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しづく 愚か者の列に並んだ者  作者: はるあき
43/44

負け犬クラブ5

レイ(圭人)

フォー(覚、圭人の友人、四回目の結婚をしている)

ダグ(強がりを言った男、家族に妻を壊された男)

エフ(元妻を強突張りと言った男)

メガネ(妻に浮気された男)

ユウ(人妻狙いの男、社宅で奥さんが苛めらた男)


負け犬クラブもあとフォーとレイだけです。

レイ(圭人)は、覚悟ができなかった。

しづくとの離婚理由は話せない。けれど、みんな辛い過去を話してくれた。

そもそもレイとしづくの離婚理由は、何なんだ?

レイの浮気?

しづくが子供が出来にくいから?

話し合いもせずにした離婚だから、どれが理由なのか分からない。

だったら、正直にあったことを話すしかないのか?

「ねえ、また聞いて欲しいですか、いいですか?」

メガネが穏やかに言った。

「離婚協議中の妻から子供が出来たと言われたんです。」

喜ばしいことなのに喜べないのは、″妻″が浮気していたからか?

「復縁するのか?」

「止めとけ、間男の種かもしれないぞ。」

ダグとエフが口々に声をかける。

「離婚します。僕の子だったら養育費は払うと言ってあります。」

あれほど妻に執着していたのに、落ち着いて何でもないことのように言うメガネに違和感を感じる。

「違うって確信があるんだね。」

ユウが慰めるように言った。

「僕が間男だったのです。」

メガネが静かに話し出した。

メガネと妻は、部署は違うが同じ会社に勤めていた。

同じフロアで働く妻に好意を持っていたが、メガネと同期の男と付き合っているのを知っていたため諦めていた。

だが、男は妻を捨てて、上司の娘と結婚した。女より出世の道を選んだのだ。

メガネは、失恋で弱っていることに付け入る気はなかった。が、妻のほうからグイグイと接近してきて、気が付けばスピード結婚していた。

「嵌められたな。」

エフとユウが頷き合っている。

「浮気相手、元彼だろ。」

メガネは、自嘲的な笑いを浮かべた。

「舞い上がっていたんですよ。やっと思いが届いて実ったって。」

好きだった相手に迫られて、それが元彼と付き合うためのカモフラージュだったなんて、分かった時はすごくショックだっただろう。

だが、レイにはメガネに同情する権利はない。

しづくと会って江里と別れた。けど、また江里と会うようになっていた。

しづくは、江里との関係を隠すために結婚したと思ったのか?

「男の奥さんに呼び出されて会ったんです。」

テーブルごとに仕切りがあり、誰が座っているか分かりにくい喫茶店だった。

隣から、聞こえてきた声にビックリする。

妻と浮気相手だ。子供が出来たと報告している。メガネの子と育てるつもりだと。

『私、浮気は許すけれど、子供は許さないと言ってあるのです。』

男の奥さんは怖いくらいニッコリと楽しそうに笑った。

『たぶん、中絶が出来なくなってから、あなたに言うでしょう。子供のために寄りを戻そう、と。』

ICレコーダーをすっとメガネの目の前に出された。

「男の奥さんが言った通り五ヶ月が過ぎたころに妊娠を言ってきまして。」

メガネの乾いた笑いが響く。

「僕は避妊してましたし、ピルを飲んでいるのも知っていました。だから、DNA鑑定して僕の子なら養育費を払うと言ったのです。」

妻は信じてくれないの?と泣き崩れて、妻の家族からは鬼と罵られました。

男の奥さんから貰ったICレコーダーを再生して黙らせ、慰謝料のことで協議中です。

「妻には、いや、元妻には、僕の子供なら養育費は支払わずに僕が引き取り育てると言ってあります。子供に使われるかどうかが分からないから。ああ、相手の男にも慰謝料の支払いをお願いしています。」

会社でも話題になっているので、どうなるのでしょうねぇ。

他人事のようにメガネは、笑っている。

「さあ、飲め。」

タグが、メガネにコップを握らせた。

「今度、合コンでも開くか?」

エフがメガネの肩を叩き慰めている。

「機会があったらお願いします。」

メガネは、泣いていた。

「ほんとに好きだった。彼女が元彼を思うのと同じくらい。だけど、彼女には伝わらなかった。」

「違うよ。浮気相手が好きだったら、メガネと結婚しない。」

ユウがスパッと切り捨てた。

「ただの自分勝手な女だ。早く忘れな。」

「そうします。」

泣きながら笑うメガネにどう声をかけていいのか、レイは分からなかった。

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