表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理由がいるなら、いくらでも  作者: 采且ウサギ
王子、大人になる
34/79

13熱視線


いつ知ったかは兎も角

今回、再会したのが結果

ビジネスパートナーとしてならば、

俺としてもそれを遂行するのみ。


「一つ提案があるんだけど、

君だと分かったから言いっても良い?

今度の宣伝あおりには『トリガーK』より

やっぱりネームバリューのある

『Updraft=Faust』で押したほうが良いと

思うんだけど、どうかな?」


今まで動向が見えない依頼主の

強い意向だと思ってて言えなかった

言葉を口にした。


「ええ、そっちの方が良いでしょうね」


は?


何?このアッサリした承諾は?

しかもこんな事を言い出す始末。


「元々『トリガーk』のロゴを

使用するつもりありませんでしたから」


長い足を組んだまま

薄く笑ってる感じで

こうも簡単に言われると、


逆に……


「馬鹿にしてるの?俺達の事」


「まさか。気に障わりましたか?

それはスミマセン」


全っ然、そう思ってないよね?


つい顔に出てしまったみたいで

石川弟クンがフォローに出た。


「クリス、その言い方だと伝わらない。


桐江さん、トリガーの社名を作ったのは

元々『Updraft=Faust』の名前が強すぎて、

日本進出の際、噂を嗅ぎつけた

他の日本企業が事前にいくつも

接触してきていたからです。

だから、それらを敬遠する為に取った

ダミー会社なんですよ。


うちは最初から依頼する会社を

決めてましたから契約を

持ち込むまでの間のだけのつもりでした。

とはいえすぐに業界にはバレてましたが

少なくとも多少の時間稼ぎにはなったかと」



最初から?



「事前にってそっちの方が

君達の思い通りになたろうに。

何でそうしなっかったの?」



「俺達は『R-GG』社以外と契約する気は

ハナからなかったんですよ」


石川君は爽やかって笑って言うけど

答えになってない。


「――いや、だからどうして?」



確かにうちもそこそこ有名だけど

大手ならもっと他にもある。



「さて、どうしてでしょうね?」



それまで黙って石川弟の話を聞いていた

四堂君が割り込んでそう言った。


石川君が無邪気で悪意が無いとしたら

四堂君は逆でその言葉一言一言に

何らかの意図を感じる。


今だって俺の目を捉えたまま

逸らそうともしない。


それはまるで口説かれてような

錯覚を覚えるほど

熱っぽい視線だと感じる俺の方が

どうかしてるのかもしれないけど。




「おい……クリス!

てか、もう四堂でいいな?」


石川弟が肘で小突くまで

四堂君は俺から視線を外す事はなかった。



「失礼、あんまり桐江サンが

色男だったから、つい見とれてました」



「四堂君、誤魔化さないで理由は?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ