おまけ 明日は大荒れの天気でしょう<終>
「ねえ、あなた……」
「どうした、アンナ？」
「ちょっと、相談したい事があって。あの司会者なんだけど……」
「……いつかその話は来ると思ってた。やっぱりやられたのか？」
「……うん、録画番組だから誤魔化せたみたいだけど……思いっきり……お尻を……」
「ちっ、あのスケベジジイめ。俺の耳にもよく入るぜ。年下のアナウンサーにセクハラ発言したり、尻とか太ももとか触ったり……」
「私の後輩、胸まで触られたみたい……でも誰も言えなくて……」
「そりゃそうだよな、この世界は年功序列だ。それにあのジジイ、テレビばっかじゃなくて雑誌とかにも影響力あるんだろ？ゴシップ系とかなんやら……」
「うん……昔は凄い優しくて良い人だったみたいだから、その繋がりかもしれない。
でも、私もう我慢できない。いくら有名な司会者で良い人だからって、私達女性を舐めきってる人は絶対許せない……」
「……分かった、その気持ちは俺様も受け止めたぜ。
大事な妻にそんな事をする奴は絶対に許せねぇ。だから、『許可』するぜ」
「……本当に良いの？」
「何躊躇してんだよ、お前は『嵐を呼ぶ女子・アンナ』だろ？
嵐っつーのは悪い事ばかりじゃねえ。汚いものを綺麗さっぱり洗い流したり、海に栄養をたっぷり与える力もあるんだ。今のお前は、その力を「正義」に使う心がある。自信持てよ、最強の夫の俺様がついてるんだぜ？」
「……分かった、ありがとう。
それで、私の考えた計画なんだけど……」
「ふむふむ……」
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それから数日後、勝利のワインを交わしながら夕食を優雅に味わう葉月レンと10000人の葉月アンナとが見つめる巨大なスクリーンには、有名司会者Wがお金絡みの容疑で逮捕され、うなだれた様子で警察に連れて行かれる様子が映し出されていました。
勿論、その一報を誰よりも早く伝えたのは、『嵐を呼ぶ女子アナ』こと葉月アンナでした……。
≪終≫
