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第五十六話「きらい きょうとう」

***


「水流!」


 森の中を魔法で潜り抜けながら、わたし達は前進する。すでに火の手は、森中を真っ赤にしていた。。


「水流!」


 わたしたちはあえて、火の中を進む。ラミィの風という、対策の魔法があるのなら当然だ。

 もちろん敵の中にもそんな魔法持ちがいる。イノレードの軍隊は確かに強いけど、アオほどの力も、ましてやアルトの足元にも及ばない。

 進軍は容易だ。


「フラン殿、先行しすぎです!」

「あんまり早く行くと危ないよっ!」


 ただ二人の効率は悪い。出来る限り敵兵を無力化して向かおうとするからだ。殺すこともしないので、手間がかかる。

 それでも、こちらの有利は変らない。ラミィは顔に包帯をしているが、煙を風で取り払うことが可能だ。ロボにいたってはまったく意に介さない。


 ただ立ち止まっていれば、わたしたちを脅威と感じ取った兵たちがこちらに集まってくるのだ。時間がかる。


「ここは俺が守る! お前たちは怪我をした兵にまわれ!」

「カウトさん!」

「構うな!」


 目の前に、二つの白い盾を持ったイノレード兵が立ちはだかった。

 邪魔だ。


「コンボ、火、水!」


 わたしは二丁拳銃の魔法を使う。幸いにも、熱量は余るほどある。ラミィの風の保護から抜けて、熱を吸収しながら走る。


「射出!」

「光の盾!」


 たぶんこの男が、周りの人間を煙と熱から守っていたのだ。わたしの魔法もすべて受け止められた。

 攻撃の効かない敵、いやなあいつを思い出してしまう。

 わたしはやけになって前進するも、相手は上手くこちらの動きを読み取って立ちはだかる。いくら移動しても、こいつだけは抜けない。


「通させか!」

「それでも、通るしか――」

「じれってぇ」


 そんな時だ、盾の男を蹴飛ばして、知らない奴が割り込んできた。


「かっ……あぁ! グ……リテ!」


 盾の男は背中から思いっきり体を打ち、かすれたうめき声を上げる。

 グリテ、聞き覚えがある。たしか荒蜘蛛……アオを倒した男だ!


「あ、文句あんのか?」


 あきらかに、グリテのせいで大怪我を負っている。たった一発の蹴りで、あいつは盾の男をのした。仮にも守りに入った男の隙を突いたのだ。

 糸の魔法がすでに発動していると考えていい。盾の男の体は、何本もの線で服がボロボロに千切れあざになっていた。蹴りで糸にたたきつけられたのだ。


「アバラやっちまったか? 雑魚は脆くていやだねぇ、でもよ、オレの命令。こいつに構わず、前進しろ」

「だっ、だが!」

「だがじゃねえんだよ、もたもたすんなって」


 グリテはあえて、折れたと思われるアバラを殴って盾の男を挑発する。盾の男は、痛みをこらえて前進を始めた。


「そうそう、それでいいんよ、先行してな~」


 グリテは楽しそうに手を振ってから、すぐわたしを睨んだ。


「で、誰だお前」


 わたしはすぐに拳銃を構えて前に向けるが。

 敵の攻撃の気配が、後ろで広がるのを感じた。


「餓鬼? そういえぁ、餓鬼の敵がいるんだっけなぁ、たしか、ベリーっての」

「……っ!」


 わたしは転がりながらその気配を避ける。ひゅんと、糸が風を切る音がした。


「ッチ」

「わたしは、ベリーじゃない!」

「餓鬼だろ」


 一人じゃ無理だ。すぐにそう悟った。


「ロボ! らみ……」


 だが、周りを見ても、二人の姿はなかった。

 先程の盾の男との戦いで、はぐれてしまったのだ。勝手に動きすぎた。


「よそ見してんじゃねぇよ」


 やばい、どうしよう。どうすれば、どうにかしてどうすれば合流、


「ほんと、そう」


 しゃんと、鳴り響くような声がわたしの耳に届いた。


「べ、ベリー!」

「うるさい」


 ベリーだ。敵の糸を自らの腕に絡ませて、グリテを引き寄せようと引っ張っている。

 グリテは微動だにしないが、何か不可解な顔をしてベリーを見ていた。


「あぁ? なんで切れねぇ」

「……」


 鋭利なはずのグリテの糸は、ベリーの体を引き裂きはしなかった。


「魔法抗体か」


 魔法抗体。聞いたことがある。魔法を受け付けない特性を持った人間だ。

 グリテはいまいましく、唇をかみ、睨みつけてくる。

 ベリーはそのグリテの油断を突いた。突如飛び上がり、回し蹴りを敵に向けてはなつ。


「ッチ!」


 グリテは舌打ちをして、その攻撃を避ける。

 しかしベリーは、その避けたところにもう一段の攻撃が掛けられる。

 アオにした時と同じだ。気配が読めても避けられない、相手の動きを把握した上での攻撃だった。

 回し蹴りがグリテの顔面に入ろうとしたところで、不意に止まった。


「舐めんじゃネェよ」


 ベリーの身体には、すでに全身まで糸が絡みきっていた。動ける状態ではない。

 たぶんベリーは、こうなる前に決着をつけるつもりだったのだ。だが、予想以上に糸が絡まって……わたしを守ったからだ。


「クソがぁ!」

「射出!」


 わたしはとっさに、ベリーに向かって熱の銃弾を放った。

 グリテはそれを避けて、ベリーの体はもろに熱を受ける。だがその熱はベリーを蝕まず、逆に糸を焼いていった。


「ほら、早く動いて!」


 わたしは急いで、あの嫌なベリーに駆け寄る。

 嫌いだが、わたしを助けた。ならば、わたしも助けるべきだ。アオなら、そうするはずだ。


「余計」

「じゃあ、わたしもあれは余計だった。でも、助かったから。お互い様」


 ベリーの言い草に、わたしは自分を重ねる。ベリーは嫌な顔をしつつも、反論はしなかった。


「わたし、あなたのこと嫌い」

「あたしも、嫌い」


 嫌いだ。だが嫌いだからこそ、共感できる事柄がいくつもある。

 敵は一人、あいつに立ち向かえるのはベリーで、あの糸に対処できるのはわたしだ。


「あの男に、勝ちたい」

「報復」

「「共闘!」」


 口調まで合わさって、本当にいやになる。


「オレの糸を焼くとか、うぜぇ……光」

「チョトブ!」


 わたしの魔法は糸そのものに発射される。敵の糸は固体だ、ならばチョトブで吹き飛ばせる。

 糸が周りに広がる出先をくじく。糸は焼けないが、バラバラになって飛んでいった。


「あぁ、それで?」


 グリテは右手を引き寄せる。たぶんあいつの手の細かな動きが糸を操っているのだ。崩れた糸を戻そうとしている。

 だけど、そうはさせない。


「あぁ!」

「冷たく!」


 わたしの放ったチョトブは二挺拳銃の冷気つきだ。柔らかいはずの糸は凝固して、木々に張り付いている。

 少しの間、グリテの体は硬直する。自ら出した糸に、手を拘束された形になったのだ。


「チョトブ!」


 その一瞬を、ベリーは逃さなかった。自身ではなく近くの丸太に魔法を唱えて、一気にグリテとの距離をつめる。

 しかも、グリテの動きにくい手を狙っての攻撃だ。外しはしない、腰に付けた小刀で手首からグリテを引き裂こうとする。が、


「クソが」

「……っ!」


 グリテは、片手首を捻り、指だけで小刀を受け止めた。


「放射!」


 想定済みだ。あのイェーガーだって一回や二回じゃ出し抜けなかった。わたしだってその点の準備は兼ねている。

 ベリーに構うことなく、集めた熱量を放射する。冷気チョトブのために丁度もう一つの銃から熱を奪ったばかりで、熱量は十分だ。


 この銃は片方が熱線を出すために熱を奪えば、逆に奪われたもう片方は冷気を放てる。銃同士を重ねてクロスさせているだけで、熱と冷気のリロードが可能なのが最大の利点だ。連射限界の合間を保てる。


「雑魚が、煩わせやがって」


 ただ、グリテはまだ無傷だった。凍結された糸を持った片手を軸に、高く飛び上がる。

 木の上で着地してから、グリテはわたしたちを見下すように睨む。

 ベリーは悔しそうに眉をひそめて、地面に落ちていった。


「っ! もう、もう一回!」

「ううん、まだ、一回目は終わってない」


 ベリーとの連携では倒す事はできなかった。即興のコンビではこんなものだろう。


「カスが、こんなもんで」

「そう、こんなもの」


 わたしの放った熱風を、グリテの後ろから一気にかき集める影があった。


「だから、ラミィ」

「シルフィードォオオ! チョップ!」


 攻撃の気配の収束した瞬間と同時に、グリテのもとに熱気の衝撃波が当てられる。収束した熱の風は、糸ごとグリテを叩き伏せた。


「不意打ちばかりは弱者の常、お許しください私の未熟。それでも正義は我にあり! 両腕熱い、シルフィードラミィ。熱風の便りにてただいま参上!」


 徐々に近づいてきていたラミィが援護に回り、グリテに一撃を与えた。

 衝撃が収まらぬうちに、ラミィはわたしの隣に着地する。


「フランちゃん! なんで勝手に前に出たの!」

「……戦闘中だから」


 わたしはちょっとだけ気まずくなってそっぽを向く。


「何にしても大変だったんだよ、部隊の定期連絡……あっ、ベリーちゃんもいたんだねっ! とにかく大変なんだよっ!」


 ラミィの言葉はまとまりを得ないが、それで切羽詰っているのだと納得できた。なにか予想外の事態が起きたのだろうか。

 しかし、それの確認よりも先に、グリテから放たれる気配が、この場を包んだ。


「ったく、くそがぁ!」


 イラついている。口調ですぐにわかる。


「餓鬼に、餓鬼に、ミイラ野郎、何だよそのつまんねぇメンツは! ったく、ろくな女も引き寄せられねぇのかこのメンツは」


 無駄に長い髪をかきあげて、グリテは空を仰ぐ。

 そのグリテの右手は、カードケースを開いていた。


「……飽きたわ」


 出てきたのは、一枚のカードだ。知らないカードだけど、覚えがある。まるでカードがこちらに威圧するような、そんな力を放っているあの感じだ。


「炎上だ、荒蜘蛛!」


 グリテが自身の異名、荒蜘蛛を叫ぶ。するとカードが光り輝き、魔法が発動した。


「なんで……なんでなんで!」


 意外にも、その光景に驚いたのはベリーだ。体を震わせて、戦場でしゃがみこんだ。何か知っているのか。


「なんで、あなたが! 炎を! サインレアを!」


 サインレア、それを聞いただけで、鳥肌が立った。今もっている感覚を理解した。

 あれは、グリテが本当の意味でわたしたちを殺しに来るための力だ。


「ラミィ!」


 相手がどんな能力で来るのかは知らない。だが、わたしがいますべき事はわかっている。


「逃げる! ビュン!」

「うんっ! 風の足、シルフィードボード!」


 ラミィも反応が早い。すぐさま逃げる算段を立てて、魔法のボードを形成、魔法抗体のベリーを抱えて飛び乗った。

 わたしもそれに乗り、走り出そうとするが、


「まって! なんで、逃げる!」


 ベリーがそれを止める。何をしているのだ。


「危険だから!」

「でも、逃げたら、負け!」

「知らないわよ! 生きたら勝ち!」

「逃がすかよ」


 グリテの魔法は、炎で作り上げられた大蜘蛛を作り出した。火の粉を上げて、ぱちぱちと焼けるような鳴き声をあげる。

 ラミィはわき目も振らずに風を走らせる。


 荒蜘蛛は六つの黒点でわたしたちをみつめて、炎の巣を形成する。

 おそらく、わたしたちを逃がすまいと、この場を閉鎖空間にするつもりだろう。


「フランちゃん!」

「前に!」


 ただグリテはわたしの二丁拳銃を把握しきれていなかった。熱の壁を吸収して、少しだけ開いた隙間をそのまま通り抜ける。


「フランちゃん、追ってくるよっ!」


 荒蜘蛛はその強大な身体の、六本の足をぐねぐねと動かして、わたしたちとの距離をつめる。速い。このままでは追いつかれてしまう。


「戦う」

「まだそんなこと」

「戦う!」


 ベリーは何かに囚われるように、荒蜘蛛に敵対心を向けていた。まだ身体に力が入っていないのに、言葉だけは達者だ。

 近くにいるだけでわかる。荒蜘蛛はどう見ても勝てる相手じゃない。素早く、気配も強大だ。


「ビュン! ラミィ、もっと早く! このままじゃ追いつかれる!」

「ごめんっ! 三人じゃこれ以上の速度は」


 勝てないとわかっていても戦うしかないのだろうか。


「……」


 ただ、その荒蜘蛛が追いつきそうな一瞬、黒点の瞳が、ベリーを捉える。するととたんに荒蜘蛛の勢いは弱まって、わたしたちを襲うのをやめた。

 静まった荒蜘蛛は、過ぎ去っていくわたしたちの背中をただ呆然と見つめていた。



 気がついたときには、日が暮れていた。


「た、助かったねっ!」


 ラミィが疲れを感じさせない声音でこちらにガッツポーズを決める。

 火の手を避けて、荒蜘蛛からも逃げ切った。幾つかの小競り合いに巻き込まれつつも、ネッタの人々が予定していた集合場所にまで到着できた。

 逆を言えば、わたしの予定は達成できなかったということ。


 たぶん、ここにいるのは半分くらいだ。まだ別の場所で戦っていたり、帰ってこれなくなった人がたくさんいる。


「助かっていない、アオが」

「アオくんはまだ無事だよっ! 私が保証するから、今は休んで、途中で倒れる心配をしないと」

「……ロボと一緒に行けばよかった」


 ここにロボはいない。ビーンズのいる精霊合流組の元へ行ったそうだ。なんでも、すごい進撃力を持った部隊が精霊の部隊と合流しようとしているらしい。駐屯地はもぬけの殻らしく、そこにアオがいるかもしれないと踏んだのだ。


「ロボさんはあの身体のおかげで体力がすっごいだけなんだから、フランちゃんは真似しない」


 ラミィはちょっとうざったい。年上なせいか、やけに説教臭いというか、お節介が多いのだ。


「うざったい」

「うざったい上等っ! フランちゃんが怪我したらアオくんが悲しむんでしょっ」


 たぶん、姉がいるというのはこんな感覚なのだろう。なんだかんだで切ることのできない縁が、遠慮をなくす。

 うざったいけど、別にラミィの事は嫌いじゃないのだ。わかってくれるから、気を使う必要もないし。


「……」


 それよりも嫌いなのは、隣にいるベリーだ。

 荒蜘蛛から逃げたことをまだ気にしているのか、もとより喋らない口がさらに糸で縫ったみたいに動かない。


「あーあんたらここにいたのね」

「あっ、バニラさん!」


 見るとそこには、大きな荷物を抱えて、わたしのもとに歩み寄るバニラの姿があった。大きな荷物の正体はテントだ。


「別にどこでもいいけど、泊まるならテント一個全部陣取りな。非戦闘員は炊事とテントはりやらせてるから、開いてる場所を早い者勝ちよ」

「ありがとうございますっ!」

「あと、見たところだと、ベリーを助けてもらったぽいわね、さんきゅね」

「違う!」


 そこでやっと、ベリーが口を開いた。


「こいつら、逃げた!」

「あーはいはい」

「違う!」

「ベリー、あたしが何年あんたの母やってると思ってるの。負け惜しみの顔は全然変ってないね」


 バニラは躊躇うことなくズバズバとものを言う。おまけにおでこにデコピンで笑っている。


「あいつ」

「ん?」

「あいつ、炎、持ってた!」

「……」


 バニラの視線がベリーからこちらに移る。説明を求めているのだろう。

 その役割は、ラミィに任せる。


「グリテが現れたんです、炎のサインレアをつかっていましたっ」

「……まじ?」

「何か、悪いんですか?」

「あーあー! 最悪、まって、だとするとこの紛争も茶番ってこと!」


 バニラが、頭を抱えて目を瞑った。聞くんじゃなかったと、何度もつぶやいている。

 ラミィもわたしも、その意図がわからない。


「えっと、どうしました?」

「この近くに精霊がいて、今協力を頼んでいるのは知ってるわよね。その精霊は、炎の精霊なのよ」

「えっ、待ってください! それじゃあ精霊はイノレードの味方をっ!」

「そんな難しい話じゃない。あいつは気に入った奴を眷族にするだけ、現に、あたしの息子二人はそれぞれ炎のサインレア持ってるのよ、もう一枚があの子に渡らないと思ってたら、もうすでに選んでいたのね」


 その台詞で、合点がいった。今まで会った疑問がどんどんほぐれていく。

 サインレアを持った二人がネッタの中にいたと言っていたが、まさかベリーの身内だったなんて。

 ベリーが今まで機嫌が悪かったのは、自分の持っていないサインレアをあのグリテが持っていたからだ。あそこまでむきになって対抗心を燃やしたのも、それがあったのかもしれない。


 わたしにも経験がある。パパがアオにばかりかまったりしたあのときだ。自分の持ってない力が、大切な人の意識を刈り取ってしまう。なんでわたしはもっていないのかと、嫉妬してしまう。


「だとすると、この紛争はあのクソ精霊が一枚絡んでるのか」

「まってくださいっ! 精霊が戦争を起こすなんて」

「精霊ってのは人の味方じゃないのよ、現に魔王ってのがいたでしょ。ややこしくなってきたわね」

「違う!」


 淡々と続くラミィとバニラの会話に、ベリーが割り込む。


「あたしが、あの男からサインレア奪う! そうしたら、精霊は味方!」

「そういう問題じゃないのよ、黙ってな」


 ただその言葉も無視されて、ベリーは唇をかんでうつむいた。


「最初からこの戦争は精霊が絡んでたのかもね、なら火を放ったのも事前に考えられてたことになって……ああややこしい!」

「あのっ、わたしにも詳しく教えてください! もしかして、精霊の居場所が危険なんですかっ! ロボさんとアオくんは――」


 わたしにとって、戦況の話など馬耳東風だった。ようはアオを救えればいいのだ。向かう場所がどこだろうと、いけるだけ先に進む。

 だたちょっとだけ、何も喋らないベリーの口元が、視界から離れなかった。


脇役列伝 その5


 イノレードの白亀 カウト


 イノレードの一般兵。レベルは二十五で、味方をあらゆる外敵から守る、魔法の衣が主な技。軍の中ではジルの影に隠れてしまっているが、仲間を大切にする熱い心を持っていて、白亀の異名で慕われている。時代が違えばいい司令官になったであろう人。

 今回のネッタとの戦いで足に大怪我を追う。グリテに骨をおられたまま戦場で無理をしたこともあり、一生治らないとまでいわれるほどの怪我になってしまった。家族もなく、今まで闘うことしか知らなかったカウトはどうやって生きればいいのか、すべてを失い途方にくれている。今まで使ったことのない貯金を使って、搬送先はチリョウの病院に決まった。白亀はチリョウに向かう。


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