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ある女戦士の日記

作者: 梢

妄想の一部を切り抜いたものです、趣味程度ですが何か感想を頂ければと思っております。

9月30日 晴れ

あの時、お前の事を愛してるかいないかと聞かれたら、すぐに愛していると答えられた自信は無い。必要か不必要かと聞かれたら、それはすぐ間違いなく必要な存在だと答えていただろう。でもそれは愛だの信頼だのという誰でも知っているような普遍的な、高尚な感情ではなく、もっと私的で、汚く利己的なものだったのだろうと思う。俺がそれに気付いた時にはもう、アイツは確かめる術など考える気さえ無くしてしまっていた、俺の責任なのかアイツの罪なのかは今更追及しても虚しく無意味なだけだ。確かに、出会ったあの時はただ助けたい、とだけ思っていたし、そこには何も自己満足や格好つけたいなどという不毛な気持ちなんて無かった、と思う。人が死ぬ、何よりそれが嫌だった。例えその人がどんなに卑しい生まれでも、どんな凄惨な人生をおくっていたとしても、神から与えられた命だ。いや、もしかしたらこれも自己を正当化するための免罪符に過ぎないのかもしれない、だとしたら、現在の俺達の関係はどんな茶番よりも笑えない、もっと言えば神への冒涜と言えるだろう。それでも釈明の余地があるならば、俺はアイツへの感情や想いを精一杯ありのままの言葉で書き留めようとしている事を理解して欲しい。嘘偽りは無い、神に誓って。

初めは昔を思い出して、自分が今すべき事をしようと、今度は自分の番だと感じて純粋に手を差し伸べた。それからアイツと共にいるようになって、死んだ目の奥底にかつての自分の姿を見た。あぁ、コイツも俺と同じなのかと、同情半分の親近感を感じた。でもさらに時を重ねるとアイツの本心を知って、知る度に自分の虚偽が剥がれてきた、違う、コイツは俺と同じなんかじゃない、と。我ながら自分の勘違いに嫌気が刺した。

俺はずっと一人だったが、孤独感や人恋しいなんて感情は無かった。だから、人を恨めしいだとか信じられないとかいう訳でも無かった、あの人と出会ってからはそりゃあ最初は不安や疑いは有ったが、優しさを真正面から受け止めて、居場所が見つかって、安堵の涙だって流した。だがアイツには俺に無い感情、欲求や憎悪なんて言うものが溢れていた、それは悲しくも自然な事で、アイツの育ってきた環境や境遇が原因であることは明らかだった。俺は“一人”だったから誰にも必要とされなかったが、アイツは別の意味で“独り”だった、それなのに“必要”とされてしまった、それが偽りの、ねじ曲がった愛であっても。俺自身うまく書き表せないが、あえて言うなら“不必要な必要を受けた”という感じだ、そのせいでアイツは壮大な思い違いを生んでしまい、さらにはそれに思考や感情を侵食され、後戻り出来ないまでに至ってしまった。そしてそこに知り合ったばかりの何も知らない俺の利己的救済が図らずも拍車を掛けてしまい、アイツは今や自分の闇に堕ちてしまっている、という訳だ。そこには俺の責任も僅かながら含まれている。俺無しでは生きられないなんて、まさか自分がそんなことを言われるなんて思ってもみなかった。そばでこうして寝息を立てているだけなら可愛いものだが。

ここまで長々と書いてきてしまいこれを読んでいる貴方はそれで結局何を伝えたいのかと疑問に思ってしまっただろう、すまない、俺にはやはり自己満足程度のものしか書けないな。というかまず、誰かに読んでもらおうとして書こうとした訳では無いんだ。

さて、そろそろ支離滅裂な起承転結の結の部分を書こう、俺が様々な思考、葛藤を経て今現在アイツに抱く感情は

一周回って、やはり愛だ。

一言に愛と言っても、それは断じて恋愛の愛ではなく、その中には新愛、謝罪、同情、責任、守りたいという思いが複雑に絡み合っている。けれどそれらすべては愛という不確かで曖昧な、それでいて何物にも変え難い尊い感情と繋がっているのではないかと思う。きっと、愛なんてものは誰にも理解など出来ないだろう、理解しようとすることさえ烏滸がましいんだ、多分。

この日記を自分で買って初めて書く時に、最後のページは 一番人に知られたくない、けれども本当は知って欲しい本心を書こうと決めていた。そうだな、前に近所の子供達がやっていたことを俺もやってみようか、俗に言う“タイムカプセル”だ。次これを読むのはいつになるだろうか、いや、まず掘り起こすのを誰に頼もう。その依頼書もその内認めないとな。

最後の最後に、テオ、俺はお前と会えてなんだかんだ良かったと思っている。色々あったし、これからも何かあるだろうけど、どんな事が待ち受けていようと、必ず俺がお前を守る、そしていつかお前が俺の元から離れ、しっかりと自身の意思を持って生きていけるよいになることを願っている。

テオ、愛してる。

2015/9.30

サバサバした女性って好きなんです!なりふり構わずバトってる姿も好きなんです!!不器用でも好きなんです!!!お目汚し失礼いたしました!!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] こういう感情のこもった独白文は結構好きです。 [気になる点] 文字を詰め込み過ぎですね。 改行をして行間を空けたりした方がいいと思います。 空間がないみっちりとした文章は少々読みにくいで…
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