50副産物
「桐江さんって、凄いエロい顔しますよね。
女との時もいつもそんな顔
見せていたんですか?」
分かるわけがない。
自分が今どんな顔をしてるかなんって
だけど女の人を抱く時は
もっと自分に余裕あるし、
少なくとも今みたいに自分を見失うなどの
失態は絶対に有り得ないことだ。
しかも顔を隠そうとしたその両手を
俺の頭の上で固定されてしまった。
外そうにも四堂君に先刻のアレの所為で
力も入らないみたいだ。
「それとも俺がそういう顔をさせてます?
だとしたら嬉しいんですけど」
「変な……クスリのせい……で」
「でも俺相手じゃないとこうは
ならないんじゃないですか?」
俺のカラダを激しく揺すりながら
四堂君は聞いてくる。
あーもう……
最初は俺相手だと緊張しますとか
何とか言ってたくせに、いざ俺が
声を少しでも漏らすとかなり余裕が
出てくるんだね。
「君はイチイチ女の子にも
そういうの口にして言うの?」
「言いませんよ、
桐江サンは全てにおいて特別ですから。
他の人と同じように扱うなんて」
「…………」
――聞かなきゃ良かった。
益々、四堂君とひいては自分をも
煽る結果となってしまった一言に
今更後悔しても仕方ないんだけど。
「そんな潤んだ目で見ないで下さい。
又、したくなる」
「……したいだけすれば良い。
遠慮しないんじゃかった?」
お互い“タラシ”の意地と
相手を満足させたいとのプライドが
あったから互いに譲らなくて。
クスリの効果か彼が上手い為か
或いはその両方か、判断できなかったけど
想像していたよりは痛みをそう感じなかった。
というか、何度目か
分からなくなった頃には
既に快感の方が強くなっていたくらいで。
されている方が感じてくると、やってる方は
それに比例して良くなるから
二人共、朝が来たのも気が付かなかった
くらい夢中になってしまっていた。
疲労感が半端なくて翌日は
四堂君の支えがないと起きれない始末で、
結果、仕事を休ませる羽目になって
しまったけれど。
「で、どこで入手したの?こっちで?」
「いえ、WKレーベルの会長から……」
「はぁ????」
あまりに意外な入手先に驚いた。
「何でも新薬の開発時に偶然発見された
副産物らしくって、会社の中でも
極秘扱いだそうで、この先使うことも
あるだろうから特別にと」
あのドスケベ、エロオヤジ!
未成年にこんなクスリを
渡すとか有り得ない。
訴えてやろうか。
「何で今それを使おうと思った?」
「……いや、その」
理由を言いたくないのは
単に好奇心からだからだろうか?
「言いたくないなら無理には聞かないけど
そういうのあんまり好きじゃない。
使わなくっても……」
「――と思ったから」
「え?」
肝心なトコ聞こえなかった。
見れば四堂君は何故か真っ赤になってる。
「ゴメン、聞こえなかった」
「……初めて桐江さんとするのに
痛がられたら嫌だと思って。
その……俺の」
消え入りそうなくらい小さな声の
意味を理解した時、
「…………!」
今度はこっちが真っ赤になる番に。
確かに……外人の血が
入ってるだけあってか最初に見た時に
一瞬息は飲んだけど、ね。
「バカだな。
確か泣かせるサイズに
なったらだっけ?宣言した通りに
なっただけのことだろ?
ちゃんと慣れていくから、そのままの
君を感じさせてよ。
クスリとかいらないから……ね?」
「桐江さん……」
「全部出しなさい、必要ないだろ」
素直に手渡された薬品を
手の中で握りつぶした。
こんな危険なモノ、
―――他人と使われたら絶対嫌だから。
「……あと、二瓶あります」
「!!!!!!!!」
どれだけ渡してるんだ、
あの会長は!!!!!!
※この回に限り、
【裏】ページがあります。
内容は一緒ですが中身の濃さが
異なるという訳です。
察しの良い方はお分かりかと
思いますが……そう、
――所謂【裏】Vaが存在するという事。
(折角、四堂の念願の桐江との初体験なので)
18禁の規定に引っかかりたくないので
自サイト、PASS部屋のみで公開しています。
(あくまで内容に変わりはありませんので
特に気にならない方はスルーして
何ら問題ありません)




