8話〜迷宮〜
「これからどうしようか?」
とザンが問いかけてきた。村を出たのはいいが俺たちは目的が無い。今は森の中を彷徨っているところだ。
「そうだ。ウル、これから迷宮に行こう。この近くに低級の迷宮があるんだ。」
迷宮か...ダンジョンみたいなもんかな?やることも無いしいいんじゃないかな
俺が首肯すると
「じゃあ行こうか、こっちだよ!!」
そう言ってザンは駆け出し、その後を俺は追いかけ始めた。
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体感で10分ほど走ると目的地らしい洞窟が見つかった。
「着いたよ、ここが迷宮。さぁ中に入ろう!!」
そう言ってザンは俺の事を急かしてくる。俺は中に入る前に迷宮について確認することにした。
【迷宮】
【大気中のマナが凝固しダンジョンが形成されたものの総称。】
【迷宮の最下層にはダンジョンコアと呼ばれる魔力結晶が存在し、そのMPを消費して魔物が発生する。】
【ダンジョンコアを破壊すると破壊者の魔力とダンジョンコアが反応して装備に変化する。】
【普通はマナの濃い場所で形成された迷宮の方が強力な魔物が発生する。】
【イレギュラーとしてマナが薄いところで形成された迷宮でも迷宮内部で大量のMPを保有する個体やMPを保有する生物が大量に死ぬ等することでダンジョンコアが成長し強力な魔物が発生するようになる。】
【1度ダンジョンコアがMPを吸収するとダンジョン内部で発生した魔物が死んだときその個体が保有していたMPはダンジョンコアに還元されるためMPの絶対量は変化しない。】
何か長々とした説明だったな。要するにダンジョンコアとやらを破壊すれば装備が手に入るんだなおk。
俺は急かしてくるザンに続いて迷宮に入った。
中に入るとすぐにデカい虫型の魔物が現れた。見た目はミルワームっぽい。
種族 :ジャイアントワーム
状態 :迷宮ノ魔物
Lv :10/25
ランク:G+
HP :34/34
MP :19/19
膂力 :21
守備 :51
敏捷 :7
魔力 :25
種族スキル
【穀物食:Lv3】【甲殻:Lv7】【脱皮:Lv3】
耐性スキル
【飢餓耐性:Lv6】【衝撃耐性:Lv5】【毒耐性:Lv3
】
通常スキル
【噛みつき:Lv4】【膂力増強:Lv5】【敏捷増強:Lv3】【毒攻撃:Lv3】
称号
【害虫】
守備高っ!!【守備:51】ってどういることだよ、俺の倍くらいあるぞ。まぁ敏捷が極端に低いからいいけど通常スキルの【敏捷増強】が気になるな。
「う、ウル...あいつ倒せるかな?」
ザンはやつを見て震えている。まぁそりゃ自分と同じ大きさの虫見たらビビるだろうな。デカい蜂のせいでトラウマになってるかもだし。
俺はジャイアントワームを掴んで自重で拘束するとザンに攻撃するよう促した。
「わ、わかった。パワーブースト!!」
ザンの体が赤いオーラに包まれそのままジャイアントワームに斬りかかった。もちろんダメージは与えられない。この世界の経験値システムを知らないけどこれでこいつを倒せばザンにも経験値が入るかな?
俺はジャイアントワームに噛みつきそのまま火の息を吐いた。耐性スキルに火耐性が無かったしダメージは確実に入っている。ジャイアントワームと俺に...
『熟練度が一定に達しました。【火耐性:Lv1】が【火耐性:Lv2】になりました。』
『熟練度が一定に達しました。【火耐性:Lv2】が【火耐性:Lv3】になりました。』
『経験値が一定に達しました。Lv8/25になりました。』
『熟練度が一定に達しました。【竜:Lv1】が【竜:Lv2】になりました。』
『熟練度が一定に達しました。【火の息:Lv4】が【火の息:Lv5】になりました。』
『【火の息】から【火球:Lv1】が派生しました。』
俺のHPが半分を切ったところで先にジャイアントワームが力尽きた。
えっとザンにも経験値入ったかな?
❮ザン❯
種族 :人類
職業 :村人
状態 :通常
Lv :13
HP :27/27
MP :16/16
膂力 :26
守備 :21
敏捷 :31
魔力 :16
装備
〘木の剣[膂力+5]〙
〘木の盾[守備+4]〙
〘布の服[守備+1]〙
固有スキル
【勇気:Lv1】
耐性スキル
∅
通常スキル
【採集:Lv4】【剣術:Lv2】【調合:Lv3】【膂力増強:Lv1】
称号
【選バレシ者】
レベルとステータスが上がってるし経験値入ったっぽいな。これからもこんな感じで狩っていこう。それじゃあ捕食をって...
ジャイアントワームの死骸は光の玉になって消えていくところだった。
そっかこれが【ダンジョンコアに還元される】ってことか。何か損した気分だな。まぁいっかそれじゃ探索を続けよう。
アカウント名・叢雨 (ムラサメ)
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