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恋の回覧板  作者: 天空鈴
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別れの約束

回覧板①

春は別れの季節。


過去作品

2009.03.16

 開け放たれた窓から、風がかすかに薫る春を運んできて、私の制服のスカートを翻す。



 今日という日を境にお別れ。



 当たり前のように校内に足を踏み入れ、下駄箱で靴を変え、教室に入る。

 友達に挨拶をして、自分の席につく。

 面倒だなって思いながら授業を受けていた毎日が。



 今日で終わり。



 たくさん笑って、たくさん泣いて過ごした三年間。

 友達とはしゃいだり、喧嘩したり……恋をしたり。



 明日からは皆、別々に進んでいく。

自分の選んだ道を。



 私の前には、どんな道があって、どんな風に歩んでいくのだろう。

それが正しい道なのか…まだ…はっきりしていないけど……。



 時間は止まらない。



 今日と明日では、当たり前の生活が大きく変わるけれど、きっと変わらないものもあるって信じてる。



「忘れ物とりに行くだけで何分かかってるんだよ!はやくしろって。皆待ってるぜ」


「ご、ごめん!今行く」



 廊下から叫ぶ声に答えながらも、やっぱり少し寂しくて、もう一度、自分の席の机に触れた。



「まだかよ。打ち上げ始まるぜ?先行くからな」

「あ!待って!」



 催促の苛立った声に押されて、私は慌てて教室を後にした。


 のこされたのは、誰もいない教室と、机に彫られた文字だけ。




『卒業おめでとう!また、必ず会おうね』



 それは三年間ともに過ごした仲間との約束。





卒業式。

別れの日。


当たり前のように通っていた教室も

その日を境に行けなくなる。

その場にいた仲間とも会えなくなる。


名残惜しさを言葉にしてみました。


2018.10.26 天空鈴

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