9話〜迷宮探索〜
前半ザンが空気です。
俺たちが迷宮探索を初めてから2時間程経った頃気になる場所を見つけた。
「あれ何だろうね?何かあそこだけ明るい...」
俺たちがその場所に近づくとその正体が明らかになった。
あれは、宝箱か?
そこには薄汚れた箱が置かれていた。ゲーム等でよくある宝箱みたいなやつだ。俺が魔眼で危険が無いことを確かめると鼻先を使って箱を開けた。中身はと言うと...
〘古びた剣[膂力+12]〙
【かつての国で使われていた量産型の剣。】
【錆びているため殺傷能力は低いが特殊な加工を施されていて耐久性に優れている。】
ま、まぁいいんじゃないかな。ザンしか装備出来ないけど今より性能いいし...
ザンは俺の意図を察してか古びた剣を装備してくれた。元々装備していた木の剣は置いていくようだ。よし、探索を再開しよう。
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それにしてもこの迷宮ビックリするぐらい魔物出ないな。エンカウント率が低すぎてつまんないな...なんて俺がフラグを立てていると
ガサガサガサガサ
近くで耳障りな音が聞こえてきた。俺が音のする方を向くとそこには階段があってその中から音が聞こえている。その音に警戒して階段を睨んでいるとジャイアントワームが1匹顔を出した。しかしさっきからする音が止まらない。ジャイアントワームは動かないようなので様子を伺っていると...出るわ出るわ、ジャイアントワームの進化前なのか【ワーム】という個体がわさわさと湧き出してきた。
キモっ!!1匹2匹なら耐性有るけどあの量は無理軽く見積もっても30匹はいるだろ...ザンに関しては絶句してるし。殺るしかないか…
幸いワームの方はステータスが低いしどうにかなるだろう。
俺が火の息を吐くとワーム達がのたうち回って死んでいく。このままいけば何とかなるかもしれない。そうして俺が火の息を吐き続けていると白いジャイアントワームが飛び出してきた。
何だあいつ...状態を確認すると迷宮ノ魔物の他に脱皮と敏捷増強がある。
脱皮もスピードアップ系のスキルか!!
脱皮のデメリットなのか守備は著しく下がっているが敏捷の伸び幅がヤバい。ギリギリ俺の方が速いがザンにはキツいだろう。俺はそいつが俺に突っ込んで来たのに合わせカウンターで捉え、ザンに攻撃させた。今度はザンの攻撃で絶命させることが出来た。
今ので最後か...
もう動く個体が居ないことを確認すると俺はステータスを確認した。
❮ウル❯
種族 :ベビードラゴン
状態 :通常
Lv :17/25
ランク:G+
HP :81/81
MP :46/46
膂力 :52
守備 :41
敏捷 :53
魔力 :31
装備
〘パワーリング[膂力+12]〙
【規模可変】
種族スキル
【鱗:Lv5】【竜:Lv2】
固有スキル
【叡智之魔眼:Lv1】【女神之加護:Lv2】
耐性スキル
【衝撃耐性:Lv1】【飢餓耐性:Lv1】【酸耐性:Lv1】【痛覚耐性:Lv2】【斬撃耐性:Lv1】【火耐性:Lv3】【麻痺耐性:Lv1】【毒耐性:Lv1】
通常スキル
【噛みつき:Lv8】【引っ掻き:Lv3】【暗視:Lv3】【火の息:Lv8】【ナックル:Lv3】【カウンター:Lv3】【ウォーター:Lv1】【熱源感知:Lv3】【飛行:Lv1】【毒生成:Lv1】【気配遮断:Lv1】【治癒:Lv1】【火球:Lv1】
称号
【神之祝福ヲ受ケシ者】【捕食者】【魚殺シ】
❮ザン❯
種族 :人類
職業 :村人
状態 :通常
Lv :15
HP :31/31
MP :17/17
膂力 :28
守備 :23
敏捷 :35
魔力 :19
装備
〘古びた剣[膂力+12]〙
〘木の盾[守備+4]〙
〘布の服[守備+1]〙
固有スキル
【勇気:Lv1】
耐性スキル
∅
通常スキル
【採集:Lv4】【剣術:Lv2】【調合:Lv3】【膂力増強:Lv1】【雷球:Lv1】
称号
【選バレシ者】
ステかなり上がったな…アレ?ザン新しいスキル覚えた?【雷球】ってことはもしかして遠距離攻撃かな?もしそうだったら安全にレベル上げれるな。じゃ階段を降りてみるか。
そうして俺が動き出すとザンが
「ま、待ってよ!」
と言って着いてきた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
階段を降りた先には大きな部屋がありそこに紫色の玉が置いてあった。
【ダンジョンコア】
【迷宮の核。】
【破壊することで破壊者の魔力と反応し装備に変化する。】
【破壊後は迷宮が少しずつ崩壊する。】
これがダンジョンコアか。早速破壊っと…
俺が破壊するとダンジョンコアは光出し俺のMPを吸収して1つの腕輪に変化した。
ものっそい虚脱感。さっき火の息吐きまくったせいで少なくなったMPを根こそぎ持ってかれた。まぁ、先ずは確認するか...
ガラガラガラガラ
俺がその腕輪を確認しようとすると何処からか崩れる音が聞こえてきた。
そういえばダンジョンコア破壊するとダンジョンが崩壊するって説明あった気が...
俺は急いでザンを背中に乗せ、腕輪を咥えて走り出した。
「ウルどうしたの?」
説明する暇もないし説明も出来ないから俺は出口に向かって走り続けた。道は単純だったから俺は最短距離で走った。30分程すると外の光が見えてきた。
よし間に合った。って焦り過ぎたかな?
奥の方ではすぐに崩壊しそうだったのに入口付近は最初と全く変わっていない。
まぁそんなことより確認だ!!
俺はザンを降ろして腕輪を見ると
〘意思疎通ノ腕輪[守備+5]〙
【念話】【規模可変】
【念話】キタ━(゜∀゜)━!
俺はさっそく装備してザンに話しかけてみた。
『ザン聞こえるか?』
「?!えっ誰?」
『俺だよウル』
「ホントにウルなの?」
妙に疑り深いな俺は首肯して答えた。
「そっかそっか。」
念話を取ったメリットはデカい。これでザンとの共闘もスムーズになると思うしな。おっとそうだ。
『ザン、これからの事なんだが近くにあったら大きめの街に行かないか?ザンの装備も揃えたいし。』
「大きめの街か...えーっと、そうだガルンっていう鍛冶が発達した街がここから3日歩いた先にあるよ。」
遠いな...まぁ焦ることは無いしのんびり行くか。
『じゃあ、ガルンに行くか。』
「うん!!」
アカウント名・叢雨 (ムラサメ)
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