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理由がいるなら、いくらでも  作者: 采且ウサギ
王子、大人になる
76/79

55帰国後

「やーい!落ちてやんの」





帰国後、一番会いたくない奴からの

呼び出しを受けた。


そこは当然無視したんだけど、

まさか会社まで迎えにやってくるとは

思わなかった。


そして、開口一番その言葉か。



……余程、言いたかったんだろうな。



「しかもマーキングまでされてんのかよ」


俺の左手薬指を指してニヤニヤしている。


相変わらずの石川の

言い方なのだけど、こっちも

もう動じるものは何も無い。


「悪い?」


俺の反応に不満そうな顔に変わったのを

見て逆に俺の方が気分が良くなった。


「チッ、その反応面白くねー」


からかい甲斐が無いとあからさまに

嫌な顔までしてきた。


「あのさ、俺はお前の玩具じゃないし。

俺で遊んで良いのは彼だけだよ」


「意味深な発言するよなぁ、お前。

セリフが一々エロいって」


お前の妄想に付き合ってる暇は無い。



「あんだけ逃げ回ってたくせに。

しっかし、あのガキよくもまぁ、お前を落としたもんだぜ。

あ~でもさ、考えによっちゃ遠距離だから

こっちで女食ってても向こうは気が付かないか」


「……食わないよ。

もしそんな事したら報復するって言われたし」


「ブッ。釘刺されたのか?

どうせ口先だけだろ、あれだけお前に

ご執心なのに出来る訳無い」


それは分かってる。


そもそも彼はそんな事する

タイプじゃないしね。


「だからこそ、出来ないって。

可愛い彼氏を裏切れないだろ」



「彼氏?その言い方だとまるで……」



俺が答えない事で石川は顔色を変えた。



「え?ええ!!――嘘だろ!?

まさかお前が下なのか?

タラシのお前が??あのガキに?」


石川は店の三分の一くらいの人が

一斉に振り向くほどの声を出したかと

思うと今度は低く、もう一度マジか?

と聞いてきた。


俺は静かに頷く。



「彼がソレを望んだから」



俺がニッコリ笑って返すと

まだ信じられないような面持ちながらも、


「お前さ……ていうか、お前の方が

あの子に余程惚れてるように見えるんだけど」



「だろうね。間違ってないよ」



石川はまじまじと俺の顔を

覗き込んで溜息をついた。



「…………へぇ。

人って此処まで変わるかね。


ま、良かったじゃん桐江。

いまお前ちゃんと恋してねぇ?」




「そういうお前だって好きな子には

デレデレなんだって?

……おにぃちゃん?」


頬杖付いて見上げると石川は

真顔で静止している。


あ、黙った……。


こんな反応の石川見たの初めて。



「さっき、俺に浮気を勧めてたけど

万が一そんな事しようものなら

お前のことだ、それを零クンを通して

四堂君にチクるつもりだったんだろ?


俺達がまた揉めたりするの

高みの見物するつもりだった?」


お前も相当歪んでるね。



「そっち上手くいってないの?

何なら相談乗るよ?」



形勢逆転?した俺に苦々しい顔で

コーヒーを飲む手が僅かに動揺を

見せてるけど、崩れない所は流石だね。



「……言ってる意味が皆目分からないな」




嘘つけ。










―――四日前。



「へぇ、レイが桐江さんにそんな事を?」


「うん。君が大事だからって」


「俺もレイは一番の友人ですよ、

これからもずっと」


「そういう関係良いね」


マンハッタンにいた時に

此処まで来る経緯とキッカケになった

零クンとの話になった。


「石川は何か画策してるようだったけど

雰囲気的に自分の言ったことをまんま

四堂君に伝えるかどうか知りたかった

みたいな感じを受けたね」



何故、そんな事に拘るのか

ずっと不思議に思っていたけど、

この後その謎が意外な形で解けるとは

思いもしなかった。



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