265〜270 みかんともも
265
「なんで風邪をひくたびに子守を頼まれるんだ。お前高校卒業しただろ。自分のことは自分で面倒みろよ」
「熱出てる時ってさみしいじゃん。そばにいてよぉ〜」
「手ェ熱! 熱高いんじゃないか?」
「さっき測ったら38度だった」
「大丈夫か?」
「体が痛い。喉が痛い。鼻が詰まる」
「典型的な症状だな」
「人にうつすと治るって言うよね」
「帰るぞ?」
266
「とりあえず点鼻薬さしてマスク、氷枕、加湿器、毛布、ティッシュ」
「早く寝ろ」
「帰らないでね?」
「分かった分かった」
「帰ったら罰ゲームとして……」
「して?」
「……」
「寝たのかよ。やれやれ……」
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「ん、……」
「起きたかニート」
「変な夢みた……、深い雪の中で誰かと一緒にいた……」
「……もう少し寝たほうがいい」
「そばにいてね」
「いるから」
ずっと。
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「熱だいぶ下がった!」
「良かったな」
「背中が痛い!」
「熱出てたからな」
「お腹すいたからママが買ってくれたゼリーたくさん食べた!」
「いいことじゃないか」
「ゼリー冷たかったからお腹痛くなった!」
「どんだけ食べたんだ」
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「わたしはみかんゼリーが好き」
「俺は桃かな」
「給食の冷凍みかんとかも好きだったな〜。給食といえば、好きなのは揚げパン、シナモン味ね。意外とカレーは美味しくなかった。わかめごはんはめっちゃ美味しかった」
「ふーん」
「博士は給食なにが好き?」
「給食はなかったな」
「……え?」
「あっ」
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「日本の給食制度は1932年に始まり、太平洋戦争で一旦中止、1951年には完全給食となり、1954年には「学校給食法」が制定されている……。つまり!」
「うぐ」
「サバ読み! 年齢詐称!」
「うぐぐ」
「嘘つかれてた! ショック! SHOCK! G-SHOCK!」
「くだらな! いや……。か、数えてるのは70くらいだから!」
「はあ?」
「数え始めて約70年だから! それまで数えてなかったし……、いまさら数えろと言われても覚えてないし……、だから実際の年齢はそもそも知らん」
「え?」
つづく
作者が風邪をひくたびにミユキも風邪をひきます
そして症状も一致




