青の終点
空は青い。
その事実は、もう誰も疑わなかった。
だが同時に――誰もそれに意味を求めなくなっていた。
レインは空を見上げて、剣を軽く肩に担ぐ。
「……もういいだろ、この話」
ミナが目を丸くする。
「え、急にメタいこと言うのやめて?」
セリアは少し笑う。
「でも、確かに一区切りね」
リシアが不安そうに空を見る。
「本当に……終わったのかな」
ネアは、いつも通り静かだった。
「終わった」
間。
「“空の観測”は」
風が吹く。
その風はもう、修正でも記録でもない。
ただの風だった。
空の奥にあった“視線”は、もう感じない。
ログもない。
評価もない。
干渉もない。
あるのは、ひとつだけ。
“残った世界”
レインは空から視線を外す。
「じゃあ次だな」
ミナがすぐに突っ込む。
「切り替え早すぎるでしょ!?」
セリアは肩をすくめる。
「まあ、この人はこういう終わらせ方しかできないわね」
リシアは少し笑う。
「でも、それでいい気もする」
ネアはレインを見る。
「うん」
「ここはもう“通過点”」
レインは剣を軽く振る。
「空の話は終わり」
ミナが呆れる。
「作者みたいなこと言うな」
セリアは小さく笑う。
「じゃあ次は何するの?」
レインは空ではなく、“地面”を見る。
「上ばっか見てたしな」
間。
「今度は下だろ」
その言葉と同時に――
世界の“深さ”が、わずかに反応した。
空の物語は終わった。
だが、まだ誰も見ていない層がある。
“上”が終わったなら。
次は――
“下”が動き出す。




