一章-3
ここからは少し説明が長くなります。
どうか暇せず読んでいただけると嬉しく思います。
しばらく歩き、3人同時に立ち止まる。
「あー、今日も学校めんどくせぇー」
亮介はそうぼやくと、リューイたちの先陣切って歩む。
リューイとエミリはついて行くように、5メートルもの高さがある校門をくぐった。
歩く先にあるものは学校のはずだ。だがそれを学校と呼んでいいのだろうか。
今、リューイたちの目前にある学校――それは紛れもなく巨大なタワー。
だが、その威圧感はタワーというよりむしろ要塞と例えた方がしっくりくるだろう。
それは円形になっていて、直径は5、600メートルはある巨大な建築物だ。上を見上げても、その頂は確認できない。
それもそのはず、この学校は雲の上まで突き出ているのだ。
その理由は簡単。
雲の上の住人――主に天使でもすぐに登校出来るように、そういう構造になっている。
それでは地中に住む悪魔はどうなるのか。それも同じく、目には見えないが、実はこの学校は上に何千メートルだけじゃなく、地下にも何千メートルと続いている。
どれくらい階層が積み重なり、どの階層に何があるかなど誰もわからない。
こんなとてつもない学園を【ピース・オブ・バベル】と呼ぶ。ピースは平和という意味で、この学校は平和の主張として建てられたと言っても過言ではない。
この世界――リボルガルドには5つの学校しか存在しない。そのうちの【ピース・オブ・バベル】はリューイたちが通う学校である。
開校する前にあった学校はすべて廃校。
幼稚園から大学、専門学校までもが5つの学校と統合した。
この学園には入学式や卒業式といったものはなく、勝手に入って勝手に去っていくという具合である。
リューイは、どこか高圧的な雰囲気を醸し出す学校の敷地内をぐるりと見渡す。学校以外の施設はどこにもない、とても殺風景な景色である。
通り道にはアスファルトが敷いてあるが、その周りは芝が敷かれている。これらは植物にしか適用されない時間停止魔法を駆使して、枯れないように、かつ成長しないように施されている。
学校の壮大さと比べ、校庭はちっぽけなものである。
あまり校庭を広くしすぎても、玄関にたどり着くだけで骨が折れる。だからあまり広くはないのだろう。
その殺風景な校庭には、リューイたち以外に人はたくさんいる。
それもそのはず、リボルガルド中から登校してくるのだ。
体躯が大きい者、逆に小さい者もいて、明らかに年齢はバラバラである。そのおおよそは純血の人間で占めていた。
それは頭の上と尻を見ればひと目で確認できる。純血の人間には、天使と悪魔に比べると無駄なものがない。
天使の頭上にはエンジェルリングと呼ばれる輪が浮き、悪魔には黒くツヤのある尾が生えている。
〝人間と天使のハーフ〟は純血の天使ほどではない、小さなエンジェルリングが頭上で浮いている。
〝人間と悪魔のハーフ〟は純血の悪魔ほどではない、短かな尾が尻に付いている。
それらのハーフは、血が混合され、主張となるものが薄れているようだ。“闇天使”なのに、人間にしか見えないリューイは例外ではあるが。
そしてここは地上である。
地上に住む大半は人間や、そのハーフ。つまり、大げさにいえば人間しか住んでいない。
雲上では天使とそのハーフ、地中は悪魔とそのハーフという具合である。
こんな暇な説明文を読んでいただき、感謝の気持ちと涙しか出ません。゜(ノ∀`*)゜。
ありがとうございます!