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プロローグ
「ハァ……ハァ……」
神竜、魔王、神、そして未だに得体の知れない彼女。
ここに来るまでに、一体どれほどの犠牲を払ったのだろう。
最初は戸惑ったけど、いつの間にか俺が勇者なんだって。彼女を守らなきゃって、そう思い始めてたはずなのに……
俺は一歩一歩、慎重に階段を上る。
この上には、きっと彼がいる。
楽しかった俺のいつもの日常を、いつの間にか非日常へと変えた彼が。
それと同時に、多くの仲間と出会わせてくれた彼が。
階段を登りきり、大きな扉の前に立つ。
この奥だ。情報が正しければこの奥にいるはず。
俺はすぅーっと、深呼吸をした。
長い階段を上ってきたため、呼吸は乱れ、汗ばんではいたが、このぐらいなんてことは無い。
ギィっと音を立てながら、ゆっくりと扉を開く。
真っ暗な室内に、扉の正面の壁に作られているバルコニーへの扉。
その扉の手前に、月明かりに照らされた彼がたっていた。
「やぁ、遅かったじゃないか。待ちくたびれたよ、勇者くん。さぁ、始めようか?」
ゆっくりと振り向いたあいつは、まるでーーーーーー




