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理由がいるなら、いくらでも  作者: 采且ウサギ
王子、大人になる
50/79

29石川兄


「かんぱーい!!」


「おめでとぅー!」


とある居酒屋でその夜、

俺達はグラスを傾けていた。


メンツは高校生時代仲が良かった

鈴木、岡本、石川、そして俺の四人。




数日前、同窓会するからお前も来いよと

石川からメールがきた。


何が悲しくて男子校の同窓会とか……

開催される意味も行く気すら全く起こらず

速攻断ったんだけど、


“そう言うと思った。

でも同窓会っていっても俺達四人だけだし。

鈴木が今度結婚することになったから

お祝いを兼ねてだよ。”


それでも乗り気がしなくて迷っていたけど

石川の気分転換になるぜの誘い文句に

最後は折れて、しぶしぶ顔を出すことにした。



「ひさっしぶ、りっ!!」



「桐江お前まさか今ホストじゃねーよな?」


「ちゃんと就職してるよ」


「コイツちゃかり

R-GGとかに就職してんの」


「うぉ!?マジ?タレントとか

ナンパしまくりか?」


……何で皆して同じ反応かな。



「でもお前のことだからどうせ今も

テキトーに遊んでるだろ、こんの色男っ!」


つくづく高校時代の俺は皆の目に

そういう風に映っていたんだと

今頃になって再確認するとは

思わなかったよ。



「色男はどっちだか、結婚おめでとう」


鈴木はデキ婚なんだよーとか

照れ笑いをしつつ、ありがとうと零した。


「結婚とか全然考えたことも

ないけど、鈴木がねぇ。パパ?

ヘマしたな、お前」


石川のからかいに岡本が笑い、

鈴木がうるさいと怒鳴るのを眺めていた。



懐かしい。


当時もこんな調子でよくつるんでたよな。



仕事仲間と飲む機会はあっても

色んな思い出を共有してきた仲間とは

やっぱり違う。


何も考えず馬鹿が言える関係って

社会人になってからはそうそう築きにくい。


下らない事で笑えるって良い。

利害関係も何もなくて思い出だけで

酒がすすむ。


結局、会は話が尽きることなく

終電近くまで大盛り上がりしてしまって

今度、結婚式の招待状送るからとの

鈴木の言葉でようやくお開きとなった。




鈴木らを見送った後、飲み直しと称して

石川と俺は別の店へと移動した。


「来て良かったろ?」


「うん……まぁね」




石川は自分の懐のポケット探っていたかと

思うと何かを思い当たったように頭を掻く。


「……煙草やめたの?」


「あ?ああ。零一が味が苦手とか

言うからな」


「ふーん。零クンが……」



……味?



「それはそうと、えらくうちの弟が

世話になってるみたいで、スマンね」


「こっちこそ色々助かってるよ、

真面目で仕事熱心だし」


「仕事以外もサポートしてんだろ?

あのボーヤと間に

立ってるらしいじゃん?零一」


「…………」


「相手が悪すぎる、よりによってお前とか」



「……零クンはホント何でもお前に話すんだな」


「へへん。まーな、可愛いだろう」


「うん、可愛い」



四堂君はもっと可愛いけど。



「昔っから仲いいよね」


「ああ、今だに一緒に風呂入ってるぞ」


「……は??」


「加えて性格も頭も良いし、羨ましいだろ」


「………………」


石川って……すっごいブラコンなんだ、

知らなかった。


「ハイハイ、いい子だよ、実際。

本当にお前と血が繋がってるのか疑うよ」



「…………ま、それはいいじゃん」



「?そうだけど…」



何だ?今の間。


長いので分割。

後、次回あたり番外編の告知出します。

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