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四月:眼力を極めれば神に近付く

若干腐り気味な話です。それ故にBL要素は少し出ますが主体は純粋な恋物語となります(笑 またサイト用に執筆しているので1ページ分は少なくなりますが悪しからず。先を読みたい方は是非サイトに起こし下さい!それではッ



"彼は『黙れよ』と荒々しく呟いた。


あたしの両手を痛すぎる程強く締め付けて上にして、もう一方の手で顎を上げて切れた唇にその桃色の唇を寄せる。


ただ、目を見開く事しか出来なかった。

彼の思い通りに舌を口から出しておく他なかった。


唾液がこぼれて、それを拾うように彼は舌をあたしの首筋に移動させる。



舌の熱が、湿っぽさが、あたしを快楽へと導いて―……。"




そこまで読んで私はパタ、とそれを閉じた。


一言言わせてもらおう。


私は駅前大通りの書店内のある一角に積み上げられた本を見下げながら仁王立ちしていた。



「ありえないありえないありえないッ」



真面目にブレザースカートを膝下五センチ、ブラウスを一番上まできっちり閉め、銀縁眼鏡で髪を二つに結ったなら!


地元中学では知る人ぞ知る新崎朱麗様のお出ましで!



私は一目も気にせずもう一度閉じたあの本を掴みパラパラとめくる。


「大体この描写の無さは何なんだ!後ろの方なんかアンアンしか言ってないじゃんか!いや、決して携帯小説が全て悪いとは言っていない。むしろ全てを読んでいない私が偉そうな事を言える立場ではないのだが、このありきたりな文字は……」


ぶつぶつと本に向かって文句を垂れていると、おっとやっと来てくれましたか。


あたしはカモフラージュの為にその小説で顔を隠してそっと棚の奥を見つめる。



来た来た来たッ

最近この二人に目をつけてるのよ。

あたしはニヤニヤ顔を手で覆う。


店内に入って来た二人は制服を着ているから二人での下校時と見受けられた。


前から気になっててね。よくこの本屋に来るんだけど。

体格差が素晴らしくてスッゴクお似合いなんだよなーっ




あー本当にこういう子達、付き合っちゃえばいいのに。


すんごくお似合いの男の子。

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