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ありふれた?朝の日常



朝。それは一日の始まり。朝をどう過ごすかで一日が決まると言っても過言ではない。俺はこの朝の時間は眠気覚ましに重点を置いている。つまり何が言いたいのかというと


「二度寝大安定だよな」



Q.眠気を覚ますにはどうしたらいいですか?


A.もっと長く寝ましょう


だからな。という訳でおやすみなさい…


その時、ドアが勢いよく開かれバァンという音と共に少し高い声が部屋に響く。


「お兄ちゃん起きてる!?」


ああ、俺の至福(二度寝)の時間が…


「また二度寝しようとしてたでしょ?良かった、今日は間に合った!」


この声の主である悪魔は、俺の妹の詩織だ。いつも俺の二度寝を邪魔してくるやべーやつ…あ、いや才色兼備で完璧な良くできた妹です。はい。け、決して詩織に睨まれたから動揺した訳じゃないんだからね!勘違いしないでよね!


「まーたお兄ちゃんがどこかへトリップしてるよ…」


やめて!そんな目で俺を見ないで!変な扉が…開くわけないだろ。妹だぞ妹。


「やっぱりお兄ちゃん刺青入れたんじゃないの?今までよりも更に頭がおかしくなっちゃったみたいだし」


「昨日あれほど説明しただろ?!それと『更に』って何だ『更に』って!俺は今も昔も真面目で妹想いだろ?」


それを聞いた詩織が怪訝そうな顔になっているのが見てとれる。


今の会話から分かるように、昨日俺が家に帰ってからは説明するのが大変だった。家に帰ってまず、訳が分からず少し錯乱した詩織と目に涙を浮かべた母さん──神崎真由美という──を宥め、説明をする作業から入った。段々と、本当に段々と理解をしてもらったと思うと今度は父さんが帰ってきた。因みにここまでの所要時間1時間強。そして帰ってきた父さん──神崎誠という──は俺を見るや否や無表情で『話を聞かせろ』と言ってきた。話をするとすんなりと信じてくれたが、正直父さん滅茶苦茶怖かった。いやまあ確かに昨日まで普通だった息子が刺青、それも全身にくまなく入れていたらそりゃあそうなるわな、っていう。逆に手が出なくて良かった。手を出されても文句は言えない状況だったから良い親で助かった。


そうそう、味覚が強化されたお蔭か、母さんの料理が今までよりも更に美味しく感じられた。この味覚強化というのは、今まで美味しさを5段階位で評価していたのが20段階位に増えたイメージだ。すなわち今まで「美味しい」と感じていた食事が、「○○が強すぎて●●の味が~」と感じるようになるということだ。やったね!バカ舌卒業だ!


まあこれに関しては無い方がいいかな……え?母さんの料理は具体的にどうだったかって?メニューは鳥の唐揚げだったが、気になったのは少し揚げる時間が長いかなっていう位だったからかなり旨かった(と思う)。


「とやかく言わずに起きるか」


「えっ、珍しい。いつもなら無理やりにでももう少し寝ようとするのに」


詩織が口に手を当てて目を見開きながら驚いたように言う。そんなに珍しいか??


詩織と共に一階のリビングに降りる。因みに部屋にいるときから朝ごはんの匂いには気付いていた。オンオフできないのかな……


「おはよう」


「おはよう。よく寝れたか?」


「あら、おはよう。手と顔洗ってきてね。詩織は先に食べてなさい」


「ちょっと部屋に戻ってからにするね」


リビングには父さんと母さんがいた。刺青擬きを気にする素振りを見せるかと思っていたが、そんな素振りは見せていない。


「うん、よく寝れたよ」


「そうか、それは良かった。ところで昨日言っていた頼みって何だ?」


「ああ、頼みって言うのは……刀とか剣とか買う許可を出して欲しいな~ってこと」


その時、ガタガタッ!と大きな音がした。思わずその方向を見ると母さんが椅子から崩れ落ちて涙目に…って


「違う違う!ダンジョンの攻略に必要だから欲しかったの!別に他意はないよ!」


「…それなら良いんだけどね」


「ちゃんと相手に誤解のないようにしろよ?昔から言葉足らずなところがあるからな。っと、確か刀や剣が欲しいんだよな」


「確か…家の倉庫にあったような…」


父さんはぶつくさ何かを言いながら外へ出ていってしまった。


「お兄ちゃん何かあったの?」


父さんと入れ替わりでリビングに来た詩織が俺に尋ねる。


「なんで俺に聞くんだ。いや確かに俺が父さんに頼んだけども」


「何を?」


「ダンジョン攻略に必要な刀とか剣が欲しいって言ったんだ。『家の倉庫に──』って言ってたけど……あったか?そんなもの」


「ふーん、悪用しないでね」


「しねぇよ!俺を何だと思ってるんだ!」


「兄妹仲が良いのはいいことだけど、それぐらいにして、心也は早く手と顔洗って、詩織は食べてなさい」


「「はーい」」


さて、今日はどうしようか。



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