表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】世界を統べる王女使い《プリンセステイマー》~最強暗殺者は処刑や追放されそうになったので、最弱テイマーに転職してひっそり暮らそうとしたけど無理でした  作者: 藤七郎(疲労困憊)
第二章 魔界妖精ドラゴニア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/74

67.テイムまたしても


 昼過ぎのエルフ国。

 僕は始祖ハイエルフの直系であるフランソワの部屋で、彼女と会っていた。

 だけど間違ってテイムを発動してしまい、彼女が驚いて可愛い悲鳴を上げる。


「きゃっ!」


「うわっ! ごめん! テイムって言葉だけで発動しちゃった! ――って!」


 白い光の中、彼女が縮んでいく。

 ――まずい! 始祖の力が強化されてる!


 僕は手をぎゅっと握りつつ、スキルを唱える。

「テイマースキル発動! 【応援エール】フランソワ!! 頑張って、フランソワ!」


「うぅ~……混ざる、混ざります! あぁっ!」


 そして落ち着いた木の部屋に白い光が弾けた。



 僕はおそるおそるベッドの上に横たわるフランソワを見た。

 ――幼児や赤子になっていたら……いや消えてしまってたらどうしようと思って。


 すると彼女はベッドの上に身を起こした。

 ちっちゃいエルフがいた。


 見た目は13歳ぐらい。背は低く僕の胸辺り。体は華奢になり、手足がすらりと長い。

 でも胸の大きさは変わってなかった。アンバランスな妖艶な雰囲気だった。

 そして少女になったせいか、目がますます大きくみえる。


 フランソワは自分の手のひらを見る。

「痛みと、力の暴走が、消えた……? 体が動く! 軽い!」


 バサッとシーツを蹴っ飛ばして、薄絹の寝巻一枚だけの姿でベッドから飛び降りた。

 部屋の隅にある姿鏡に胸を揺らして駆け寄ると、裏に表に全身を映す。

 銀髪が跳ねるようにふわふわと揺れた。


「ちっちゃい! でも、始祖の力の暴走は止まってる!」


「助かったようでなにより……あやうく消えてしまうかと思って焦ったよ」


「――ノイスさん、ありがとうです!」


 元気いっぱいに笑うフランソワが子供のように可愛かった。



 ほっとしつつ僕は彼女をじっと見た。

 スキルやステータスが浮かび上がる。


「すごいね。種族がハイエルフになってる」


「あたくしがハイエルフ!? ――テイムってすごいのですね」


「うーん、なんかいろいろ規格外な気がする……でも、これで穏健派をもう一度率いてくれる?」


「ええ、問題ないわ。こんなに動けるなら、任せておいて――あっ」


 フランソワはその場で、くるっと一回転する。

 だが足元がふらついて、勢いそのままに体勢を崩した。

 寝間着を乱してほぼ半裸になりながら倒れる。


「危ないっ!」


 僕は瞬時に移動してしゃがむと、床にぶつかる寸前のフランソワを横抱きに抱え上げた。

 小さくて華奢な体。すべすべした素肌と大きく弾む胸が指先に温かい。

 僕の腕の中で半裸のフランソワは頬を染めて、僕を見上げる。


「あ、ありがとう、ノイスさん……」


「ずっと大きな力に体を蝕まれていたんだから、無茶しちゃだめだよ……特に生命力が減ってる。――って、そうか【回復ペットヒール】」


 フランソワが温かい光に包まれた。

 全快しなかったので、二度、三度と唱えて回復させた。


 その間彼女は僕にしがみついたまま大人しくしていた。

 でも、ペットヒールを唱えるたびに、小さな体と大きな胸、そして長い耳をぴくっぴくっと震わせる。

 幼さの残る美しい頬が、ますます赤く染まっていく。



 ようやく全快させると、彼女を立たせて服の乱れも直してあげた。

 フランソワはお人形のようにされるがままで、指をもじもじと合わせている。

 なんだか仕草まで子供っぽい。


「ありがと……ね、ねえ。あたくしの裸、見てしまいました?」


「うん、ごめん。でも、綺麗だったよ」


「はぅ……っ」


 長い耳の先まで真っ赤にして、フランソワが気絶したかのように後ろ向きに倒れていく。

 僕は慌ててまた抱きしめると、お姫様抱っこしてベッドへ連れて行った。



 横に寝かせてシーツをかける。

「もう2、3日は安静にしてて。そのころには、きっとすべてが終わってるから」


「はい、ノイスさん……その後は、あたくしと手を取り合って、より平和な国を作りましょう」


「うん、そうだね。平和が一番だ」


「だから、迎えに来てくださいね……あたくし、妻にしてもらえる日を待ってますから」


「えっ!? なんで、急に!?」


「え!? エルフの長い耳を先端まで赤く染めさせた人は、添い遂げる定めなのですよ!?」


 僕は頬をひきつらせた。

 ――うわぁ。

 エルフの習性を知らなかったとはいえ、また厄介ごとが増えた。


 シャロンに嫌われないように、僕はテイマーとしての現状を伝えた。

 多くの女王や王女をテイムしているからこれ以上は難しいと。



 だが、フランソワは眉をきゅっと寄せて、勇ましい目つきをした。


「わかりました! あたくしも女王になれば、抱いていただけるということですね!」


「え……いや……ああ、もう。それでいいよ」


「わかりました! 必ずや、エルフ国をまとめ上げてみせますっ!」


 ベッドに横たわりながら大きな胸の前で、ぐっと拳を握るフランソワだった。


「うん、頑張って。じゃあ、もう行くから」


 僕はフランソワの額にキスをした。

 フランソワが銀髪を乱すと、ベッドから飛び上がりそうに体を跳ねさせる。


「ひゃんっ! ――待ってます、ノイスさまっ」


 また長い耳の先まで赤く染めて、潤む瞳で僕を見上げた。


「うん、またね」


 彼女の可愛い声を背に、僕は部屋を出て来た道を帰った。


新作が日間ランキングに載ってます。現在16位。

『おっさん勇者の劣等生!~勇者をクビになったので自由に生きたらすべてが手に入った~』

https://ncode.syosetu.com/n8256gj/

大量更新中なので、よかったらどうぞ~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コミカライズが二巻まで発売中の新作をどうぞ!

追放勇者の優雅な生活 (スローライフ) ~自由になったら俺だけの最愛天使も手に入った! ~【コミカライズ&書籍化!】

勇者をクビになったおっさんが、天使のようなヒロインをゲットして、ダンジョンマスターにもなって、いろいろ自由に生きていくお話です。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ