5日目. 採掘って楽しい!
日課になりつつある、木の伐採と畑のチェック、それからソラと一緒に朝食を済ませる。
昨日と変わらず、りんごとイチゴだけの朝食だった。
そろそろ生の果物だけではないものが食べたい。
今日こそは鍋とフライパンを作ることを葉月は決意した。
ちなみに今日の謎の種はトマトになっていた。
収穫した小麦の殻をむくためにも石臼を稼動させたい。
葉月は伐採した木材をクラフトして、水車をクラフトする。
水車を石臼に接続するための木製のギアもクラフトして、昨日作った水路に水車を設置した。
水車の回転軸とギア、石臼を接続すると、石臼が回り始めた。
「やった!」
葉月は早速石臼に小麦を投入した。
挽いた小麦をためておく場所が無いことに気づいた葉月は、慌てて木材で箱をクラフトして石臼の隣に設置した。
あとはできた小麦を篩に掛ければ、小麦粉の完成なのだが、それまで葉月の肩にのっていたソラが突然設置した箱に飛び込んだ。
粉がもうもうと舞い上がる。
「ちょっと、ソラ!」
葉月は少し怒りながら箱の中をのぞくと、ソラは小麦の外側の殻だけを吸収していた。
どうやら篩に掛ける手間がソラのお陰で省略できそうだった。
「やってくれるの?」
ソラがぷよりと揺れる。
「じゃあ、お願いね。私は鍋の材料を集めてくるから」
小麦粉ができるまで石臼は放置でかまわない。
葉月は小麦粉作りをソラに任せ、鍋を作るための材料集めに取り掛かった。
まずは昨日作りきれなかった木製のはしごを追加でクラフトしておく。
それから万能ツールをスコップに変化させ、家から少し離れた場所を掘り始めた。
掘った場所には、クラフトしたはしごを設置し、再び掘る。
少し掘り下げては、はしごを設置していくと地面が土が石へと変わる。
葉月はスコップからつるはしに切り替えて、掘り進めた。
ファークラ内では地面のいたるところに鉱石が埋まっていたため、特に場所を選ぶことなく採掘を行うのが普通だった。
特に真下に向かって掘り進める直下掘りという方法は、ゲーム内ではメジャーな方法だった。
はしごを使わない場合は、階段状に掘り進める階段掘りという方法を使う。こちらははしごをクラフトする必要が無いという利点があるが、斜めに身長よりも高い空間を確保しながら掘り進める必要があり、手っ取り早い資源の採掘には向いていない。
葉月はひたすら掘ってははしごを設置することを繰り返し、二十メートルほど掘り進めたところで、赤っぽい石に突き当たった。
葉月が探していた鍋の材料だ。
つるはしで掘って赤い石を採取する。
インベントリを確認すると、アイコンが増え、『鉄鉱石』と表示されている。
これでようやく鍋をクラフトできるようになる。
鉄鉱石はこの先もいろいろと必要になってくるので、葉月はできるだけ多くの鉄鉱石を採取すべく、赤い石の鉱脈に沿って横に掘り進めた。
横に掘っていくと、次第に太陽の光が届かなくなってくる。
そこでたいまつの出番だ。
クラフトしたたいまつであれば半永久的に光を放つので、一度設置すれば放置すればいい。
葉月は順調に鉄鉱石の採掘を進めた。
インベントリの枠が一つ分ほど埋まったところで鉄鉱石の鉱脈が途切れてしまった。
けれど鉱脈は似たような高さに生成されることが多いことを知っていた葉月は、かまわず石を掘り進めた。
しばらくすると今度は白っぽい石が見えてきた。
鉱石の正体に心当たりの合った葉月は、白い石も採取する。
インベントリで確認すると、白い石は予想通り『岩塩』と表示されていた。
これで甘味のみの食事から脱却できるはずだ。
葉月のテンションは最高潮に達した。
岩塩の鉱脈が途切れても、かまうことなく採掘を続ける。作ったたいまつが全てなくなるまで採掘を進めた結果、合計で二枠分の鉄鉱石と、一枠分の岩塩、一枠分の石炭の入手に成功した。そのほかにも石材を大量に入手したので、石には当分困らないだろう。
これ以上は暗くて作業を進めるのは危険だと判断した葉月は、掘り進めた坑道をはしごのある場所まで戻り始めた。
掘り進めるとしても、石炭からたいまつをクラフトしてからのほうがいいだろう。
夢中で掘っていた所為で気づかなかったが、いつの間にか坑道は百メートルほどに達していた。
異世界移住5日目
空腹度:●●●●●●●○○○
体力:●●●●●●●●●●
経験:Lv.26→28
従魔:ソラ(スライム:Lv.4→5)+子分スライム×8(トイレ用)
称号:移住者 (初心者)、豆腐建築士、臆病剣士、ソラの飼い主、二級建築士
スキル:土木:Lv.4、建築:Lv.5、農家:Lv.3、木こり:Lv.4、大工:Lv.6→7、採掘:Lv.3→5、調教:Lv.3、石工:Lv.3、料理:Lv.1




