259〜264 魔法は万能ではない
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「象とカンガルーのキメラに追っかけられてからずっと筋肉痛」
「弱いな」
「仕方ないよ引きこもりだもの……」
「年取ってから困るぞ。腰が痛くなり足が痛くなり歯が抜け老眼、そして骨粗しょう症からの骨折」
「やだー!」
「動け」
「ぐぬぬ。そーいう博士はどうなんだ⁉︎」
「俺は見た目は老いません」
「ちくしょー!」
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「わたしも若いままでいたい」
「はあ?」
「そうだよ、ママもいるし博士もいるじゃん。わたしもずっと若いままでいる!」
「ダメ!」
「なんでー! 1人だけ除け者! やだー!」
「マユがいるでしょ!」
「マユちゃんは……マユちゃんだけど! マユちゃんは博士やママじゃないし!」
「マユは演劇部だったらしいから!」
「実際の人物を演じてもらうってモノマネじゃん! 大体それ今考えた嘘だろ!」
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「とにかくお前は無理だ。ダメ。絶対ダメ。今から老いに備えとけ」
「年取らない人に言われてもなー」
「とりあえずダイエットするんだろ? また魔物倒しに行くか?」
「あれはダイエットではない。サヴァイヴァル。ってか体重測ったら全然増えてなかったよ⁉︎ これから博士は女子に向かって『太った?』と尋ねた失礼な人という称号を持って生きていってよ⁉︎」
「おい、なんだそれ」
「失礼な人のメダル。金の折り紙だよ!」
「暇なのか?」
「暇だよ?」
「だよな」
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「なんでこのメダル細かい切り絵になってるんだ……⁉︎」
「そりゃ頑張ったからだよ」
「頑張りを他に向けろ」
「それ大事にしてね! 5時間かかったから!」
「このメダルは捨てたいけど謎の罪悪感で捨てられないコレクションに入るな……」
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「今座ったらめちゃくちゃ足痛かったからもう2度と立ちたくない」
「ニートだなあ。というかそろそろ言うけど」
「なに」
「回復魔法使えよ」
「あっ」
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「あー、やっと痛いの治った!」
「魔法が使えることを忘れるなよ……」
「てか博士聞いて! いいこと思いついた!」
「なに?」
「おばあちゃんになっても回復魔法で全て解決!」
「魔法は定年があるぞ?」
「は?」
「60歳」
「公務員かよ」
つづく




