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穢文  作者: 妄執
1/26

貴方様へ

※ホラーな内容になっております。苦手な方はご注意ください。

 



 貴方様は何故これを読もうとしておられるのです?

 

 読んだらきっとそれはそれは後悔致しますよ?


 今から延々と続くこの駄文に意味など何も無いのですから。

 

 心躍らせる冒険談も切なく甘酸っぱい恋物語も何も無いのですから。


 本当に特に何もありませんよ?ただただワタクシが自らの思いを綴っていくだけなのですから。


 貴重な時間を無駄にしてしまいますよ?

 

 それでも読んで頂けるのですか?それでも読んで頂けるのでしたら、ワタクシ、貴方様の事を好きになってしまいますよ?名も顔も身分も素性も何も知らない貴方様のことをワタクシ好きになってしまいますよ?




本 当 に よ ろ し い ん で す か ? ? ?



             →はい/いいえ



 まぁまぁまぁ、なんて、なんて、なんてお優しいお方なのでしょう、そんなことされたらワタクシ、貴方様のことを本当に好きになってしまいますよ?本当に好きになってしまっても知りませんよ?ちゅっちゅってしてしまいますよ?ぎゅっと抱きしめてしまいますよ?良いのですか?良いのですか??良いのですか???ワタクシの愛はそれはそれはとってもとっても重いのですよ?とてもとてもとても重いのですよ?その重さでワクタシ自身がもう浮き上がれないほどの重い愛ですよ?本当によろしいのですか???








             →はい/いいえ










 嬉しい。お優しいお優しい愛しい貴方様、貴方様はもうワタクシから一生逃れられません。一生です。一生一生一生一生逃れられないのです。いつだってワタクシのことを忘れることはできないのです。もう貴方様は常にワタクシを思い出さずにはいられないのです。ワタクシと共に居らずにはいられないのです。     

   うふふ。うふふ。うふふ。


ずっと貴方様のことを見ています。



 嘘です。


 そんなことはありません。とてもとてもお優しい貴方様はきっと人から愛されるお人なのでしょう。ですからそんなお優しい貴方様をワタクシ如き下等なモノが束縛できようはずもございません。ですから安心してください、貴方様は解放されました。




そしてワタクシはまた一人ぼっちになりました。

   

         




        ははははははははははははははははははははははははははは






 話は変わりますが、実はワタクシこの度何か物語でも作ろうかと試行錯誤しておりました。そう、何かこう、ありきたりではない物語を考えていたのです。良い物語ならその人の生を明るくしてくれるのかもしれません。暗い物語ならそうならないよう生を生きていけるのかもしれません。そう、つまりワタクシはワタクシの考えた物語を読んでくださった方に何か得られるものがあるような物語を考えていたのです。


しかし、違ったもの違ったものを考えれば考えるほど、何故だかありきたりな物語になってしまうのです、何故なのでしょう?そうしてワタクシは虫けら以下のワタクシ自身の頭を使って考えてみたら、なんと答えが見つかったのです。何が答えか?凄く簡単なことでした。


 


 そう、ワタクシ多分、普通の皆様と違って、多分、何かこう、頭がおかしいんです。異常なんです。だからワタクシ自身が思うありきたりではない普通じゃない物語は人から見ればありきたりな普通の話でワタクシ自身が思う普通のありきたりな物語は人から見れば頭おかしいわけ分からん物語に見えるのです。なんだそりゃと笑ってしまうでしょうワタクシも笑ってしまいますはっはっはははは。ん?ふ?ほ??


え???


なんでワタクシ頭がおかしいんですか???


なんで普通じゃないのですか???そもそも普通ってなんですか?????


 なんで?何でなんでなんでなんでなんで????辛い辛いつらいつらいついあたいたhちぱひtph。


 なんで皆様そんなに普通が好きなのですか?普通の奴隷なのですか??他の人と違うことがそんなにいけないことですか??感性が違う顔が違う肌の色が違う髪の色が違う目の色が違う言語が違う体格が違う人種が違う脳の構造が違う精神が違うほら普通の人達だってこんなに違うところが沢山あるじゃないですか。なのになんでちょっとハズれた人を見るとそんな顔をなさるのですか、何がダメなんですかねえええええええええ



おかしい人ほど自分は正常だと言います。でもおかしいか普通かなんてそんなのは主観ですから、人をそんな大枠に嵌め込もうとしても意味はありません。勿論、ワタクシの考えもそうです。正常異常多数決で勝ったほうが正常と言われる世の中なのですから。


 誰も助けることはできません、誰も助けられはしないのですから。ワタクシは別に助けてほしくはないのですから。人は生まれた瞬間、一人で孤独です。一生一人です。誰か分かり合える人がいたと思っているのならそれは幻想とか妄執の類です。分かり合えないからこそ人は愛しあえるのです。本当に分かり合えているのならば、それはただの自分の分身です。自分が二人いたところで一人ぼっちと何が違うというのでしょうか。


 あ


 あ、よく考えたらワタクシが頭おかしいんですって、ワタクシが勝手にワタクシのことを自己分析してワタクシがワタクシに付けた結論でしたね。なんだ、よかった、自分で出した結論ならまた自分で出した結論で上塗りしてしまえば全く問題ありませんね!!ワタクシは正常です!!!頭おかしくなんかありません!!他の人とズレたりなんてしてません!!!やった!!!やりました!!!ワタクシは正常です!!!!!わーい!!!やったぞーーー!!!今日はワタクシ正常記念日です!!!!!!




あら?あらあら?あらあらあら?申し訳ございません、ワタクシまた一人で熱くなってしまいました。愛しい愛しい貴方様のことを置いてけぼりにしてしまいました。どうかお許しくださいませ。ワタクシを見捨てないでくださいませ。寂しいのは嫌いなのです。寂しいのはイヤでございます、一人ぼっちはイヤなのでございます。うまく言葉にはできませんが、一人ぼっちってなんだか寂しいじゃございませんか?大体は大丈夫でも、ふとした瞬間ぽつんと孤独な自分を意識するとなんだか悲しくかってきたりはしませんかね?



ですがワタクシ、一人ぼっちよりも煩わしいことはもっと嫌いなのです。




お分かりですか?ワタクシは煩わしいことが大嫌いなのです。煩わしいくらいなら一人ぼっちで寂しい方がマシなのです。何故か??そんなの簡単な話でございます。


 他人と関ったところで究極的に言えば利することは何一つないのです。ただただ煩わしい結果がまっているだけなのでございますから。例えばですが、貴方様に友人と呼べる存在がいたとしましょう。その友人と過ごす間に貴方様は只の一度もイラッとしたこと、腹立たしさを覚えたことはございませんか?ワタクシは他人と過ごすときに一度でも腹立たしさを覚えたら、もうその人間と付き合うのがイヤになってしまうのです。その他人と過ごす時間の感情割合が、<99%楽しい1%イラッとした>だった場合99%の楽しさを1%の腹立たしさが全て打ち消してしまうのでございます。嫌な思いが上塗りされ良い思いを完全に嫌な思いとして打ち消してしまうのでございます。

そしてその腹立たしい、イラッとした記憶が終生ワタクシを苛むのでございます。そうなった場合、結局その他人と過ごした記憶は楽しいものではなく、イラッとした無駄な時間としてワタクシをずっと煩わせるのです。そうしてその1%のイヤな記憶が、本当にふとした瞬間勝手に脳内で自動再生されてワタクシを煩わせるのです。ワタクシの脳は生きていくうちに経験した大なり小なりのイヤな記憶達が集まってワタクシの記憶の全てがイヤな記憶に占領され、ワタクシの思いではイヤな記憶で全て塗りつぶされ、ワタクシの脳はただのイヤな記憶の自動再生装置になってしまうのです。 そんなイヤな記憶をワタクシは思い出したくなんてないのですよ??ですけど勝手に思い出してしまうのです、それがイヤでイヤでイヤで気が狂いそうになるのです。


記憶を消せるのなら消したいのです。でも消せません。消せないのならどうするか?もう貴方様もお分かりでございましょう。これ以上イヤな記憶を増やさぬために誰とも関らず一人ぼっちで過ごすしかないのでございます。


ですから、他人と触れ合って煩わしい思いをし、その記憶を一生抱えて生きねばならぬのなら、ワタクシは一人で寂しいほうが百万倍マシだと申し上げているのです。



もし貴方様が冷やかし半分でこれを見ているのなら、許しませんよ?許しませんからね??今更冗談でしたは通じませんよ?ワタクシの想いを弄んだのなら貴方様を暗い暗い地の底まで攫ってしまいますよ???ワタクシを煩わせたモノは何人であれ絶対に許しませんよ??????



見ていますからね、先程からずっと見ていますからね。まだお気付きになりませんか?


貴方様が「はい」を二回押した時からワタクシはずっと貴方様の側で貴方様を見ていますよ


後ろ、横、前、上、ドアの隙間、カーテンの隙間、窓、ベッドの下、フローリングの境目、畳のヘリの間、液晶画面、そこらのどこかから、そこらの全てからじっと貴方様を見ていますよ。逃げられませんよ。


 ワタクシを意識すれば意識するほどワタクシという存在が貴方様にめり込んでいく刻まれていく侵食していく蝕んでいくのですから。


あ、ちなみに貴方様はこのワタクシの想いをちゃんと最後までよまなければいけませんよ?

もしちゃんと全部読まないと本当に<ブツッ>


--------------






「なんだこれ・・・」

そこまで読むと大分気分が悪くなってきたのでウインドウを閉じてパソコンの電源を切った。電源が切れて真っ黒になったモニタに映りこんだ自分を見るのがなんとなくイヤだったので、画面を見ないように椅子から立ち上がって疲れた目をコシコシと擦った。


今読んでいた薄気味の悪い文章は、俺が通っている学校で流行っている<文字化けサイト>の<アイぶん>という、読むと《呪われる》とか《頭がおかしくなる》とか言われている代物(しろもの)だ。


友達の山田と鈴木とゲームのネット対戦で盛り上がっていた時の罰ゲームでこのサイトを見ることになってしまった。


本来なら一件もヒットするはずの無いデタラメな文字列を検索画面に打ち込むと、ごく稀に文字化けした

サイト名の文字化けしたサイト説明のサイトが一件だけヒットすることがある。そのサイトをクリックすると真っ黒い画面が表示され、そのど真ん中に小さく「アイ文-貴方様へ-」と題されたリンクボタンが配置されており、そのリンクボタンをクリックすれば先程の気味の悪い文章がでてくるようになっているのだ。


しかし実際見てみれば、そんな大したものじゃなかった。訳のわからない文章と「見てます」「許さない」という脅し文句で人の不安を煽っているだけだ。確かに、呪われる・頭がおかしくなる、という先入観を持って読めば、精神が弱かったり思い込みが激しい人はありもしないものが見えてしまうんじゃないか?という程度のものだ。


そう理屈では分かっているが、なんだか気味が悪いのも事実だ。父は今日も仕事で家には帰ってこないようで、こんな時ばかりは父子家庭である我が家が少し恨めしくなる。不安な時にこの広い一軒家に深夜一人だけというのは中々に嫌なものだった。


「はあ〜くだらない。ま、話の種にはなるか」

自分以外誰もいない自室で、誰に聞かせるわけでもない強がりを言った後、キョロキョロと部屋を見回す。


「別に気にしてるわけじゃないけどな」

そうボヤキながらカーテンの隙間が少し開いていたのできっちり閉め、開けっ放しにしていたクローゼットも完全に閉じ、四つん這いになってベッドの下を確認し、真っ黒いパソコンの画面にバスタオルをかけた。


今日はもう寝てしまおうと充電した携帯をとって目覚ましをセットして布団に入る。電気を消そうと伸ばした手が ミシッ という家鳴りの音にびっくりして止まった。


(今日は電気付けたまま寝よ・・・)




-翌日- -学校-


あまり眠れなかった俺は一人でいるのが嫌でいつもの時間より早く登校していた。教室に着くとチラホラといるクラスメート達に挨拶をして自分の席に座った。

 そうして山田達がくるまで時間を潰そうと携帯を弄っていると、左横の席から生肉のような生臭いニオイと、じっとりとした視線を感じ「なんだ?」と思い、何気無く横を向いた。



 横の席には全身真っ白なヤツが俺に向かって座っていた。




170cmくらいで


裸足で


真っ白なアオザイのような形の服を着ている


肌の色はロウソクのように生白く


その生白い手足の爪は鬱血(うっけつ)したように20本全てドス黒い


顔は左目だけ付いてる真っ白いのっぺらぼうのようだ


その左目は白目の部分が全て真っ黒で瞳の色は真っ白だった





「」


「」


「」


「ああ・・・マシロさん来てたんだ、ごめんね気付かなくて。ちょっと昨日眠れなくてさ、頭がまだぼーっとしてるんだ、怒った・・・?」


気にしてないという風に首を横にフリフリと振るマシロさん。首を振る間もその見開かれた白黒い左目はずっと俺を捉えている。


「おーいおさむー!お前あの後ちゃんと見たんだろうなー!」

「怖くて寝れなかったか?笑」


田中と鈴木が登校してきた。声も体格もでかい短髪のゴリラのような方が田中、少しからかった感じで話す眼鏡をかけた坊ちゃんカットのもやしみたいなヤツが鈴木だ。


「ちゃんと見たわバカヤローが、まっ、なんともなかったけどな」


「まじか!!お前やるときはやる男だな!!」


「やっぱ噂は噂か、信じてたわけじゃないけど拍子抜けだな。で、結局どんな内容だったんだ?」


「んー・・・なんていうか、 貴方様を好きになっちゃいますよとか、逃げられないぞとか、近くで見てるぞ、みたいなわけ分からん気味の悪い文章がずっと続いてく感じ」


「そりゃマジで気持ち悪いな・・・」


「良かったじゃないか治、これでやっと彼女ができるな」


「うるせえ、その眼鏡へし折るぞ」


「でもアイ文の文字化けサイトって普通に検索してもヒットしないんだろ?俺も前に検索してみたけど、何もでてこなかったし。だからただの都市伝説かと思って罰ゲームにしたんだが、治ぅ、お前本当に見たのか~?」


「そうだったのか!!」


そう言ってニヤニヤする鈴木に田中が大声で反応する。どうやら鈴木は俺が実際文字化けサイトを見てないのに強がりで見たと嘘を言っていると思っているようだ。


「いやいやいや、マジで見たって!履歴が残ってるはずだから今日家来て見てみろよ!」

「今日は部活だからまた今度な」

「治!気にすんな!俺は信じてるぞ!!」


「お前ら席につけー」


そんな話をしていると先生が来て授業が始まった。

罰ゲームとはいえあんな気持ちの悪い思いまでしてアイ文を見たのに嘘呼ばわりされて腹が立ったが、正直その気持ち以上にあのアイ文の話はもうしたくなかったし、気分が悪くなるので思い出したくも無かった。


「なぁ、俺がホントにアイ文を見たか、見てないか、信じるのはどっちでもいいんだけど、お願いだからもう二度とアイ文の話をしないでくれないか?正直思い出したくも無いんだ・・・」


休み時間に二人を呼んでそう打ち明けると、俺の真剣さで察したのか二人は茶化さずに「分かった」と頷いてくれた。



昼休みになると、いつものように俺が作ってきた弁当を鈴木と山田に渡して三人で机を囲んで昼食をとる。今日は昨日のアイ文のせいであんまり家にいたくなかったから手早く作れる親子丼弁当にした。汁気の量を調節して弁当箱から煮汁が滴り落ちないように、それでいてご飯全体にしっかりと染み込むようにしたものだ。


「いつも思うが治のメシは最高だな!男にしておくのがもったいない!!」

「ホントは女の子なんじゃないか治?」

「もうお前には作ってやらんぞクソ眼鏡」


二人は気を使ってくれたのか、その後アイ文の話題がでることは一切無かった。いつものようなバカ話で時間が過ぎていく。


気付けばあっという間に放課後になり、鈴木と山田は部活へと行ってしまった。俺は親父に代わって家事をやらないといけないので、高校に入ってから部活はやってない。今までのにぎやかさが消え、少し寂しさを感じる。

寂しさと共にアイ文のことも思い出して少し不安にもなった。正直に言ってしまえば一人になるのがイヤだった。

 帰り支度をしながらそんなことを考えていると、ふと、隣の席にいるマシロさんのことを思い出しす。横を見てみると、マシロさんはまだ俺のほうを向いてじっと座っていた。


鞄を持って立ち上がるとマシロさんに近づいた。


「あのさ、マシロさん。その・・・良かったらなんだけど、俺と一緒に帰らない?確かマシロさんも部活やってなかったよね?帰り道も一緒のはずだし・・・どうかな?」


見開かれた白黒の瞳でじっと俺の話を聞いていたマシロさんは、了承の意を示すように首を縦にコクコクと振るとペタペタと立ち上がった。


「良かった~じゃぁ行こっか!」

 コクコク ペタペタ



靴箱で上履きを取り替える間も棒立ちでじっと俺を見ているマシロさん


帰り道も俺の一歩後ろを控えめに裸足でペタペタと付いてきてくれるマシロさん


時より足を止めて振り返るとマシロさんも足を止めじっと俺を見つめる


「マシロさん、俺歩くの早くない?無理してるなら言ってね、マシロさんに合わすから」


俺に白黒の左目を合わせたまま「そんなことないよ」とするように首を横にフリフリと振るマシロさん


カツカツ ペタペタ カツカツ ペタペタ カツカツ ペタペタ



家に着いた。


「マシロさん、良かったら上がっていってよ、お礼にお茶でもだすからさ!」


首を傾げ「良いの?」という感じなマシロさん


「勿論だよ!さ、あがってあがって!」


家の鍵を開けて玄関の扉を開くと中に入った。マシロさんも俺に続いて家の中に入ったようだ、俺の背にマシロさんを感じる。玄関がパタリ <ガチャリ> と閉まった。

早くマシロさんにお茶を出してあげようと靴を脱ごうとしたとき、ふと違和感が自分を襲った。



ん?んん??んんん??






あれ?



何かおかしくないか?



そもそも俺の左横の席って元々誰もいない席だったはずだぞ??



白黒の左目だけ付いてる真っ白なのっぺらぼうでアオザイみたいな形の真っ白い服を着た裸足の生白い肌色の真っ白などす黒い爪で生肉を触った後の手のような生臭いニオイ って そんなヤツいる???



 なんでずっと裸足なのよ 

             そもそも制服すら着て無いじゃん 

 

                             てかなんで俺のほう向いて座ってんの     てかさ なんでずっと 俺のこと見てたの 


パタリ ガチャリって何で鍵閉めたの


てかさ てかさ てかさ


                  そもそもよ そもそもそもそもさ



            マ シ ロ さ ん っ て 誰 ? ? ? 





 そう考えているとガバッと後ろから抱きつかれた 力が強すぎて全く振り解けない 全身生臭いニオイ


に包まれる


 真っ白いヤツの顔が俺の顔のすぐ真後ろにあるのがわかる 真っ白いヤツの息使いが聞こえる コワイ


コワくて振り返れない    やめて やめて やめて やめて 

 

コワイ コワイ コワイ コワイ ゴメンナサイ ゴメンナサイ ゴメンナサイ


足元にあるはずの玄関のタイルの感触が無くなる 下を見ると足元に真っ黒い穴が空いている 


穴の中は真っ暗だ 真っ黒な泥で満たされている 底無しの黒沼だ 



「なんで・・・俺がなにし」





                    ドボン


 その真っ暗な穴の中に泥の飛沫しぶきをあげて治は真っ白いヤツに引きずり込まれ落ちていった


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