表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理由がいるなら、いくらでも  作者: 采且ウサギ
王子、大人になる
51/79

30要注意

「今日呼んだのは鈴木がどうのって

のは名目で、本命はお前。

お前さぁ、結局どうしたいの?

ダメならダメでちゃんと断れって」


「してるよ」


「相手、伝わってねーじゃん」


「俺なりにちゃんと彼にハッキリ

言ってるし、打つ手は打ってるつもりだよ」


「俺なりねぇ、それが曲者だな」




「…………」





あながち石川の言わんとする事は

外れていない。



俺の態度が一見冷たい言葉で拒絶してるようで、

どこかで許諾もしてるのを否めないからだ。


全部が場当たり的で何も解決してないし

下手したら俺が焦らしてるように

映っているのかもしれない……


“生殺し”


そのフレーズがまた脳裏を過る。



曖昧な状況ほど人は動くのを躊躇う。

俺がこんなんじゃ四堂君が

踏み切れないのも無理もない。




俺は一体何がしたいというのか。




「で、マジどうすんだ

なにか手を考えてるのか?」



まるで考えを見透かされているようで

ドキリとした。


「どうしたいって……決まってるだろ」


「切る、方向で良いんだな?」



「……当たり前だ」



何でわざわざ確認する意味がある?

それ以外の選択しとかある訳ないのに。



「んじゃ、提案あるんだが乗ってみるか?」



石川の提案?


もう既に嫌な予感しかしない。


お前に何か持ちかけられて

なにか上手くいった試しあった?

大体がロクな目に合ってない

記憶しかないけど?


「――激しく内容によるかな」



「そう疑うなって。俺に任せろ」



だからそれが怖いんだって。

今の一言で疑念が確信に変わったよ。

















「――今の話、零クンにも話すつもりか?」


「話すぜ」


「は??簡単にいうけど

零クンは四堂君と親友だよ?

この事がもし四堂君に知られたら

意味がないだろ?」


「そうだな、零一が言えばその時点で

ネタバレで計画終了するまで。

言うか言わないかはアイツが決める事じゃん?」


「お前……あんまり酷なことしてやるなよ。

尊敬する兄貴か、大事な親友か

そんな天秤にかけさせるなんて」


「まぁまぁ深刻になりなさんなって」



俺は石川の物事を軽く見る言い方に

苛立って席を立った。



「石川、お前酔ってるのか?」


「まっさか。

俺が酒一滴も飲めないの知ってんだろ?」



確かにこの男が酒を飲んでる姿は

見たことがない。


さっきだってガンガン飲んでる俺たちを

尻目に石川だけがウーロン茶を頼んでいた。


だけど、そう疑いたくなる程

今日の言い方は変だ。



「―――何の思惑があるかは聞かないし、

俺を利用するのも別に構わない。


ただし、もうこれ以上四堂君を

巻き込むのは例えお前でも許さないから。

もしそれでもというならお前とはこれまでだ」


明らかに石川は俺を、俺達を

別の何かのダシに使おうとしてる。


だけど俺の言葉を聞いて

石川はこともあろうか笑い出した。


「へぇぇ、驚いた。

お前でもそんな風に言うんだな、怖い怖い。

なんだかんだ言いながら結構お前も

あの子にどっぷりハマっちゃってんじゃないの?」


「………話にならない、帰るよ」



「お前こそ手をこまねいてる場合か

良く考えたらどうだ?

という訳で連絡待ってるぜ?桐ちゃん」



終始フザけた態度を取る石川を

見限って俺は店を後にした。



      <告知>


【理由がいるならいくらでも】番外編SS。


「宵闇は別の顔」


桐江直継という男が

タラシというのは伊達じゃなかった。


身を持って思い知る事になろうとは……




詳しい内容は本編終わってないので

かけませんが、

タラシ、18禁をキーワードで

想像して頂ければ良いかと。


(注)今回ストーリー性ほぼ無いので

   苦手な人はやめといた方が無難です。


本編が終了したら自サイト裏で公開予定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ