4.少し多めでも
午後の静心堂薬局は、いつもより少し静かだった。棚の間を歩く足音も、カウンターの裏の紙の音も、全てがゆっくりに感じられる。
「……先輩」
小さな声が耳に届いた。振り返ると、高校生が待合の椅子に立っていた。制服は少し窮屈そうに見えるけれど、表情には自信があった。
「大丈夫?」私は微笑む。
彼女は頷き、視線を前に戻した。
待合の椅子の向こうに、もう一人の女性が座っている。
待合の椅子の向こうに、もう一人の女性が座っている。黒いセーターにジーンズ、髪は肩までのストレート。目は伏せられ、体も少し丸まっていた。
——境界性パーソナリティ障害。オーバードーズの既往あり。処方は1週間分。精神科には行きたがらない。
「私が……一緒に行きます」高校生が小さな声で言った。「え?」私は驚いた。「付き添うだけです」少し強めの声。彼女は、まるで自分が頼りになると信じているようだった。
女性はちらりと二人を見た。そして、わずかに肩をすくめた。「行きたくない…」小さく漏れた言葉は、ため息のようだった。
私はカウンターに立ちながら、袋に薬を詰める。「今日は、このお薬を使うときは気をつけてくださいね」そう穏やかに言う。高校生にも視線を向ける。
高校生は少し手を震わせながら、薬袋を受け取る。——心配そうに、でもやる気がある顔だ。
女性は少しだけ笑った。「本当に付き添うんですか?」「はい」高校生は迷いなく答える。「一緒に行けば、怖くないです」
女性は沈黙する。そして、ゆっくりと立ち上がった。細い腕が少し震えているのが見える。
「じゃあ……」足を前に出す。歩くのはぎこちないけれど、確かに前に進んでいる。
薬局のドアを出る前、高校生が小さな声でつぶやいた。
「……先輩も、ちゃんと飲んで」
私は少し驚く。——先輩?
高校生はちらりと私を見て、笑った。でも目は少し伏せている。「……私も、少し多めに飲んでしまったんです」
その言葉の意味を私は理解した。前の患者に影響されて、彼女は自分を守るための薬を少し多めにしてしまったのだ。
「大丈夫。今日は無理をしないで」私は優しく言った。高校生はゆっくりと頷く。
女性と高校生が清心堂薬局を出ると、静かな空気が残った。午後の光がカウンターに差し込み、紙の上に影を落とす。
——薬局は、今日も少しだけ誰かを支えた。自分のペースで前に進む人も、怖さを抱えながら歩く人も、ここで小さな安心を得ている。
高校生が少し多めに薬を飲んでしまったことも、きっと今日の一歩の一部だ。支えることは、完璧でなくてもいい。ただ、寄り添うだけでいい。
午後の静心堂薬局には、今日も静かであたたかな時間が流れていた。
たくさん、小説書くと頭痛くなります。
イブプロフェンは効かない…アセトアミノフェンはどうだろうか?あとは、ロキソニンか…病院行ってトリプタン系…最悪、頭痛外来かしら…
あと、目も痒くてたまに鼻水が出る。今までなかったけど、季節的に花粉症だ…眼科か耳鼻科行って抗ヒスタミン薬かな?良い年した大人だけど、たくさんの薬飲みたくない!




