第26話:宝集め!
光のステージ中央で、再びホログラムがゆっくりと回転を始める。
「それでは続けて──お待たせしました。
ネクスト スター アーカイブ、第一ステージの内容を発表いたします!」
声のテンションが一段階上がる。
視界に大きく浮かぶタイトルロゴが現れた。
《ステージ1:宝集め》
MCの声が、会場全体に穏やかに響く。
「ここからは、第一ステージの内容をご説明いたします」
「このステージでは、参加者の皆様には専用のフィールドへランダムに転送され、
そこで90分間、宝石の回収数を競っていただきます。」
「宝石は、フィールド各地に配置されている他、モンスターを討伐することで入手可能です。
モンスターのレベル帯は20〜40前後まで幅広く、強敵ほど報酬も多くなる傾向にあります」
「ただし──もちろんリスクも存在します!
戦闘不能となった場合、所持していた宝石が-5個のペナルティとなり、スタート地点へ強制帰還となります。もちろんこちらのペナルティは1人ごとに判定されますので、くれぐれもご注意ください」
静かに、しかし確実に緊張が広がっていく。
▶ 死亡ペナ5個はなかなか重い
▶ 3人組が全滅したらー15? 一気に落ちそうで怖いな
▶ ギャンブルか安全運転かで性格出そう
「ステージ終了時点で、最も多くの宝石を所持していたチームが勝者となり、
順位に応じたスコアが加算されます」
【順位ポイント】
1位:10ポイント
2位:8ポイント
3位:6ポイント
4位:4ポイント
5位:2ポイント
「……ですが! ここで重要な補足!」
「人数構成による不利を調整するため、調整ポイント制度を設けています。
ソロチームには+2P、ペアチームには+1Pが自動加算されます!」
▶ おお〜これなら割と公平かも?
▶ ペナ考慮しても流石に人数の差は大きいからな。
「そしてさらに! この大会では当然、“配信者としての力”も評価対象です。
90分間の平均視聴者数、および瞬間最高視聴者数の順位に応じて、以下の追加ポイントが加算されます」
【視聴者数スコア】
1位:5ポイント
2位:4ポイント
3位:3ポイント
4位:2ポイント
5位:1ポイント
平均視聴者数/瞬間最高視聴者数共に
それぞれ上記のポイントを加算。
「戦うだけじゃなく、観せてこそ配信者。
このステージ1では、“実力と魅せ方”の両方を試されることになるでしょう!」
会場が一瞬静まり返る。ごくりと、誰かが唾を飲んだ音が聞こえる。
「……それでは、準備が整い次第、ステージを開始いたします」
MCの声が終わると同時に、床下から淡い転送エフェクトが浮かび上がる。
参加者たちの足元が光りに包まれ、ゆっくりと空間が歪み始めた。
「まどにゃん……いよいよだね」
「うん。さあ、90分の勝負、始めよう」
視界が白に包まれる。
──そして、まどかといろはの二人は、
木々の生い茂る、見知らぬ森の中へと転送された。
この90分が、すべてを決める。
「いろは、……やるからには?」
「全力で! 全項目でトップをめざす!」
「おっけー!! やるよ!」
初めての大舞台、二人は見知らぬ森で宝石を求めて走り出す。




