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第46話:解析と狙撃、異なる攻略法


コノエの戦い──


 まどいろ達とほぼ同時刻、コノエもキメラスライムと対峙していた。

 しかしこのボスに、コノエは大きく苦戦することとなる。


 魔法での火力を維持し、回避も無駄なくこなしているコノエだったが、いかにスキルを連打しても、再生力と多層防御のあるこのボス相手に決定打を与えられずにいた。


 「……火力を最大限まで引き延ばしてもコアに到達しない──問題の解決法を考える」


 「平均火力の最大値ではダメ……瞬間的に火力を爆発させなければコアには届かない」


 「瞬間的に一気にコア破壊まで持っていける手段が……現状のボクにはない。……なら。」


 コノエは一旦攻撃の手止め、周囲を見渡し始める。


 「これだけ凝ったボスなら、利用可能な地形かギミックがあってもおかしくない。」


 攻撃を避けつつ暫く経つ頃、コノエがふと上を見上げ、笑みを浮かべる。


 「天井に鍾乳石を発見。──高度約8メートル、直撃すれば重量でコア破壊可能なダメージが十分に出るはず」


 タイミングを見計らい、すぐに魔法で鍾乳石を撃ち落とす。1本、また1本と床へ落下してはスライムの体を貫く。数発は外れたが、数を重ねるうちにシャドウスライム、マグマスライムのコアを撃ち抜くことに成功。


 「……やっぱり通る。再現性あり、ダメージも十分。……あとは繰り返す」


 そこからは、鍾乳石を利用した精密射撃で3つのコアを破壊。あとは【断閃連牙】の連続詠唱でエア、アイスのコアを押し切る。

 

 ジュエルに関しては、鍾乳石の直撃に合わせ最大火力の魔法を同時に打ち込むことで、運よく自爆するスキすら与えず倒しきることが出来た。


 ただし、この戦法は大きく時間を要した。

 

 一瞬、息を整え早足で次の階層へと向かう。




ソラの戦い──


 一方、ソラにとってはこのキメラスライムは“的”にすぎなかった。


 岩場の陰から弓を構え、じっと呼吸を整えるソラ。


 狙うはただ1点、コアの中心。


 ──スッ……バシュ!


 一撃、また一撃。視聴者がその射線を追う暇もなく5発、6発と、コアに向かって全く同じ軌道で矢が打ち込まれる。

 

 傷口の大きさは最小限。だけどその傷は着実にコアまで届き貫いていく。

 

 コノエのような面や線での破壊力こそないが、点での火力は頭一つ抜けている。


 【チャージアロー・裂】を限界まで溜め、矢を撃つたび、敵の反撃が来る前に別の位置に移動。


 スライムの巨大なボディを、ソラはまるで狩猟獣を相手にするかのように“正確に”“静かに”削っていった。


 1匹1匹、着実に数を減らしていくスライム。

 

 わずか7分で7つのコア全てを破壊してしまう。


 キメラスライムはソラ相手に何もさせてもらうことが出来ず静かに崩れ落ちた。


 これには視聴者コメント欄も、若干引き気味のコメントがあふれていた。


 ▶ この人やばすぎない?

 ▶ 寸分違わず同じ位置に打ち込んでるんだが

 ▶ 人間精密機械

 ▶ すごいより怖いが先に来る


 その身を一度も危険に晒すことなく、ソラは静かに次の階層への道を開いたのだった。

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