1.「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」
2023年11月17日に公開された映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」。
鬼太郎のルーツを描いたこの作品ですが、初動はそこまで大きくなかったにも関わらず、口コミで評判が広がった結果、大幅に興行収入を伸ばした作品です。
2023年年末公開の通常版と、翌年10月から1か月ほど公開された真生版(作画をブラッシュアップした結果年齢制限がPG12からR15+になったが、実質再上映版)がありますが、両方合わせて32億円超の興行収入を出しています。
作品の公開中、かなり話題になったのが入場者特典。
殆どの特典が描きおろしビジュアルカード1枚という簡素なものでしたが、特典の袋に封入されたイラストが劇中のドラマを色濃く反映したものとなっており、どのイラストも非常に話題になりました。上映直後に特典イラストを開けたらその場から動けなくなったという話も見かけるほどで……
そして特典の形式ですが、
初週→ビジュアルカード2種ランダム
4週目→ビジュアルカード1種
6週目、ちょうどクリスマス頃→ビジュアルカード1種
9週目→ようやく第4弾となる特典が配布。ここまでに出た特典イラストをまとめたビジュアルステッカー
11週目→ビジュアルカード1種
13週目→最終特典、ビジュアルカード1種
特典でかなり話題になった印象があるゲ謎ですが、実際のところ特典のペースはご覧のとおり、毎週ではなくほぼ隔週といっていい。
ゲ謎の場合、ちょうど年末年始にあたる7・8週目に特典配布がなかったことが当時、かなりの機会損失と言われていたような覚えがあります。恐らく想定外のヒットで、配給の東映側も特典準備が追いつかなかったのか……
それでもどんどん興行を伸ばしたのだから、やはり内容が評価された部分が大きいと思います。
そして年が明けてから隔週で特典を出してくれるようになりましたが、形式自体は変わらずビジュアルカード1枚のみ。9週目の第4弾は実質1~3弾の再配布と考えてもいいし。
設定資料やシナリオ集、後日談、前日談などの冊子もなければ、ランダム要素もほぼなし。
それでも特典が出るたびにファンがつめかけ、1~2日で特典が切れて配布終了した劇場が続出したのは記憶に新しい。
後々出てきた色々を考えると、「何故特典なしの時期にもここまで伸びた?」と首を傾げてしまいますが、やはりそれだけ作品そのものの力が大きかったということでしょう。
ちなみに真生版にはきちんと毎週、特典がありました。
が、やはりランダム要素はゼロで、1週目と3週目が通常版と同じく描きおろしビジュアルカード1枚ずつ。
2週目が「豪華版ブルーレイインナービジュアルのトレーディングカード」でしたが、このカードの裏に書かれたQRコードで、豪華版ブルーレイに付属しているCDドラマが試聴可能というスグレモノ。
……だったのですが、特典配布開始と同時に誰でも(映画を全く知らずともyoutubeさえ見られれば)試聴動画にアクセスできてしまったのはどうなのかとは今でも思いますw
ブルーレイの宣伝としてはいいのかも知れませんが、特典としては太っ腹すぎやしないかと。
ゲ謎については「どうせ特典商法で伸ばしたんだろw」と言われることも非常に多い気がするので、ここだけはしっかり言っておきたい。
確かに特典で伸びた部分もありますが、ゲ謎はほぼ隔週だったしランダム商法も最初の1回きり(それもイラスト2種のみ)だったと! むしろファンからは「早く特典出してくれ! 間に合わなくなっても(ry」という声が非常に多かったと!!
毎週ランダム特典をやっていれば45~50億も可能だったとChatGPTちゃんも言っている!
ただゲ謎特典の場合、ランダムではなかったもののネタバレ防止でイラスト内容は完全非公開でした。だからどんなキャラが来るのか全く分からないという欠点はあった。
キャラが少なく、かつネタバレ注意の作品だからこそ受け入れられたブラインド特典だと思います。配布開始の当日朝には絵柄はバレていましたがw SNS強い。
今度こそゲゲ郎と水木だろう……いやクリームソーダ喫する水木と沙代と時ちゃんかも……と思わせておいて時貞の選挙ポスターとかだったらどうしよう(;´Д`)と散々ドギマギしていたのは記憶に新しい。
配給は東映ですが、元々そこまで期待されていた作品ではなく、5億行けば上出来とさえ言われていたらしいです。特典配布が遅れたのはそういう事情もあったのかも知れません。
これを踏まえて、次の作品を見てみましょう。