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第31話:ボス戦、それぞれの判断

【公式実況視点】


 ──残り30分、フィールドボス出現。


 墓地エリアの奥、霧が濃く立ち込める中、

 最初にボスに遭遇したのは、コノエだった。


 黒鉄の鎧に包まれた巨体──LV43・グレイブナイトが姿を現した。

 大きなブロードソードを振り回しコノエに向かって突進してくる。


 コノエは即座に状況を分析する。

 

 「……通常モンスターと比較、耐久値10倍以上。断閃連牙を展開、通常通り攻撃を試行──ダメージが少なすぎる、1分間でHP3%未満。魔法防御が高すぎる。──撤退かな。リスク高すぎて割に合わない」


 判断は早かった。

 

 攻撃を一度かわしたコノエは、無理に食い下がらず即座に離脱。

 無理に粘るよりも、確実に討伐できる通常モンスターを狩り続ける道を選んだ。


 ▶ 冷静な撤退判断、さすがコノエ

 ▶ 欲張らないのが勝利への鍵なんだよなぁ

 ▶ギャンブルはしないにこしたことはない

 

 ──コノエとボスの遭遇から少し遅れて、ソラとフィーノ組も、それぞれ別のボスに遭遇する。



 【ソラ視点】


 広い荒野と砂漠の間のフィールド、砂岩の崖の陰。

 ソラは、息を殺して弓を引き絞った。


 ターゲットは、フィールドを徘徊するボス、LV42・サンドビースト。

 体にメラメラとした炎をまとった、全長5メートルはあるであろう巨大な獅子。

 

 この距離、この風向きなら、射撃は届く。

 だが一発打ち込むごとに、すぐに位置がバレて突進されるだろう。


 矢を放つ。

 ──命中。


 サンビーストがすぐに攻撃の飛んできた方向を探りだす。


 慎重に、かつ迅速に場所を変え、また射撃。

 ──命中。


 サンドビーストはダメージを受けるたび暴れるも、攻撃の出所を全く掴めない。


 視線と気配を消し、地形を活かしながら、

 反撃を許さず、ソラはひたすらボスの体力を削っていった。


 ▶ いやこれ人間か?

 ▶ ソラさんの集中力バグってる

 ▶ 精神力もモンスター級


 

【フィー農場視点】


 一方、フィーノたち3人は、小規模な丘陵地帯でLV43・ストーンガーディアンと対峙していた。

 

 こちらのボスも全長5メートルを超える岩の集合体。

 武器こそ持っていないが体を大きく動かすだけで十分な破壊力を秘めている。 


 フィーノが前衛に立ち、ユーリが脇から強襲、

 クレアが後方から支援魔法と回復を重ねる。


 3人の動きは、流れるように噛み合っていた。



 「クレア、次バリア頼む!」


 「了解ですっ!」


 「こっちでヘイトを稼ぐ!とにかく撃ち込め!」


 確実に、じわじわとボスのHPを削っていくフィー農場チーム。


 

 ──だが。


 「っ、やっぱり火力が足りないか……っ!」


 敵の耐久力を貫くには、攻撃の威力がほんのわずかに足りない。

 削りきるには、まだまだ長い時間がかかりそうだった。


 ▶ フィー農場の堅実ムーブ安心する

 ▶ でもこのボスには火力足りなさそう……がんばれ!

 ▶ この耐久戦、どっちが先に根を上げるか


 それぞれが、それぞれの戦場で戦っている。



 そしてまどかといろはもまた、

 次なる「大勝負」に向かって動き出していた──

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