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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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鍵の拒絶

 蒼黒の光が、空白の前で震えていた。


 それは炎のようでいて、刃のようでいて、まだ“形になりきっていない意志”そのものだった。


 レインはそれを握りしめるように構える。


「使われる前に壊す……だ」


 空白は動かない。


 だが“見ている”。


 観測でも評価でもない。


 ただ、確かに“理解しようとしている”。


『接続鍵:抵抗意志確認』


 ゼノスが低く言う。


『今の状態なら、まだ間に合う』


「間に合うって何がだよ」


『接続そのものの破壊だ』


 ミナが叫ぶ。


「それできるの!?そもそも!!」


 セリアが魔法陣を無理やり展開する。


「理論上は“接続元”を断てばいい……でもそれってつまり」


 リシアが小さく続ける。


「“外側に干渉する”ってことだよね……」


 ネアは空白を見つめたまま呟く。


「危険すぎる」


 空白が一歩近づく。


 その一歩で、王都の“遠景”が消えた。


 建物が消えたのではない。


 “見えなくなった”。


『接続率:50%』


『安定領域移行開始』


 レインの額に汗がにじむ。


「半分かよ……」


 義腕が熱を増す。


 まるで何かが中で暴れているように。


 ゼノスの声がわずかに変わる。


『レイン』


「なんだ」


『お前は“鍵”だが、それだけではない』


 レインが眉をひそめる。


「まだ何かあんのかよ」


『“拒否機構”でもある』


 空白が一瞬止まる。


 その“停止”は初めてだった。


 ミナが気づく。


「今……止まった?」


 セリアも目を見開く。


「反応してる……!」


 空白の中に、わずかな“歪み”が走る。


『異常検出』


『接続モデル不一致』


 ネアが小さく息を呑む。


「……やっぱり」


「あなた、ただの鍵じゃない」


 レインは空白を睨む。


「じゃあ何だよ」


 ネアは静かに答える。


「“拒否するための鍵”」


 その瞬間。


 空白が初めて“圧”を出した。


 世界が沈む。


 音が消える。


 存在そのものが押し潰されるような圧力。


 セリアが膝をつく。


「っ……重い……!」


 ミナも歯を食いしばる。


「なにこれ……本気出してきたじゃん……!」


 レインは一歩踏み出す。


 その一歩で圧力が少しだけ揺らぐ。


「関係ねぇよ」


 剣を持ち上げる。


「こっちも本気だ」


 蒼黒の光が収束する。


 それは今までの“終律”とは違う形だった。


 ゼノスが低く言う。


『来るぞ』


「何が」


『お前自身の“起源”が動く』


 その瞬間。


 レインの中に“映像”が流れ込む。


 見たことのない光。


 崩れる世界。


 そして――


 空白のさらに外側。


 そこに立つ、誰か。


 顔は見えない。


 ただ、その存在だけがはっきりしている。


 “レインという存在を投げた者”。


「……は?」


 ミナの声が遠くなる。


「レイン!?どうしたの!?」


 セリアが叫ぶ。


「意識が……!」


 レインは頭を押さえる。


「今の……何だよ……」


 空白が動く。


『接続率:70%』


『鍵の強制使用へ移行』


 レインの身体が引っ張られる。


 空白の中へ。


「ッ……!!」


 だがその瞬間――


 レインは剣を地面に突き立てた。


「ふざけんな!!」


 蒼黒の光が爆発する。


 世界と空白の“接続”が軋む。


「俺は俺だ!!」


 義腕が激しく輝く。


 その光は、今までよりも“個人の意志”に近い色だった。


「どこの誰だろうが関係ねぇ!!」


 空白が揺れる。


『エラー』


『鍵が“拒否定義”を優先』


 ゼノスが静かに言う。


『いいぞ』


『それでいい』


 レインは空白を睨む。


「接続なんて知らねぇ」


「更新なんて知らねぇ」


「全部まとめて」


 剣を持ち上げる。


「拒否だ」


 蒼黒の光が極限まで膨れ上がる。


 そして――


 レインは叫んだ。


「《終律・拒絶核》!!」


 世界が、音を失った。


 ただ一つ。


 “拒否”だけが存在する領域が生まれた。



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