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全員で地上へ!4

「地上のですか?」


:朗報!ユカリさん達、地上行きを決意する!


「なんで急に行きたいと思ったのですか?」

ユカリねぇねは急に変な事言わない。

多分じぃじのため。

「理由ですか?1番の理由はおじいちゃんを家族の元に帰したい事です。50年間私達の為に人生を犠牲にしてくれました。ですが今では体を起こすことが出来ないくらい衰弱しています。もしかしたら明日死ぬかもしれない体です。もし寿命で死んでも遺灰だけは家族の元に帰したいからです。2番目は私達も地上・・・日本を見てみたいからです。おじいちゃんの口から話される日本は素晴らしいものから暗くて汚いものいっぱいありました。」

「私!お空見たい!」

ずっと見たかった!青い空!

「俺は美女に会いたいな!」

ハルコねぇねがバサラにぃにの頭を叩いた!

「私は洋服を見てみたい。」

マユねぇねがモジモジしながら言った!

マユねぇねずっと気にしてたの知ってる!

「ワシは家を建てたいのぉ。」

ヤスケにぃに、じぃじが言ってたよく分からないお家の建て方をやってみたいって言ってた!

「私は〜他のダンジョンに〜行ってみたいかな〜。仲間に会いたいんだ〜。」

エミねぇねはたまに呟いてた!

「私は早くお腹の子に会いたいわ。ダンジョンだと危険がいっぱいだから。」

「それは私もですよハルコ。」

ハルコねぇねとユカリねぇねは自分のお腹をさすった。

私も赤ちゃん早く見たい!


:早く来て下さいい!近場を案内するよ!


:マユさんのスパイダーシルクって着物とかに使えるかな?


:金澤って加賀友禅とかあるんだっけ?俺他県民だから加賀市にあると思ってたわ。


:まぁ名前からして加賀市にあると思うよな。


:クオンちゃん!空は青かったり黒かったりするよ!(子供目線)


:バサラさん!結婚して!


「わわっ!?コメント欄一気に流れた!誰か分からないけど案内するって言ってます。」

「それは嬉しいですね。」

地上わくわくする!

ん・・・じぃじが微かに呼んでる声がする。

「ユカリねぇね!じぃじがみんなを呼んでる!」

「おじいちゃんが?分かりました。すぐに向かいます。」

ねぇねとにぃに達が椅子から立ち上がってじぃじの部屋に向かった。

私はリオンの手を引いてじぃじの元に向かう!

「わ、私も行くの?」

「じぃじがみんなって言った!」

「それって家族全員って意味じゃないの!?」

もんどーむよー!

私とリオンはじぃじの部屋に入った!

みんなじぃじのベッドを囲んでる。

「みんな来たか?」

さっきより弱くなっているじぃじの声。

「はいおじいちゃん。」

じぃじ、分かるよ。もう命短い。鼓動が小さくなってる。


:なぁやばくないか?小嵐さんこのままじゃ家族の元に帰れないだろ?


「話は聞こえてた。地上に行くのか?」

「はい。クオンがリオンさんを拾ってきました。彼女を起点に人間達とうまく交流をしていこうと思います。」

「なんか私すごく重要な事に巻き込まれてる!」


:w!めっちゃw


:リオンちゃん出世おめでとう!今日から君は異世界交流会の主任だよ!


:アイドルから本当に出世しておじさん嬉しいよ(涙


:リオンは渡さんぞ!『マネージャー』


:マネージャー復活した!もう見れないかと思った!


「そうか、リオン・・・ちゃんでいいのかい?」

「は、はい!アイドル!シャイニースターズの椎名(しいな)リオンと言います!小嵐哲男さん!初めまして!趣味はダンジョン配信と体を動かす事です!」


:誰もそこまで自己紹介しろと言ってないんだが面白いからいいや。


「50年前の決死隊とは知らず挨拶が遅れて申し訳ございません!皆様のおかげで私達はダンジョンに潜る事が出来ました!ありがとうございます!」

リオンがすごく緊張してる!

「そうか、50年前なら危ないと言えたが時代は変わるもんだな。リオンちゃん。出来たらこの子達の友人になってくれないかい?地上ではリオンちゃん以外に知り合いは居ないから。ワシの実家に行っても迷惑なだけだろうしね。」

「クオンはリオンの友達だと思ってる!」

「そうかい。クオン。友達はいいものだ。仲良く食い歩きをしてもいい。ダンジョンに潜ってもいい。歌を歌ったりゲームしたり勉強したり。たまに喧嘩したり仲直りしたり。いいものだぞ。大切にするんだ。」

「うん!」

じぃじが少し笑った気がする。

「わ、分かりました!シャイニースターズのみんなも巻き込んでクオンちゃん達をサポートします!」


:リオンちゃん!マネージャーに確認!いや社長に確認しないと!


:やべぇ!暴走リオンじゃねーか!


:これ見てるシャニスタメンバーも絶対にツッコミしてるだろ?


:わ、私の胃に穴が・・・『マネージャー』


「ありがとうリオンちゃん。ユカリ。分かると思うがワシは明日まで持たない。だから皆に伝えたいことがあるんじゃ。」

「遺言・・・ですね。」

「あぁ。まずはユカリ。君からじゃ。初めて会った時に警戒されて魔法を放たれた。だけどそれから共に過ごして仲良くなり背中を預けることができる仲間になった。それに君からの告白は嬉しかった。」

ユカリねぇね、じぃじに告白したんだ。


:マジかよ。告白されてたんか。


:そりゃぁしばらくダンジョンで2人っきりだったんだろ?そりゃぁ色々なハプニングがあるだろう。


「もう昔の事です。あの時助けてくれたおじいちゃんが私から見たら白馬の王子様でしたから。それと同時に離れたくないっておじいちゃんに依存していたから。おじいちゃんが奥様一筋だからと断られた時はショックだったけど今なら分かります。夫が他の女性に取られるのはいい気分じゃありませんね。」

「それさえ分かれば大丈夫じゃな。ユカリは最年長じゃから溜め込む時があるからな。それが心配だったが、ヤスケなら大丈夫だろう。ヤスケと幸せになるんじゃぞ。心残りは2人の子が見れない事か。」

「その時はお墓に我が子を夫と一緒に連れて行きます。」

「そうか、それは楽しみじゃ。」

じぃじがユカリねぇねの頭に手を乗せて撫でた。

「ありがとう。家族になってくれて。」

「私もありがとうございます。家族にしてくれて。」

ゆっくりとじぃじは手を離すとユカリねぇねが椅子から立ち上がってお部屋の隅に行った。

泣いてる。ユカリねぇね。

「次はエミ。」

「はぁい。」

エミねぇねがゆっくりとじぃじの近くの椅子に座った。

「ワシの我儘で長い間ダンジョンに閉じ込めてすまなかった。出会いは最悪だったな。」

「そうだよ〜。ボスを倒せる人なんて私は一捻りなんだよ〜。だけどこの生活は私は好きだよ〜。哲男さんも本当は優しい人だってわかったし〜。」

エミねぇね声が震えてる。

「そうか。それはよかった。ずっとエミに憎まれている。恨まれていると思っていたからな。」

「そんな事ここで生活していて忘れたよ〜。」


:あかん、エミちゃんの震える声で泣きそうになる。


「エミ、君はユカリ達のサポートをしっかりしてくれた。時にワシのサポートもしてくれた。ユカリとは違う方法でみんなを支えてくれた。ありがとう。地上に出たら他のダンジョンの妖精に会いに行くんだろう。」

「うん。そして自慢するんだ〜。ダンジョンで大好きな家族と一緒に家を建てて暮らしたって〜。そしてそれが・・・1番幸せだ〜!って。」

「そうだな。ワシも幸せだ。ありがとう。」

じぃじがエミねぇねの頭を撫でた。

しばらくしてじぃじが手を下ろすとエミねぇねが立ち上がってユカリねぇねの所に行った。

「次はハルコ。」

「はい。おじさん。」

ハルコねぇねがじぃじのベッドの近くの椅子に座る。

「追い出された直後に出会ったから人間不信だったハルコ。それでも共に過ごしてくれてありがとう。よくユカリと喧嘩したけどな。」

「本当よ。よく追い出されたばかりの私に対して一緒に来ないかと言えたもんだったわ。おまけにエルフや妖精が居るしダンジョンで家を建てるからこの人何してんだろうって思ったわ。ユカリはあなたの事になると融通が利かないしエミはたまにあっ!間違えた〜と言ってヘマをやらかすし。初めは貧乏くじを引いたと思ったわ。でもね、それと同時に温かかった。城は王位争いで味方は居なかった。みんなお腹の中が真っ黒だった。でもこの家族は喧嘩とかしたけど絶対に裏切らない!それがわかったから・・・それにナンパばっかりだけど旦那が出来たし子供ももうすぐ産まれる。追放したあの馬鹿達に言ってやりたいわ!追い出された私は今幸せだって!」

「そうか。幸せか。よかった。ハルコ。初めは王族だからここでの生活はやっていけるか不安だったけど君は負けず嫌いだった。だから努力して覚える事は覚えていった。特に家事はワシやユカリより上手になった。その負けず嫌いで努力家な所はハルコのいい所だ。ただたまに出てくる高飛車な所は治したほうが・・・無理か。」

「大きなお世話です!」

じぃじがハルコねぇねの頭を優しく撫でた。

「おじさん。お腹も触って。おじさんが助けたからこの子が産まれるんだから。」

「いいのか?」

「うん。旦那もおじさんなら大丈夫だって。」

「そうだじっ様!他の男なら殴ってやるがじっ様なら許可してやる!」

「ありがとう2人とも。」

じぃじの手がハルコねぇねのお腹を撫でる。

「やっぱり心残りはユカリとハルコの子が見れない事か。」

「ユカリも言ってたけど産まれたら墓に見せに行くわよ。もしかしたらバサラが他の女性を引っ掛けて更に子供が増えるかも知れないけど。」

「それは楽しみじゃな。ありがとうハルコ。」

じぃじがハルコねぇねから手を離した。

ハルコねぇねがゆっくりと立ち上がってユカリねぇね達の所に向かった。

・・・涙流してた。

ハルコねぇねの涙は初めて見た。

「バサラ。こっちに座ってくれ。」

「よし来た!」

バサラにぃにが椅子に座った。

「バサラ、家族になってくれてありがとう。初めて男家にワシ以外の男が来たから嬉しかった。だけど荒れていたから何度も投げ飛ばしたな。」

「そうだぜ!初めはなんだこの人間って思って一緒に過ごすかって聞かれて誰がなるか!と殴りつけたらあっさりと投げ飛ばされて!頭に来たから更に立ち向かって投げ飛ばされて気絶して。気がついたらハルコが目の前で俺を看病してたから思わず抱き寄せて俺の女になれって言ってしまったぜ!その時のビンタはめちゃくちゃ聞いたぜ!」

「あの時の頬の紅葉はそんな事があったのか。」

「そうだ!その後ユカリを見て俺の女にならないかと言って殴られたしエミを見て俺の子を産んでくれと言ったら無言で魔法を唱えてきやがった!そしてじっ様が現れて殴り掛かったらユカリが俺を殴ってくるし訳わからんだ!だけどじっ様は何度も俺の相手をしてくれたし俺に合った戦い方を教えてくれた!ユカリやハルコらは警戒してたけどなんだかんだ仲良くしてくれた!」

「あんた口では俺の女になれやら子を産んでくれやら言うけど絶対に手を出して来なかったからよ。ユカリとエミにその事で相談したら無害だとわかって警戒するだけ無駄だとわかったのよ。」

バサラにぃにはヘタレだった。

「うるせぇ!だけど最終的にはハルコが俺の女になってガキをこさえてくれた。すげー嬉しくて何度もキスしたな!」

「暴露するな!」

バサラにぃにが笑う。でもやっぱり声が震えてる。

「・・・バサラ。今は幸せか?」

「当たり前だろじっ様!俺はじっ様の家族になれて幸せだ!反抗的な俺を拾ってくれたじっ様に!初めは何にも役に立たなかった俺を受け入れてくれたハルコ達にめちゃくちゃ感謝している!俺からも言わせてくれ!ありがとう!」

「あぁ。受け取ったよ。バサラ。」

じぃじはバサラにぃにの頭を撫でた。

「うぅ、うぅぅぅ!」

バサラにぃにが泣いた。

じぃじが言ってた。鬼の目にも涙って。

じぃじがゆっくりと手を下ろすとバサラにぃには椅子から立ち上がってハルコねぇねの所に向かった。

ハルコねぇねはバサラにぃにを抱きしめた。

「次はマユ。」

「はい。おじ様。」

マユねぇねがじぃじのそばに近づいた。

「マユ。家族になってくれてありがとう。初めてマユを見た時は驚いた。アラクネが居るなんて。だけど話は通じた。それにマユは泣いてたから。だから家に連れて帰った。」

「あの時のおじ様の顔は凄かったね。初めは私は不安だった。上手くやっていけるかなって。何度も失敗した。罠も成功しなかった。だけどみんなは私を責めなかった。それどころかこうしたほうがいいとアドバイスをくれた。それに私の糸で服を作る事を教えてくれた。私は役に立てた。私を追い出そうとしなかった。それが嬉しかった。だから故郷のみんなに言いたい。私はもう役立たずじゃないって。だからおじ様。家族にしてくれてありがとう。」

じぃじは頷いてマユねぇねの頭に手を置いて撫でた。

少しして手を離したじぃじ。

マユねぇねはその場から動いてユカリねぇねの元に向かった。

「ヤスケ。来てくれ。」

「うむ。」

ヤスケにぃにがじぃじの近くの椅子に座った。

「ヤスケ、家族になってくれてありがとう。ドワーフとして自信を失っていた所をワシが声をかけた事が出会いだったな。」

「そうじゃ。鍛治が出来ないドワーフはただの酒飲みなのに爺さんは受け入れてくれた。それで物をよく壊すバサラの物を修理していたらいつも間にか修理屋みたいな事をしていた。だが悪くはないと思う自分もおった。それにユカリという妻を得た。爺さまに声をかけてくれたからワシは生きる気力を得た。こちらこそ感謝をする、ありがとう、爺さま。」

「ワシもだ。ヤスケ。」

じぃじはヤスケにぃにの頭を撫でた。

しばらく撫でた後じぃじは手を下ろした。

ヤスケにぃにはゆっくりと立ち上がってユカリねぇねの所に向かった。

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