名前判明です
その後は普通に仕事をして10時前にはオーナーに帰っていいよ、と言われたのでさっさと帰ってきた。
「ただいま〜」
築3年というまだ新築の2LDKというひとり暮らしには少し広すぎる部屋に住んでいる私は早速制服のポケットから今日拾ってきた彼等をテーブルの上に置いた。
彼等はやっと安定した場所に置かれたことで安心したのかホッと、息を吐いていた。
「…それで?あなた達は誰?どうしてあそこにいたの?」
そう聞けば彼等は気まずそうに顔を曇らせる。
「…っふふっ」
四人が四人とも全員顔を曇らせるため少し笑ってしまった。
そうすれば4人?4匹?とも同じ方向に首を傾げるものだからもっと笑ってしまう。
「…っ気にしないでっ…」
そう言うと、コクリ、と頷く彼等に少し愛着が湧く。
ニマニマと顔を綻ばせていると亀さんが代表してこういった。
「俺らもなぜここにいるのかは分かっていないんだ」
「わかってない…?」
「ああ、急に目の前が眩しくなったかと思うといつの間にかあそこにいた」
…なるほど。
自分達でも状況把握ができてない、ということか。
こくこくとうなづいているとまた亀さんが代表して自分たちの自己紹介をしてくれた。
「俺の名前は玄武。好きなように呼んでくれ」
亀の姿をした低く、少しハスキーがかった声の持ち主は玄武さんというのか。
それに習ってほかの三人もこういった。
「私は朱雀。朱雀さん、と呼んでいただけると嬉しいです」
鳥?の形をした爽やかな笑顔とともにテノールの声のが朱雀さん。
「俺は青龍。青龍でいい」
龍の形をした私好みのセクシーな声が青龍さん。
「俺は白虎。白虎って呼び捨てにしてくれ」
虎の形をしたニッ、と明るい笑顔でハスキーな掠れる声の持ち主が白虎さんか。
よし、把握した。
皆さん自己紹介をしてくれたんだから私もしなきゃ、とみんなに習ってする。
「私は奏子。黒石 奏子です。よろしくね」
因みに私は玄武さん推しです(←誰も聞いてない)