負け犬クラブ4
レイ(圭人)
フォー(覚、圭人の友人、四回目の結婚をしている)
ダグ(強がりを言った男)
エフ(元妻を強突張りと言った男)
メガネ(妻に浮気された男)
ユウ(人妻狙いの男)
ユウの離婚事情です。
「こういっちゃあ失礼だけど、とんでもない家族だな。」
エフは、深いため息をついている。
「けど、それは自分が楽だから家族の嘘の言葉を信じただけ。」
ユウの言葉にメガネが憤る。
「ユウさん、あなたさっきから・・・。」
「お前も壊されたんだろ。」
タグが、ニヤリとユウに笑いかけた。
メガネは、開いた口をそのままに固まっている。
「分かるか?」
「ああ、同じだ。後悔が尽きないって顔してる。」
ユウは、参ったなと手で顔を隠した。
「彼女と社宅に住んでいたんだ。」
「有閑夫人にやられたか?」
フォーの言葉にユウは頷いた。
「親玉は、部長の奥さんだった。」
ゆっくりとユウは語り始めた。
奥さんとは、職場結婚だったこと。
マイホームを買うために暫く共働きで頑張ることにしたこと。
子供はもう少したってからと考えていたこと。
「営業だから外回りが多くて、資料や書類は残業てやってたから、付き合いはほとんど嫁任せだった。」
まずは、ゴミの出し方からだったと思う。
出し方、出す時間、クドクドと言われたらしい。
そのうち回覧板が回ってこなくなった。
「日曜日に出掛けて帰ってきたら、集会があったのにと怒られて。忙しくて忘れてたんだろとその時は思ったけど・・・。」
清掃作業の不参加、ゴミ捨て場の変更や当番の忘れ、色々重なってきた。
「回覧板を見せて貰っても、判子は押してあって。俺が確認するとなると回ってきて・・・。」
事務でほぼ定時で帰れる奥さんは、毎日嫌味を言われていたらしい。
電気や水道などの支払い明細も見られ、使いすぎだの何だの言われていたらしい。
捨てたゴミは、いつからか中身をチェックされるようになった。
捨てた郵便物が、またポストに入っていたりするようになった。
嫁が帰ってくると、玄関の新聞受けに夜の生活の回数が書かれた紙が入っていることも。
嫁に言われて管理人に連絡したけど、部長から注意されてさ。
自意識過剰だと。
「社宅には、寝たことのある女性も何人かいて。新人の時に世話になった先輩も誰かの奥さんになっていたんだ。」
営業先を回っている時に偶然会ったことも何回かあった。
昼時に偶然一緒になったことも。
「全部仕組まれてたんだろ。」
「ああ、回るルート流されててさ、写真撮られて家のポスト行き。」
先輩に誘われて食べに行った場所がホテルのレストランでさ、出てきたところを嫁にばっちり見られて。
修羅場、そう、修羅場だね。
道の真ん中で嫁が狂ったように騒いで、もう手がつけられない感じ。
どれだけ言っても信じてくれないの。
レイは目を閉じた、
ホテルから出たところを見られたのは、同じだ。
レイは、逃げた。
ユウは、逃げなかった。
ユウは奥さんを裏切ってなかったから、逃げる必要はなかった。
「嫁から色々聞いて、信じられなくてさ。嫁が証拠にと家に置いてあったのも無くなってて。」
「それって、中に入られてたってコトじゃないですか!」
ユウは、メガネに歪んだ笑みを見せた。
メガネは引き釣った顔をして、ユウから逃げるように上体を反らしている。
「信じられないだろ。泥棒なら分かるけど、暇潰しのために家の中まで入ってたんだぜ。管理人脅してさ。」
そう、信じられなくて、けど、嫁がえらく取り乱すから回りに分からないようにして、嫁だけホテルに泊まらせた。
で、営業で社宅の近くを通ったから家に寄ったら・・・。
「ゴミ袋漁っている隣人いるわ、飲食店の前で会った写真はポストに入っているわ、凄い状態。」
調べたら、盗聴器も出てきてさ、悪戯じゃすまないレベル。
嫁は、もう退職届け出して実家に帰ってた。
離婚届が郵便で送られてきて、慌てて会いにいったけど・・・。
「会って、もう無理だと分かった。あいつは、もう疲れきってて。だから、解放した。」
「あと、何人だ?」
ダグが聞いた。
「親玉だけ。」
俺の情報流してた同期夫婦は、部長の奥さんに頼まれていた。
ゴミ袋漁っていたのは、息抜きとホスト倶楽部に連れていかれ、のめり込まされたらしい。借金だらけでさ、夫の仕事中に身体を売って返してるのを脅されていた。
昔の女たちは、俺が嫁を選んだのが許せなかったらしい。自分のほうがいい女だってさ。
先輩は、部長の奥さんと一緒。
仕事バリバリしていたのに専業主婦になって、暇で暇で仕方なかったらしい。家庭がどう壊れていくのかが楽しみだったらしい。
同期夫婦をまず潰した。
男の方は仕事を大失敗させ、女の方は俺に気があったのは知ってたから口説き落とした。それを失敗で落ち込んでいる男にバラした。
ゴミ袋漁っていたのは、そのまま借金と身体売ってることを夫と回りに暴露した。
昔の女たちは、調べたらすぐに男がいるのが分かった。浮気相手と夫が鉢合わせになるよう仕組んだ。
先輩は、フリーになった俺にすぐに声をかけてきた。身体の関係になるのは、一番早くて長く続いたな。俺に入れ込んできて仕方がないから、何も考えてられないほどの快楽が得られる場所を紹介してやった。今でも金払って数人の男たちに足開いてるだろ。ネットで流されてるの気付かずに。
「部長の娘さん、結婚しててさ、今、付き合ってる。どうもっていくか検討中ってとこかな。」
「ユウが、人妻と付き合ってるのって・・・。」
メガネの言葉にユウは、首を傾げた。
「どの人も寂しいんだ。寂しいから、自分より惨めな人を作りたがっている。」
「だからといって、″それ″にされたくないよな。」
エフの言葉にみんな頷く。
「で、全部終わったらどうするんだ?」
「ダグは、もう会えないんだろ。うちは、再婚して二人目がお腹にいる。」
「未練があるのは、男だけか!」
ダグは、陽気に嗤った。
「守れたのに守れなかったから、余計、未練がましいと思うよ。」
レイも誰も二人に何も言えなかった。
リハビリになっているのでしょうか?




