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28.瑞季
瑞季は自分が置かれた状況が分からなかった。
気がついたら船の中だった。
『全てを禁じます』
瑞季に何か言えるのはあの偉大なお兄様だけ。
あの小娘の言うことなど聞く必要ない。
圭人をお兄様と同じように全てを従わせる″王″にしなければならないのに。
お兄様がお戻りになられたら後継者として認めてもらえるように。
『心を治してください』
小娘は夫と共に船を降りていった。
瑞季は白衣を着た者たちに囲まれて動けない。
「私は、どこも悪くないわ。離しなさい」
捕まれた手は緩まない。
ゆっくりと船が岸から離れていく。
「まずは、善悪から覚えましょう」
憐れみの籠った目が、気にさわる。
そんな目で見られる者ではない。
私は、私はあの偉大なお兄様の妹なのよ!
私のすることは正しい。
息子を圭人を導き守ってきた。
圭人が誤ったモノを選んでしまったけど、それは今正されている。
間違った結婚は解消された。
だから、私は今度こそ圭人を正しく導かなければいけない。
偉大なお兄様の後継者になるために。
また過ちを犯さないように。
圭人の障害になるモノを取り除かなければならない。
あの子は″王″なのだからただ堂々としていたらいい。
「私を降ろしなさい!」
従う者はいなかった。




