫かれた女騎士は、重い剣を背負ったまま、細い草に鮮血を散らして倒れ伏す。
『じゃ、今日は書かねーって事でよろしく』
剣を拾いもせず背を向けた男は、その場を後にした。




