さん
次の日なんかヒヤヒヤだった。
何故だか妙に朝っぱらから校門で笹原に見られたような気がしたからだ。
「ねぇ。何か朱麗また自分の世界に入ってない?てか昨日大分怒ってたよ、チヨ君」
トン、と肩を突かれ、後ろを見ると机にへばり付いて眠たそうにしている夏美。
そういえばあの後必死だったから気付かなかったけど、私ちゃんとチヨに謝ってなかったような……。
スッと立ち上がって、もう男子の輪に溶け込んでしまっているチヨの頭を一発殴った。
「ぃいって!朱麗何すんだよいきなりっ」
「昨日はごめん。ぼうっとしてお前達を待っている事を忘れていた」
「それが謝る態度か!?」
腕を組んでよそ見をする私に奴は大声で言う。
ったく。肝っ玉の小さな男だ。
「新崎さんって今時珍しいくらいの優等生様だよなっ。入試、ほぼ満点だったんでしょ?」
そこにいた一人が聞いてきた。
適当に制服を着崩した男の姿に嫌悪感を抱きつつ答える。
「知らない。そんな事聞いてないし。とにかくチヨ、今日も待っててやるから早く終わらせなよ、部活」
身を翻して元の席につきちらっと見ると、奴らはこちらを向いてアホそうな顔を出している。
これだからただの男は面白くない。
「何喋ってたの?」
「間抜けな会話に参戦してきたまでよ」
夏美は目を擦りながら首を傾げてふーんと呟く。
この仕草がまた可愛らしいッ
何と言うか、男心をくすぐるというか。
……あ、や、私自身は同性に興味無いので悪しからず。
というか男にもだけど。
すると教室の前のドアがズルズルと開いた。
今日もいかにもやる気のない担任のお出ましだ。
「はい、朝礼で特に言う事なーっし。一時間目の用意して待ってろ。うん。先生は保健室で寝てくる」
正直、何だコイツって思った。




