クソ女神と書いてエイレネシアと読む
エイレネシアは続ける。
「この地球にダンジョンを作ったのも、皆さんに呪いを与えたのも私達の暇潰しの一環です」
衝撃の事実をエイレネシアが告げる。今まで黙っていた外国人が口を開いた。
「ちょ、ちょっと待て!どうして地球だったんだ!どうして暇潰しでダンジョンを地球に作ったんだ!?」
「どうして…ですか。」
少し考える素振りを見せる。
「理由なんて必要ですか?だって私達の所有物ですよ?ただ暇だから持っているもので暇潰しをする。いたって普通のことじゃないですか」
場は静寂に包まれる。開いた口が塞がらないとはまさにこの事を言っているんだな、と思う一方で神っていうのは理不尽な存在なのかとも思っていた。呑気だな、って思われるかもしれないが、人間驚きすぎたら一周まわって冷静になるってものよ。
「まあ地球が崩壊したり魔物に占領されたりは今のところはないので安心してください。あなた方人類がダンジョンから魔物が溢れない程度に間引いてくだされば、害はなくむしろ利益しかもたらさないので。ああ、ダンジョン内での死亡は害として数えなければ、ですよ?」
その後、エイレネシアからの話は淡々と進んだ。
要約すると、
・地球に現れた無数にあるダンジョンを全て攻略しても何も起きない。というか全て攻略することはできない。
・ダンジョンにはボスがいて、ボスを倒すと追加報酬が貰える。その後、魔方陣が現れるのでそれに乗ればダンジョンの入り口付近に帰還可能。
・【念話】でここにいる人達を登録したら?
・あとは経験あるのみ
…雑だなぁ。まあ、帰還の仕方が「ボス倒したら入り口まで歩き」とかじゃなくて良かった。下手したらやりそうだからなこの女神。
「じゃあ、大体は説明し終えたので、私はそろそろ帰りますね?」
そういってエイレネシアが帰ろうとしたとき、エイレネシアが突然止まりあからさまに動揺した様子が見てとれた。
「…えぇ?それ本当ですか…?」(小声)
「えっとですね、今他の神からの連絡があったんですけど、HPやMP、倍率などの数値を廃止することになりました。曰く『その方が面白いだろう』って……見れないだけで存在自体はしているので見れなくなった分単純に難易度が上がりました」
はぁー!↑(怒り)
許せん!
「じゃあ、今度こそ帰りますね。頑張ってくださいね…?」
質問されるの面倒だからって逃げやがったあの女神!しっかり質問に答えろや!
クソ女神がいなくなってから約40分後、【念話】で互いを登録していつでも連絡できるようにして、目標を決めた。
その目標とは、世界一のクランになること。そして、全員がトップランカーになることだ。
クランとは、あのクソ女神はあまり説明しなかったがダンジョン攻略者たちの集まりのことで、色々と恩恵があるらしい。
ギルドとはどう違うのかと思っていたが、ギルドは国が主体となっているダンジョン攻略者の団体でクランとは主体となっている所が違うらしい。当然、ギルドの方がクランよりも権力的に強いらしい。
クラン結成にはメンバー全員の同意が必要で、クラン結成のために今度集まることになった。そしてそのときにちゃんと自己紹介をしようということになった。てか俺ら名前だけの簡単な自己紹介だけで約40分も話してたのか…(因みに雑談が大半を占めていた)多分同じ境遇によるものだろうね。
「さて、じゃあその他諸々は【念話】で決めるってことで、帰るか!」
一番最初にエイレネシアに食って掛かっていた外国人…レオナルド・ギレットがそう言う。
因みに扉は9つあり、それぞれの元いた場所に帰れるようになっているみたいだ。
「じゃあシンヤ、頼んだぜ?」
…え?なんでこんなこと言われるのか、だって?ハハハ……呪いについて話してたらいつの間にかこうなってたんだよ…なんかリーダーっぽいのやらされそうになってる。というかなった。
「おう、じゃあせーので一斉に開けるか。せーの!」
扉を開けるとそこには──
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