負け犬クラブ2
負け犬クラブ規則
1.本名を使わない
2.クラブの話を他の者に誰のことか分かるように話さない(他言無用が望ましい)
3.自由参加、退部自由
注:2を守らなかった場合は、制裁があり
話を聞いた他人が名前を調べ、話した場合も同じ
レイ(圭人)
フォー(覚、圭人の友人、四回目の結婚をしている)
ダグ(強がりを言った男)
エフ(元妻を強突張りと言った男)
メガネ(妻に浮気された男)
ユウ(人妻狙いの男)
「1は、わかるよなー。」(ダグ)
「2は、他言無用でいいんじゃねぇ?」(エフ)
「制裁ってなんでしょう?」(メガネ)
「ヤバいやつ?」(ユウ)
「ところでここって幾ら?」(ダグ)
「高級そうな所ですよね。」(メガネ)
「一回でけっこうな額いく場所だったような。」(エフ)
「手持ちないけど。」(ユウ)
「この場所を手配できて、クラブ活動一回につき五十万まで援助できる方が、スポンサーだよ」(フォー)
他言無用が暗黙の了解になった。
「浮気のキッカケかー。」
元妻を強突張りと言った男、負け犬クラブではエフと名乗ることになった男が呟いた。
負け犬クラブでは、本名は、使わない。クラブルールの一つだ。
「なんだろう。今考えるとナンデ?と思えるな。」
こいつも同じなんだろうか?
圭人は、そう思った。
圭人は、レイと名乗ることになっている。
覚は、四回結婚しているから、フォーだ。
妻に浮気された男はメガネ、強がりを言った男はダグ、人妻がいいという男ユウだ。
「俺の浮気相手は、職場の後輩でさー、教育係だったわけ。で、その後も何かとよく一緒に仕事して、誘ったのは、どっちだった?」
エフは、トントンとテーブルを叩いて思い出そうとしている。
「女と二人っきりだと、そんなコトになるよな。」
ダグが、据膳上膳?上膳据膳か?いただけるもんはいだだくよなーと話している。
後腐れなければそうするだろうとレイも思った。だけど、明らかな誘いは、醜すぎて受ける気も無くなるが。
「僕は、営業事務を同行させるけど、そんなコト、一切ありません!」
メガネは、眼鏡のブリッジを指で上げ、不潔なとダグを睨みつけている。
「どっちかが、そう思ってるともう片方も流されちゃうコトあるよ。で、一回しちゃうと後はズルズル。」
ユウが、タンブラーを傾けながら、嘲笑の笑みを濃くした。
「その通りだよな。一回抱いてちまうと次が出来てしまう。そいつ、一緒に仕事してるときに彼氏と別れてさー。母親になると女は強いだろ。それいつも見てたから、久々に弱々しいの見て、絆されたって感じかな?」
エフは、自嘲の笑みを浮かべて、淡々と語る。
「アイツにバレてさー、修羅場。今考えると、俺との子、育てるのに強くなったアイツに、可愛げが無くなったとか、女として終わってるとか、むっちゃ酷いこと言えたよな、俺も。」
レイは、浮気がバレから離婚まで、修羅場どころか一度さえも会うことがなかった。いや、会おうとしなかった。もし、会っていたら・・・。
「女ってさー、子供出来ると、自分のコトは二の次になるんだよ。」
知ってたか?とエフは、自慢気に言った。
母親は、強いんだと。
「アイツは、少ないパート代、家や子供にほとんど使ってさー。独身だった頃よりも化粧品や服代、自分に使うお金極力少なくしてたの全然気付かなくて。」
「いつ気づいた?」
フォーが、煙草に火をつけながら聞いた。
「情けないことに今!離婚間近で、別居状態のとき、欲しいもんがあって家に帰ったんだよ。結婚するつもりだったし、見たいって言ったから後輩連れて。アイツは、パートの時間で留守でさー、アイツのもん、勝手に見た後輩がボロクソに言ったんだ。」
『なにこれ!!薬局の口紅!それにこの服。こんなブランド、知らない。』
「はは、独身と既婚じゃ、使える金額違うから。」
無知だね、その女。結婚したらよく似た状況になることを考えられないなんて。だから、結婚出来なかったことに気付いてないだろう。
ユウは、嘲笑っている。
誰を?
「ああ、なんであん時一気に冷めたのか、ほんとに今、分かった。家族のために一生懸命だったアイツを馬鹿にされて、思いが冷めたんだ。
アイツはさー、後輩と遊ぶ分ために少なくなった金をパート時間増やして頑張っていたんだ。俺は、ミエで食事代もホテル代も全て出しててさー、その皺寄せが家族にいってたのを完全に抜けてた。」
外食の回数は減り、食卓の上に並ぶ物も単価が安い食材になっていた。家族で出掛けるのも少なくなっていた。
反対に浮気してる負い目から、子供には欲しがる玩具を買い与え、それでよくアイツと揉めていた。
エフは、今頃気づくなんて情けねぇと頭を抱えていた。
レイも思う。
後悔は、取り返しがつかなくなってから分かる。
戻れるなら、戻りたい、と。
いつもありがとうございます
リハビリ2です




