14.「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
こちらもあまり説明の必要はないかと思いますが、1995年にテレビアニメとして放映され社会現象とまで言われたブームを起こした「新世紀エヴァンゲリオン」こと「エヴァ」。
本作は2007年からリブートとして制作された「ヱヴァンゲリオン新劇場版」シリーズ、4部作の最終章。通称「シンエヴァ」。
配給は東宝・東映・カラーの3社共同配給。
2作目「破」までは順調に公開され内容もかなり高評価でしたが、3作目「Q」はその急展開で非常に賛否が分かれた上に最終作の公開も遅れに遅れ、2012年の「Q」から約10年近くを経過した2021年3月8日にようやく公開。
Qほどではないものの、やはり結構な賛否両論を巻き起こした作品でした(個人的にはシリーズ完結作としてかなり良かったと思っていますが、主にカップリング問題で色々と議論が多かったイメージ)
結果として興行収入は102.8億円。コロナの影響もまだ大きい2021年でありながらも、見事に100億突破を果たしました。
3/8月曜日の公開という変則的な公開となった本作は、初動7日間で33億超という驚異的な記録も出しております。他の作品が金曜や土曜公開が多く初動の日数が3日とか4日とかが当たり前とはいえ、これは凄い。半分になっても16億超だし。
やはりファンが10年近く完結を待ち続け、さらに言えば旧エヴァからのファンはシリーズの締めくくりを心から待ち望んでいただけのことはあります(旧劇場版の『あの』衝撃的なラストからは20年超ともなる)
初日からネタバレ厳禁!!との言葉がネットに出回り続け、当方もきちんと結末を見届けるまではネットを可能な限り遮断していた覚えがあります。
最近のコナンでも思いますが、ネットでのネタバレを回避しつつ出来るだけ早く自分の目で作品を見たい!というファンが多い為に、興行収入が初動寄りになる傾向はありそうだ。
さて、その特典はというと……
初週(3/8~):描き下ろしポスター(アスカ)
2週目(3/19~):『シン・ポスタービジュアルカード』
意外にも普通……としか言いようがない。
元々特典など関係なく、エヴァの完全完結を求めて多くの人々が駆けつけることは想定内だったし当然といえば当然か。
ここからしばらく特典はなく、次に特典が出たのは10週目の5/15。
しかし本来はゴールデンウィーク中の配布予定(恐らく8週目前後)だったようで、コロナ蔓延による緊急事態宣言による延期があったようです。
それが、レイ&アスカのリバーシブルミニポスター(アスカは第一弾のイラストそのまま)。
そしてキャストのサイン・メッセージ入り。まだランダムはなし。
3月から4月初めにかけては春休み期間もあってかなり興行を伸ばしていますが、さすがに4月も半ばを過ぎると次第に座席数も減っていった模様。7週目だけの成績で比べると、ゲ謎や忍たまとあまり変わらずSEEDよりちょっと上ぐらい、といった感じです。
これはやはり、コロナによる緊急事態宣言の影響もあるか……
そういえば鬼滅無限列車編もある程度緊急事態宣言の時期に被っていた。当然だがそのあたりでは目に見えて興行収入が減っているし、それはシンエヴァでも同様。
シンエヴァと緊急事態宣言が被った時期は
・公開初日~3/21
・4/25~6/20
・7/12~フィナーレ
の3回。
多分公開時期の半分以上が緊急事態宣言期間です(無限列車もそれくらい被っているが、シンエヴァの場合は初週から被ったのも痛かったと思う)
このような中でよくやったと言うべきか。多分特典も、本来ならもっともっと出していく予定だったのかも知れない。
そして緊急事態宣言がようやく明けようかという頃に、4回目の特典が。
ラストランとして6/12から、36P冊子『EVA-EXTRA-EXTRA』を配布!
内容はQの前日譚漫画あり、参加スタッフの描き下ろしあり、さらには庵野秀明の特別寄稿ありと盛りだくさん。
在庫あれば6/26以降も配布継続だったそうで。満を持してのこの冊子配布は非常に豪華!
さらに同じタイミングで上映自体も、新バージョン(カットの差し替えなどが主でストーリーに変化はなし)での上映を開始!!
こういう形態はジークアクスの特別映像追加を思い出しますが、エヴァがそもそも先駆者だった。
この特典&新バージョン上映が功を奏したか、直前の週までは1億を切っていた興行収入は一気に3億近くまで伸ばし、さらにその次の週は3.5億を超え、累計100億が見えてきた!!
緊急事態宣言明けというのもあると思いますが、新バージョン上映と特典冊子の威力も凄まじかったと思います。Qの前日譚って、Qのあの超展開を見たファンなら誰しも見たいと思うだろうし。
さらに16週目となる6/26からは最終特典として、マリorカヲルポスター配布。
ここで初めてランダムが出ました。しかし種類は2種と、「一応ランダムもやってます」程度のランダム。
その週の興行収入だけを見ると2.4億。16週目にしては凄い数字ですが、冊子配布&新バージョン公開時の数字と比較すると(さらに緊急事態宣言期間明けという点を考慮すると)若干物足りない気はします。
しかし無限列車もそうですが、コロナ禍中の数字の推移はマジで読みにくかったと思います。座席数も減らさざるを得なかっただろうし、スタッフや映画館の苦労がしのばれる……
そして本作は7/11にフィナーレ舞台挨拶があり、7/21に公式から終映宣言。
フィナーレの期間中も緊急事態宣言と被るという不運もありましたが、7/12に興行収入は100億を突破!
最終的に興行収入は102.8億を記録しております。一時代を築き上げた作品としては、興行的には文句なしのフィナーレとなったのではないでしょうか。