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箱庭の異世界でスローライフ万歳!  作者: Jade
村づくりを本格化させよう
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12日目. マナ溜まりを見つけました

 今日の探索メンバーには珍しくチャッピーが加わっている。

 チャッピーを先頭にして、葉月とソラ、コハクの順で進んでいく。

 マナグラスで鑑定をしながら進んでいくと、やはり新たな素材がいくつも見つかった。

 チャッピーが見つけてくれたのはマナクローバーだ。


『名称:マナクローバー。説明:マナを含んだクローバー。蜂蜜の材料ともなる』


「蜂蜜の材料を探しに探索についてきたのね……」


 チャッピーのブンブンという返事に、葉月は脱力した。

 どおりでついて来ると言うはずだ。

 それでもマナフラワーの一種であることには変わらない。

 葉月は鎌で花を採取するのと同時に、いくつか土と根がついた株ごとインベントリに仕舞った。

 拠点の近くで栽培ができればチャッピーも喜ぶだろう。


「てことは、他のマナフラワーも株ごと採取しておいたほうがいいのかな?」


 畑ではなく花壇を作ったほうがいいのかもしれない。

 葉月は頭の中のやりたいことリストに花壇の作成を追加した。

 移動中にマナデイジー、マナアスター、マナローズを発見したので、こちらも根がついたまま採取しておく。

 鑑定も忘れずに。


『名称:マナデイジー。説明:マナを含んだヒナギクの花。マナツールの素材となる』

『名称:マナアスター。説明:マナを含んだシオンの花。マナツールの素材となる』

『名称:マナローズ。説明:マナを含んだバラの花。マナツールの素材となる』


 新しい発見は特になかったけれど、マナ系の道具を作れるのであれば、他にも何かツールが作れるのかもしれない。

 拠点に帰ったら、マナの書をもう一度よく読んでみることにする。

 やがて葉月の視線の先に黒っぽい森が浮かび上がった。

 これまで発見したことのあるナラの木やスギの木とも違う、大きな幹を持つ巨木が森を作っていた。

 内部は薄暗く、かなり怪しい雰囲気をかもし出している。

 ソラとコハクが警戒態勢になっていた。チャッピーは……よくわからない。

 葉月は竹光を手に森に近づいた。

 黒い幹をマナグラスで鑑定する。


『名称:マナの木。説明:マナを含んだ大木。マナツールの素材となる』


「ふむ。これはぜひとも採取すべき素材だね」


 葉月は竹光を仕舞って万能ツールを斧に持ち替える。

 木はかなり大きく、一本の木を切り倒すだけでかなりの丸太がインベントリに格納されていく。

 とりあえず三本ほど切り倒したところで、インベントリの枠が一つ埋まった。

 時々マナの苗木もドロップするので、これはあとで拠点に戻って植林することにした。

 散らばった木のブロックをコハクが集めて持ってきてくれる。

 ソラは葉月の肩で居眠りをしている。

 チャッピーは周囲を警戒しているのかもしれない。

 インベントリの枠が二つほど埋まったところで、葉月は伐採を中断した。

 マナの木は欲しい素材ではあるが、今日の探索の目的はこれだけではない。

 葉月はマナグラスで鑑定をしつつ、森の奥へ進む。

 ふと足元に目をやると紫色の危険な香りのするキノコを発見した。

 

『名称:マナマッシュルーム。説明:マナを含んだキノコ。マナツールの素材となる。食用可能。ただし効果は時によって異なる』


「どう見てもやばいキノコなんだけど……」


 葉月が見た目と色のせいで採取に躊躇していると、ソラが肩から飛び降りて採取してくれた。


「あ、ありがと。ソラ」


 採取してみたものの、直接触るのは危険な香りがする。

 どうしてもというとき以外は、触れずにおきたい。

 さらに森の奥へ進む。

 チャッピーがぶんぶんとあわただしく葉月の頭上で飛び回る。


「え、何?」


 葉月が上を見上げると、ぼんやりと何かが光っている。


「もしかして……」


 葉月がマナグラスをかけたまま光に視線を向けると鑑定が発動する。


『名称:マナ溜まり。説明:マナが溜まっている場所。さまざまな種類のマナが含まれている』


 ようやく葉月の求めていたマナ溜まりがみつかった。


「チャッピー、お手柄だよ! ありがとう」


 チャッピーがぶんぶんと揺れる。

 あとでチャッピーが好きな花の蜜を吸わせてあげよう。

 葉月はインベントリからマナワンドを取り出し、マナ溜まりに向けて掲げた。

 ぎゅんぎゅんと音を立てて、光がマナワンドに吸い込まれていく。

 杖を持つ葉月の手には振動が伝わってきた。

 それにつれてマナ溜まりの発する光はどんどんと弱くなっていく。

 マナ溜まりにあった全てのマナを吸い込んでしまったのだろう。光が消え、目を凝らしても何も移らなくなった。

 マナを吸い込んだはいいが、魔法の使い方がわからない。

 あとでマナの書を読んで確認するとして、とりあえずもう少しマナを杖にためておくべきだろう。

 葉月はマナ溜まりを求めて森の中を進んだ。

 次のマナ溜まりはコハクが見つけてくれた。


「くまっ、くまっ!」

「おおっ、ここにも。コハク、ありがとう!」

「くま~っ」


 コハクが見つけてくれた草の陰にあったマナ溜まりにマナワンドを向ける。

 やはりぎゅんぎゅんと音を立てて光が吸い込まれていった。

 が、今度は途中で杖の振動が止まってしまう。

 マナ溜まりの光はまだ残っているが、どうやらこれ以上は吸い込めないようだ。


「よし。これでマナをゲットしたよ。あとすこし探索して、帰ろうか」

「くまっ!」


 ソラがぷよりと揺れ、チャッピーがぶんぶんと忙しく飛んだ。

 あまり奥の方へ行っても何があるのかわからない。

 まずは森の外周を少し探索してみるくらいでいいだろう。

 葉月はマナワンドをインベントリに収納して、代わりに竹光を取り出した。

 森の中は草原とはまた違って、すこしじめじめとしている。

 キノコが生えているのも納得できる。

 が、できればマナマッシュルームではなく、普通のマッシュルームのほうが葉月には嬉しい。

 キノコを見分けるのは難しいと聞くが、マナグラスで鑑定ができるので何とかなるだろう。

 葉月は採取が見込めそうなキノコを探して森の中を歩いた。


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