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一章-4

ようやくヒロインの登場です

まぁ、私にとってはエミがヒロインですが……

なんて嘘ですよー(滝汗


そして科学と魔法の最先端技術が!

実際に無いので妄想してし尽くしましたw

では始まりです

「さぁ、レディーからどうぞ」

 亮介は横にずれ、前へ促す仕草を見せる。

 どうやらいつの間にか目的の場所に着いたようだ。

 それは人が2人程入れそうな幅があり、小さな門のよう。向こうを覗こうとすれば、グニャグニャと空間が歪んでおり、何とも不気味である。



「ありがとう亮介。行かしてもらうよ」

「待て。お前じゃない」

 前に出ようとしたリューイを、亮介は肩を掴んで止める。

「あははは、冗談だよ」

 リューイは頭を掻きながら、亮介の隣に移る。そしてそのまま妹であるエミリに向き直る。

「エミ、端末は持った?」

「うん、持ってるよ。ほら」

 エミリはカバンの横ポケットから、手程の大きさの電子端末を取り出した。

 この端末は【ピース・オブ・バベル】に通う者、全員が所持していて、それぞれの個人データが組み込まれている。いわゆる学生証のような役割をする電子端末だ。

 それを確認したリューイが、

「いってらっしゃい」

 と言えば、

「い、いってきます」

 とエミリがうつむきながら、挨拶を交わす。

 そのまま無言でスタスタと門の中へと入っていった。



「相変わらず仲がいいな」

「まぁね。それじゃ、僕たちも行こうか」

「あいよ」

 リューイを先頭に、彼らもエミリが入っていった門をくぐる。

 耳元で、シュン、と小さなノイズが流れる。



 途端に視界が切り替わり、周りはざわめきだした。

 先に門をくぐったはずのエミリの姿はなく、リューイたちと同年代だと思われる人々を目の当たりにすることが出来る。もちろん、全員生徒である。

 その数は100など遠に過ぎている。

 200、300――いや、その数倍はいるだろう。

 頭上にエンジェルリングを浮かべる者もいれば、尻に艶のある黒い尾をハタハタと動かす者もいる。つまり人間だけではなく、天使も悪魔もいるということになる。

 左右を見れば、先ほど彼らがくぐったのと同じ形状の門がいくつも設置されており、そこから人が現れる。

 この門の正体――転移門(別名:ワープゲート)と呼ばれてる。

 先ほどエミリが取り出した電子端末を持って、ゲートをくぐれば、自動的に端末データを読み取り、持ち主にふさわしい玄関へとワープしてくれる。そのため、学年が違うエミリはここにいないのである。



 彼らはいつものように、数歩進んだ先にあるマットの上を歩く。すると、靴から黒色の上履きに変化した。このマットは一瞬で靴を履き替えられ、とても便利な代物である。

 その奥には、人が1人入れるくらいのカプセルのようなものがあった。

 青く透き通っていて、まるでブラックライトで照らし当てた水槽のよう。無駄な装飾はなく、カプセルの上に黒い石のようなものがプカプカと浮いている。

 それと全く同じものが左右に何百と並び、その前には2~3人の列が成る。

 リューイたちもそれに習って列に並ぶ。

 彼らの目の前ではこんな光景が繰り出されていた。



『――ワープ場所を指定してください』

「大等部2年β組教室前。転移」

『――承認しました。転移を始めます』

 ――シュイン



 1つのカプセルに入っていた男子生徒は、みるみると光の粒に姿を変え、一瞬にして散布してしまった。

 実は、消えてしまったと思われる男子生徒は転移したのだ。

 このカプセルを使用するには、先ほどの端末を所持していることと、様々な認証方法から1つ選出する必要がある。

 先ほどの男子生徒は指紋での認証していた。それが一番手っ取り早く、多くの人は指紋認証が主流となっている。

 他にも髪や瞳、全身スキャンでの認証方法などがあるが、それらの方法を用いる人はなかなかいない。13年間、この学校に通うリューイでも見たことがないので、よほど希なことなのだろう。

「全然進まないな」

「そうだね。いつもならサクサク進んでいくのに」

 リューイと亮介は、列がなかなか進まないことに疑問を抱えていた。



『――認証に失敗しました。あと一度認証を失敗すると、防犯セキュリティが作動します』

「あーもう! なんなのよ、このポンコツ! 2回目じゃない!」

 なんだ?、と周りの生徒たちとリューイはその声の発生源を確認する。前者が機械音声で、後者が女性の声。

 どうやらリューイたちが並ぶカプセルで、何やら取り込んでいた。全然列が進まなかったのもこのせいだったのだ。

 そのカプセルには、ほっそりとした小柄な体躯に、ふんわりとしたセミショートボブの女性がいた。

 女性の後ろには、悪魔の血が混じっている証拠である黒い尾が顔を覗かせる。

 その黒い尾は長い。おそらく純血の悪魔だろう。

 だが、純血の悪魔だからといって、恐ろしい角や牙、鋭く尖った爪や巨大な翼などはない。

 これらは戦争が終結を迎えた後に、使用することがなくなったため、退化してしまった。

 天使も同様で、今ではすっかり翼は退化してしまっている。だから天使も悪魔も人間も、見た目はそう大差ない。

 実際、目前の悪魔である女性の顔立ちは人間そのものだ。



 彼女は周りの目など気にせず、再び認証を試みる。

 彼女が右手を左から右にスライドすれば、指紋認証をするパネルが現れる。そのパネルに右手を静かに置く。

『――認証に失敗しました』

 少し間が空いた後に流れる認証失敗の機械音声。

「は、はぁ!? アンタ壊れてんじゃないの!? このポンコツカプセル!」

 リリアという女性は、心のない機械音声に向かって悪口を放つ。



 だがそれも虚しく、

『3回間違えたため、防犯セキュリティが作動します』

 と機械音声が流れる。

 すると、リューイが並んでいた列が、突然左右に分かれだす。後ろに並んでいた亮介までもだ。

 リューイはその行動が未だ読めず、一人その場で立ち尽くしていた。

 今では彼の前に人がいないため、彼女の姿をはっきりと確認することができた。興奮したのか紅く染まった頬、泣いているのであろう潤んだ瞳。でもどこか可愛げな雰囲気を醸し出していた。

 そしてその彼女とリューイは目が合ったその瞬間、

 ――ボンッ

 何かが飛ぶような音と共に、

「きゃああああああああああああああ!!!!!!!」

 とリューイに迫る女性。

「え?」

 と間抜けな声を出すリューイとの距離、わずか30センチ。

 もうこの距離では避られるわけもなく、

「うわああああああああああああああ!!!!!!!」

 勢いよく飛ばされた彼女と共に、リューイも後ろに飛ばされる。

 勢い劣らず事知らず、先ほど通ったマットの上を通過し、更に転移門の中にまで入ってしまった。

見たとこリリアはツンツンデレデレ略してツンデレ!ですね

ツンデレキャラを書くのはなかなか難しい……

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