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理由がいるなら、いくらでも  作者: 采且ウサギ
小さな王子、現る
12/79

12洞察力が半端じゃありません

「リーク元はうちのクラスの委員長、

石川君だろ?」


「いや……ちが……っ」


「良いって。彼くらしか俺の素性、

今通っている小学校で知らない筈だから。


ああ、彼を責めるつもりとか無論ないよ。

まじめで良い委員長だし、口も堅い。

その証拠に俺の事情一切を

クラスの子は誰も知らない。

その彼が話してるって事は、

恐らく相手は身内で、その人と

アンタが知り合いであり更に

このゲームの首謀者って確率が高い」



―――読まれてるよ、完璧に。


しかもこれがゲームだという事も。



「……気が付いてたんだ?」



「すぐに想像付くだろ、これくらい。

アンタ、女の子好きじゃん。

俺と接してる時と全く違うもんな?

実際、モテんだろう?

こんな事する前は女の子はべらせて

ニヤニヤしてたんじゃないの?」


怒るとか呆れた風でもなく

サラリと言われた時には

流石にドキッとした。


「最初は日本ではこういうのが今

流行ってるのかって思ってた。

でもアンタの不可解な言動から鑑みて

何かヘマをやったのか、或いは

友達の彼女でも取って逆恨みされたかで

何か罰ゲームでもやらされてるんだろうなと。


でなきゃ、なきゃいきなり

“一目惚れした”とか

アンタみたいな奴が男のガキ

つかまえて言うかよ」


至極ご尤もです。


だけど、その言い方には

今までのように馬鹿にしてるとか

蔑んでるとかそういうのは微塵も

感じられなかった。


俺が色々接触してる間、四堂君は

冷静に俺を観察し、判断していたのか。


「子供相手に自宅に不法侵入し

付き纏っていれば、州によっては

留置所行きだってのに、

ホント日本は平和だな」


ハハハ……何も言い返せない。


ん??てか留置所って、言ったかな?今


「遊びに付き合うつもりは毛頭無かったけど、

アンタ悪い人じゃなさそうだし、

いつの間にか両親にまで

気に入られてるから無下にも出来なくなって。

ま、放っとけばそのうち飽きるだろうと

高を括ってたのにアンタ予想以上に粘るしさ」



「…………すみません」



「根が真面目だから下らないと

分かっていても、断れない。

その上、負けず嫌いときてる」


じゃなきゃとっくに降りてる

いや、そもそもゲーム自体に

乗ってないだろうからと付け加えられた。


完敗だ、この子に勝てる気がしない。


というかやっぱり普通じゃない、

前に“アンタの思考見切ってる”

って言い切ったのも

あながち嘘ではなさそうだ。


だから通報も、明確な拒絶もせずに

ほとぼりが覚めるのを待っていた?

……ほとほと感心するような大人な対応だ、

それに引き換え俺は……。


何か自分が恥ずかしくなってきた。



「他に質問ある?」


「えと、両親はその……」


「ああ、両親は本当の親だよ。


俺と親がぎこちなく見えるのは

親子として接した時間があまりにも

少ないことにあるんだ」


「少ない?それって留学に関係ある?」


それまでずっと俺の目を見ながら

話していたのに、この話題になった途端

四堂君は視線を机に落としてしまった。


分割。

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