4話「死の抱擁」
なんだ…此の状況は…。そう僕は、事務所の応接用テーブルで、食卓を囲みながら、
二人の姿を見る。
眼の前で、適当に切られた食材と、牛肉らしき肉をさっと焼き、用意していた
割り下で、ぐつぐつと煮込む。
眼の前で甲斐甲斐しく、調理するその人は、口裂け女、改め、咲姫さん…。
火が通った肉や具材を、悪次さんの溶き卵が入った受け皿にポイポイと入れていく。
なんか、行列で並んでいたのは…すき焼きの具材買ってたんだろうなぁと思ってたけど、
僕たち、いや、悪次さんと一緒に食べる為だったのかな…。
この肉、牛肉で良いんだよね(汗)?
それを知ってか知らなかいか、無表情で、ムスッと、しながら、悪次さんは、
食べている。
う~ん、ままよ!!
パクっとよそって置いた具材を、何かの生物の肉を頬張る。
うむむ、美味しい!!
ホクホク顔で食べていく。
「あーそう言えば、新しい依頼って来ましたか?」
「そうだなぁ、一応猫の手の噂が広まって、あれ以来、依頼は来てる。」
「但し、小学生からばっかりじゃ、金が取れん。子供は学生割引で、せいぜい一案件500円だな。」
「其ればっかり来てもしょうが無い。手間とコストがかかりすぎる。」
「せめて噂を流すなら、高校生以上か大人にしておけよ?」
「大人なら正規の値段で吹っかけられる。」
でも、悪次さん、親御さんからも、なんだかんだ言って割引価格にしてたよなぁ。
「て言っても、居なくなった猫を探すぐらいなら、悪次さんのアレで、簡単に見つけられるのでは?」
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
【邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔】
めっちゃ睨まれてるし、視線が刺さる。
具材を載せた茶碗を抱えて退散しようとする。手を無言の悪次さんが引き止める。
目で何を言っているのかが理解る。【逃げるな。お前も此の席に一緒に居ろ!!!!】
押し出された無言の圧力で板挟みになりつつ、僕は、ご飯をたぶる。
んー美味しいなぁ。何の肉か分からないけどね!!!!
・・・
・・・
・・・
食卓が終わると、どこからともなく一陣の風が吹いて、舞うホコリで目を瞑ると、
それまで一緒に居た、咲姫さんの姿が見えない。
あれ?どうしたのかな?って思っていると、悪次さんは、慣れた手付きで、
食事の後片付けをし始める。
「さて、これでお開きだ、明日から、舞い込んできた。依頼が何件かある。」
「断ったら信用問題になるし、お前も働け。」
「明日も仕事だし、はよ帰って寝ろ。じゃぁな」
と、別れの言葉を告げられ、僕も事務所から帰路に付く。
未だ電気が付いてる事務所を見上げながら、そう言えば、悪次さんってどこに住んでるんだろう?
帰り道にも、未だに行列が出来てる。此の行列いつ途切れるんだろうか?
心なしか、僕の事を見ている様な視線と言葉を感じる。
【善児くんだ…】
【善児くんだ…】
【善児くんだ…】
【善児きゅんだ…ソワソワ】
なんだろう、この声?この機を気にせず。そのまま帰る。
次の日、朝早く起きて、働きだしてから始めたトレーニングを済ませ、
趣味の日課である街のゴミ拾いしていると、
いつもの通り、一緒にゴミ拾いしている赤松さんに、おはようございますと、挨拶をする。
そしてその場を辞して。
早朝の街で耳をすませる。街の喧騒も静まった中、電車を揺らすレールの音を聴く。
今日も異常なし、世は全て事もなし。
「いただきます!」の一声を告げ、近場の大衆食堂で、焼き魚の定食を
頬張りつつ、定食屋のおばちゃんの話に耳を傾ける。
「まったく、毎日毎日、焼き魚定食で飽きないのかね?定職に付いたらしいしもっと他の物も食べれば良いのに?」
モゴモゴ、と咀嚼しながら、
「エー奮発して、納豆も付けてるよ~♪それにおばちゃんの魚定職が最高なんだぁよぉ~」
「そりゃそうかい?」
いつもの通り、ゴールデントライアングを形成しつつ具をおかずに、飯をかき込む。
ほっぺたにご飯粒をつけるのも厭わずに、実に美味しそうに食べる。
たほたほと、にこやかな表情を浮かべ、残りの白飯を次々と片付けて行く。
「おばちゃん!ごちそうさま!」
そう言って、お代を払いつつ、大衆食堂を離れて、そろそろ出社の時間だな?
と、でもちょっと今日は違うことをする。
日常に潜む非日常を僕は、朝の人波をイルカの様に泳ぎ切る。
程々な長さでラフに流された栗毛に、髪の所々に適当なツイストウェーブを湛えた無造作なマッシュ。
表情は人の良さそうでいて朗らかさが有りつつ、それでいて垢抜けない。
そしてほんのり、鋭さを備えつつ、そのほっぺたは。ぽやぽや~としている青年は
フリフリと髪を振り乱しながら
街の喧騒の中で、何かを聞き取り、音が聴こえる場所へと向かう。
「(。´・ω・)ん?どないしましたとですか?」
「えっ?どうもしませんけど?」
大音量で音楽を聞き続け、ギターケースを背負い髪の毛先付近を赤く染めた女性が一人。
イヤホンから音が漏れ続けるその姿を見て、僕は思う。大丈夫かな?
続く視線の先の姿は、スラリとした手足と、大きめのサングラスに、帽子を目深に被り、
顔の輪郭から、きれいな顔貌が想像できる。
どこかで見かけた様な気がするけれど…
やはりなにかの違和感を感じる。
「あの~。やっぱり、どこかおかしくはないですか?」
と、自らの耳を指さして、指摘する。
「病院行った方が良いですよ。多分、貴方の耳の何かが悪いと思います!」
突然話しかけられて、イヤホンと耳から外して答える。
【えっ何この人?いきなりなんだろう?新手のナンパか?何かの勧誘かしら。それともファンかしら?】
「お気になさらず、私は大丈夫です。」と、いそいそとまた、イヤホンを装着し、
喧騒の中に紛れて去っていってしまう。
「ああ、もう!!!」と、どうするか迷いつつ、女性の後を追いながら
携帯で、悪次へと電話する。
「もしもし、善児か?なんだ?」
「あの、すいません。ちょっと野暮用ができてしまったので、遅れます。急ぎの要件ってありますか?」
常在戦塵(いつも其処に居る)
何かがヒリつく感覚がある。
「あ~特にないな。今入ってる案件も逃げ出した猫の捕獲だし、俺一人でもどうとでもなる。」
(。´・ω・)ん?
善児は違和感を感じるも、後半の言葉に嘘がないことを感じ、気にしないことにする。
「あッはい!!!ありがとうございます!!!」
そう行っていそいそと、走り出す。
「何の話だったんですか?」
「ああ、気にするな、で?要件はなんだ?メリーさんの電話だったか?」
「そうです!そうです!メリーさんの電話です。」
「口裂け女を解決した猫の手さんに、是非とも解決して頂きたくて!!!」
やれやれ、善児の流した噂から聞きつけて、来た客か?まだ小学生だし、
学校の授業は?どうしたんだと言いたいが、恐らく何かに急かされて、ここに居るんだろう?
「で、そのメリーさんの電話ってなんだ?」
それはこんな話しだった。
ある少女が引越しの際、古くなった人形を手足を処分しやすくバラバラにして捨てると、
その夜、少女に電話がかかってくる。
「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの…どうして私の手足を切ったの?」
少女が恐ろしくなって電話を切ってもすぐまたかかってくる。
「あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの…もうすぐ逢えるね?」
そしてついに「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの。玄関のドアを開けて?」という電話が。
怖くなった少女は思い切って玄関のドアを開けたが、誰もいない。やはり誰かのいたずらかとホッと胸を撫で下ろした直後、またもや電話が…
「あたしメリーさん。今 あなたの後ろにいるの」
※wikiより抜粋
そう言って、少女が振り返ると…刃物を握った人影が、恐ろしげな髪を振り乱し
斬り掛かってくる。
そこで少女は、滅多刺しにされ、手足も人形と同じ様に切り取られ、
今も半身不随のまま、意識不明だそうだ。
だが、其の話しには続きがあって、この話しを書いたメールを受け取ると、
次の誰かにこの話しのメールを送らないと、自分も同じ目に合うという…
「はぁ~よくありがちな怪談ばなしだな。気にせず無視してれば言いだろ?」
「それでどうした?」
「それは私もそう思ったんですけど…。」
「同じ被害にあった人達が…。何人も居るって噂を聞いて…。」
ある人は、刺されて、そのまま入院。
ある人は、腕を切られて、二度と大好きなピアノが弾けなくなった。
ある人は、光の届かない闇に連れて行かれた。
ある人は、命を落とした。
小学5年生ぐらいの少女が、語り始める。
「そして私にも其のメールが届いて…どうせ誰かの悪戯だろうと思って居たんですけど…」
「同じ電話が掛かってきたんです…」
「そうか?だが其の話しは可笑しくないか?」
「電話を受け取った人間が無事じゃなかったら、その経緯が理解るはずがない。」
あとは、考えられる理由は…恐らく…
「えっそう言えば?!そうなんですけど?!でも…不安で…」
「不安であれば其のメール俺の携帯に転送して見ろ。」
「結果は追って連絡する。依頼料は…」
~街にて~
ビルが立ち並ぶを道を進んでいく善児は、ギターケースを背負う女性の後を追うと、
どこかの音楽スタジオらしき建物に入っていく。
あっ亜希ちゃん、亜希ちゃん来た来た!!!
「あー佐々木さん。どうしました?」
「どうしましたじゃないよ?一応、有名人なんだから、電車じゃなくて車で移動しようよ?」
「迎えに行くから!!!」
【困るんだよなぁ。電車で何かあったら責任問題になるし…】
「あー電車乗るの好きだって言ってるじゃん?風景を眺めながらボーッとしてると良い歌詞が思いつくんだ」
【一郎さんは心配性だなぁ。あーレコーディング、憂鬱だなぁー。最近音程が外れてるし、調子も悪いんだけど、誰も指摘しないから、気の所為かもしれないけど?】
【喉の調子は良いし。早く家に帰って、ヌッコを吸いたい。ヌッコのヌー娘は、最近体重増えてきたし、ダイエットさせないと。】
【今日やる収録予定の唄より、温めてた「…」をやりたいんだけど、マネージャーが許してくれない…憂鬱だな。】
(。´・ω・)ん?
あれれ、なにやら困ったな。もしかして、一般人じゃない系?なのかな?気になった事があるから、
教えてあげたいけれど…いきなり行っても、変なファンか、ストーカーだと思われて話しが通じないかも?!
どうしよー?!
こんな時は悪次さんならどうするかなぁ?
そんな思考に包まれながら、善児は思案する…。
ややあって、小難しい事は考えずに、一点突破で、直接話しかける。
マネージャーさんも居るみたいだし、まぁ、なんとかなるか?ままよ!!
「やぁやぁ我こそは、中道善児と申します!!!!」大音量で奏でられる。
その声に、ビックっとして佐々木と亜希が驚く。
あんたは?さっきの
「なになに?困るなぁファンならルールを守ってくれないと、出待ちは禁止だよ!」
「ヌッコ吸いたいですよね~ヌー娘さんは、お元気ですか?」
「佐々木一郎さんもお初です。」
Σ(゜Д゜)
Σ(゜∀゜ノ)ノキャー
「何の話だ?なんで私の名前を知ってる。」
「あのですね。僕は、こういうものなんですが…と?!」
名刺を取り出し、渡す。
二人で一匹の探偵です!!貴方の悪事お受けいたします。怪しくないよ!!!
探偵だから、何でも知ってるよ!!
いや怪しさ爆発だろ!
~そのころ事務所では~
依頼人が帰ったあと、
髪は相変わらずのくせっ毛に、ボサボサ頭の寝癖。
その表情は、青年から壮年にかかる筈なのに、何故か若く見える童顔?なのか、
貫禄とか大人の男性とは、見えない。
表情は暗く、顔もどこにでもいそうで居て、どこにも居ない。
特徴はあるはずなのに何故か、影が薄そうで、人混みに紛れたら、どこに居るか分からなくなる。
そんな特徴のない顔のままインスタントコーヒーを飲んでいると
ん?唐突に携帯の着信音が鳴り響く
「もしもし…?」
「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの…」
「あーそうか…あんたが噂のメリーさんか?要件はなんだ?」
キッン
ブツッと音を立てて通話が切れる。
めんどくさいが、受けた依頼だ。仕方ない。対応するかと、携帯電話をぶん投げて
事務所のソファに身体を埋めてインスタントコーヒを飲み、だらだらと時間を潰す。
善児から暫く休ませて欲しいと連絡が入り、
数日が経つ、特に進展がないまま、別行動中の善児の様子を知るために、
電話を取る。
メールをチェックして、状況を把握して返信する。
するとややあて、携帯に着信音が鳴り響き…
「あたしメリーさん。何で電話に出てくれないの?グスッ」
「あー悪い悪い。家に忘れてきた。」
パリッ゙ン
硝子が割れるような音と伴に、どこかで何かが砕ける音がする。
何もない空間が割れ砕け、我はそれを行使する。
俺には軌跡の様な奇跡も何も起こせないが…
言葉の弾丸に撃ち抜かれ、堕され、撃墜し、
狂える其の心を斬って落としていく。
まぁ、家って言っても、普通に事務所に住んでるんだがな…
「なんで、電話の近くにいないの?グスッ」
「いや、単純にめんどくさかっただけだ。他意はない。要件はそれだけか?じゃぁな。」
パリッ゙ン
硝子が割れるような音と伴に、叫び声が上がる
「アッ?!」
ブツッっと通話を切り、いつもの通り、手提げ金庫の遮断君1号に携帯を納めて、
相手の出方を伺う。まぁ、暫くの間はこのままで良いな。
そして、時々思い出したかのように、電話を取り出し其の通話に耳を傾ける
「あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの…なんでいつも電話に出てくれないの?グスッ」
「あーそうか?ついでに、シガーレットチョコでも買ってきてくれ。」
パリッ゙ン
硝子が割れるような音が鳴り続き、其の動きを縛る。
ブツッ
~放置プレイ中~
「あたしメリーさん。あなたの家が分からないの。迷子になっちゃった。グスッ」
「あーだろうな?」
(事務所の周りには、依頼人以外、事務所にこれないようにガジェットを所々に、建材や設置物に偽装して巻いてるからな)
(敵意や害意がある奴は、そもそもここにたどり着けない。)
「タバコ屋の角を左に四回曲がれ曲がれば、良いぞ?」
パリッ゙ン
何この硝子の割れる音?!!!
「うん、理解った。今行くね」
プルルル
「あっ?なんだ?」
「あたしメリーさん、同じところをグルグル回ってるの…。グスッ」
「俺の家は…だぞ。」
パリッ゙ン
身体が重い…
「(。´・ω・)ん?」
・・・
・・・
「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」
「あーすまん、今家に居ない。」
パリッ゙ン
硝子が砕け、反抗心が瓦解する。
(家には滅多に帰らないし大体事務所で暮らしてるからな。)
「あたしメリーさん。どうしてタイミング合わないの…グスッ」
仕方ないなぁ、と、一言言うと、
「客としてくるなら着てもいいぞ?」
何かがカチリと動作する音が響く
「これで迷わないで来れるぞ?」
パリッ゙ン
心が砕け敵愾心がぐずれる音がする。
「ありがとう!!!(´;ω;`)」
「あたしメリーさん。今 あなたの後ろにいるの!!!!!!!!!!!!!!」
…あれ?
そこには人影が立っているが、突き刺した刃物に肉を貫いた感触が無い。
マネキンにコートが掛けられていただけだった。
常在戦塵(いつも其処に居る)
「そうか?俺は悪童悪次。メリーさん。今、貴方の後ろに居るの。」
パリッン
続く、口撃の言霊に撃たれ、言葉が物理的な痛みとなって突き刺さる。
~チキチキ、となりのストーカーバトルの幕が上がる~
時間はしばし戻る。すき焼きを囲む前に、
本棚の裏の隠し部屋で、ガジェットの仕組みについて、悪次から説明を受けていた。
「そう言えば、悪次さん?このガジェット達ってどんな仕組みなんですか?」
善児は、悪次に頼んで、ビリビリ君と圏魂君の改修を頼む。
圏魂君は、一発投げたら終わりで、どうにか何度も使えるような飛び道具にして貰えないかな?と
要望を出すと。なら、手元に戻ってくれば良いんだろう?と、
内部機構をむき出しにして、各種ギア、悪次さんは戦輪機構と名付けたその機構に
1つギアを付け足していた。それで何が変わるのかと?疑問に思ったが、
悪次さん曰く、これにより命中した瞬間に衝撃吸収機構と戦輪機構が噛み合い。
取り付けた飛去来器翼により手元に戻ってくるはずだと?
そんな馬鹿な?単純な機巧だけでそんな奇行が可能なのか?
ついでに、戻って来る圏魂君を受け取る為に、ビリビリ君も1号から2号へと、
改良を加えスタンナックルから、多目的手甲へと進化させる。
まぁ、使い道はおいおいだなぁ、
続いて机の上に乗っているガジェット達を見て、疑問に思って質問していく
遮断君1号…電波や通信各種etcを遮断して、格納する箱
うん、これは理解るそういうのあるよね。多分、電波を遮断する素材使えば出来るよね?
伸縮防刃繊維パーカー・・・生地が伸縮する。防刃防弾の生地で作られたパーカー
うん、これも、実際にあるよね生地が伸びるような感じの服。
着やすいし、伸びるけど、弱点は伸ばしすぎると構造上の問題で縫製部分が
解れる可能性があるぐらいだけど、
これはありそうだね。
俺はこれをダブルパーカーで着る。
ダブルパーカー?!
説明しようダブルパーカーとは、パーカー付きのの上着をパーカーの洋服の上から着ることだ。
俺はよくこれをする。
それってダサいのでは?
逆探機能付き携帯、君の隣0号《試作品》・・・誘拐事件があったので試作してみた他の機械との兼ね合いで、完全なものは作れて居ないが、相手の掛けてきた番号ぐらいは把握できる。精密機械は、調整が難しいからな。
便利だな?!
千客万来、拒み猫2号
・・・
・・・
何かに困ってる人間を半自動的に誘引して、依頼者を連れて来る。
そして敵意や害意を持った第三者を、遠ざけて近寄れなくするガジェット
これは、近所の建物の建材や看板や道路標識にそれとなく設置してる。
「お前には話してなかったが、此の事務所の近辺には、何かに困ってる依頼者が居ると、
半自動的に、此の事務所に向かって歩いてくる、仕掛けがしてあるから、本当は、依頼の宣伝をする必要は、無かったんだぞ?」
「えっーーーーーーーーーーーー聞いてない?聞いてない?なにそれ?!なにそれ?!なにそれ?!なにそれ?!」
(。´・ω・)ん?
ちょっとまって、科学技術のガジェットの範疇それは超えてないかな?XーIX多目的特殊警棒も、なんか機能に比べて、体積と形状がおかしいし?!
スケープコート・・・マネキンか何かに着せて置けば、自分の身代わりとして、 視線と意識を集中させる事が出来るコート
ねぇ、やっぱりおかしくない?その機巧?!科学技術との乖離がしゅごぃ?!《語彙消失》
「あーそれはな…」
「あのですね。僕は、こういうものなんですが…と?!」
名刺を取り出し、渡す。
僕らは猫の手。二人で一匹の探偵です!!貴方の悪事お受けいたします。怪しくないよ!!!
探偵だから、何でも知ってるよ!!
いや怪しさ爆発だろ!
佐々木と、亜希の二人は訝しみながらそのほやほやとした
ツイストウェーブを湛えた無造作なマッシュ頭の青年に向かって答える。
「いや、別に探偵さんに頼見たいことなんて無いんだが?」
とかなり怪しく指摘する
「もしかして浮気調査?!でも結婚してないわよ!!それとも週刊誌の取材?!?!」
いやいやとブンブかブンブンと顔を振ってそれらの可能性を否定する。
「あのですね。僕、耳が良いんですけど、ちょっと貴女に気になる事があってですね。」
「もしかしてですが、耳悪くしてないですか?イヤホンから盛大に音漏れしてるのに気づかないし」
「大きい音量じゃないと音楽聞けないって事は…もしかしたら何かの病気かも知れない?!なので早めに病院へ行ってください。」
僕の要件は其れだけです!!!!それに何か調子が悪いの自分でも気付いてますよね?と
念押しの一言を付け加える。
一体何の話ですか?こっちは収録の予定が詰まってるんですよ!?と佐々木は、詰め寄るが…
「なんでアンタ其の事を知ってるんだ?!イヤホンから聴こえる音だけでだと…?!」
「根拠は其れだけなのか?」
はい!そうですと、更に念押しの一言を付け加える。
「ちなみに、前に同じ指摘した人は、突発性難聴でした。」
お気をつけくだたい!!と、わずかに舌を噛みつつ、私見を加味する。
信じるか信じないかはお任せシマウマ。マントヒヒーン!!!
そう言って立ち去ろうとする。其の後ろ姿を棒立ちで見送る。
よし!これで、指摘をしたし!と、事務所に向かうべく街を歩いていると、
近くで杭打ち工事の音が聞こえてくる…。
(。´・ω・)ん?
おやぁ?最近珍しいな。ひさしぶりに見る。
ゴォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん
ゴォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん
ゴォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん
と打ち鳴らされ、ふむ、珍しいし偶には音を聴いておこう。
最近は市街地での打撃工法は、見られなくなって久しい。
(。´・ω・)ん?おやぁ、おかしいなぁ途中で止まっちゃた。
また気になるなぁ?これ多分そうだよね。
そそそそっと、壁で囲まれた工事現場の出入り口に首をだして、中を伺うと、
チョトマテクダサイと、警備員が止めに来る?
(。´・ω・)ん?違うよ違うよ違うよそうじゃない。杭のお歌が途中で止まってる。
地盤にちゃんと喰い込んでない!もうちょっと撃ち込まないとダメダメだよ?
警備員の人は何を言ってるんだという顔でこちらをみてくるる。
取り敢えず、警備員さんに、作業員へと伝えて貰う。
地盤に食い込むと音がもっと違うんだよ?
そんな押し問答をしていると、携帯に着信音が響く。
あっいけね?!音を聴いてたらこんな時間に、悪次さん怒ってるかなぁ?
と思うと、見慣れない番号からの着信。
「もしもし…。」
「あっ猫の手さんですか?私、先ほどお世話になった。佐々木です。はぃ」
なんだろう?さっきのお礼かな?
お礼は別に良いですよと、お仕事行かないとと辞しようとすると、
呼び止められる。
「ちょっと待ってください。指摘された通り、うちのAkiに病気が見つかりました!!!ありがとうございます。」
「つきましては、ご相談が…」
「えー僕、お医者さんじゃないから、特に病気の治療とか出来ないよ~。」
「いえ、そういう話しでは、無く。メリーさんってご存知ですか?」
ん~ん、これは数日この件に関わらなきゃならなそうだなぁ。悪次さんに連絡入れないと…。
・・・
・・・
・・・
常在戦塵(いつも其処に居る)
「そうか?俺は悪童悪次。メリーさん。今、貴方の後ろに居るの。」
パリッン
~チキチキ、となりのストーカーバトルの幕が上がる~
続く、口撃の言霊に撃たれ、言葉が物理的な痛みとなって突き刺さる。
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
メリーさんの雄叫びが、響き渡る。
悪童悪次って誰?!?!
なんで私の後ろに居るの?私、相手の後ろに居たね?刺したよね?なんで後ろに居るの?
わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!
わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!
わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!
わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!
わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!
わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!わかんない!
この人isなに?
そして何か痛いんだけど?!
振り向いて、其の強靭な凶刃を狂人に振るおうとして、
その手が止まる。何故ならば…眼の前に居る男は、何故か、完全装備で待ち構え
その手には警棒を持ち、電光が瞬く、
髪は相変わらずのくせっ毛に、ボサボサ頭の寝癖を晒し、
何故かパーカーを二重に着込んで居る。
それでも尚、強い眼光でこちらを睨んでくる其の目に当てられて
とっさの事で、メリーさんは、凶刃を振るえないで居た。
ボツ!!!
炸裂音を響かせながら、もう片方の手で構えていたネットガンから
投網の様にネットがねっとりと射出され、
まさに捕獲されるかに見えた瞬間に、ダイレクトエスケープ!!!
メリーさんが事務所の窓ガラスを叩き割り、外へと緊急回避。
2階から地上へと逃れ、走り去ろうとすると、何故か其の下で行列を作っていた列から
突き出された足によって、転んで頭から地面へと鼻からぶつかり、泣きそうな顔になる。
なんで?だれ?今私に足を掛けた人!!!!
そう抗議の声を上げようとして、左右を見るが行列は動かず、何もしない。
其の後ろの刺客から、バスッん、鈍い音を立てて、誰かが、メリーさんの後頭部を殴る。
痛っ?!
その方向から声が聴こえる。咲姫ちゃん?!
STAY!STAYよ?!会則で決まってるでしょ?乱入は、ピンチの時だけ?!
テンカウント以内って!!!
ルールは守らないと、無闇に写真を隠し撮りしない!無闇に接触しない!
会則守らないとメ゙ッよ。
咲姫って誰?!そもそも会則ってなに?
そうこうしていると、メリーさんの携帯が鳴り響く
「なんで私の携帯番号知ってるの?!」
「俺は悪童悪次。今、貴女の少し後ろに居るの…」
パリッン!
言葉の銃弾が、メリーさんを貫く
やっぱりおかしい。なぜだかコイツと言葉を交わす度に、何かが起きて、身体が重く重く
堕ちていく。
そして今度は物理的な痛みも走り、ほうほうの体で、逃げ出す。
その後を追跡する。
悪次に対して、行列の人たちが、一斉にメリーさんが逃げた先を指さして、知らせる。
その意を汲んで悪次は走る。
どうしてこうなった?!追っていたのにいつの間にか追われている?!
続いて、携帯電話が鳴り響く
やや、動揺しつつ出ると
「俺は悪童悪次。今貴女の少し後ろの角を曲がって着いてきてるの…」
パリッン!
続く、言葉の銃声が響く。
「なんで、追いかけてくるの??ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
もう追いかけないから、着いてこないで!!グスッ」
痛い?!!!そしてなにこれ。なんで離れてるのに痛いの?!
もう嫌!!もう電話にでない!!!!!
そう言って、疾走しつつ、逃げ出した。
遠くで、逃げるなぁ~の声が響いてくる。
「俺は悪童悪次。どうして逃げるんだ?」
パリッン
言葉の銃弾が突き刺さる。
ほうほうの体で、廃屋の家へと舞い戻ると、電話が掛かってくる
嫌々をしながら、電話を取ると
「俺は、悪童悪次。今あなたの家の前にいるの。仕上げだ!!!」
パリッン!
痛い?!
条件はすでに出揃っている。
「そうか?俺は悪童悪次。メリーさん。今、貴方の後ろに居るの。」
パリッン
「お前がしたいことは、他人を傷つけることじゃないだろう?」
「お前が本当にしたいことは、いや、されたいことは、すでに割れている。」
「相棒のお陰でな?」
...
...
...
《理を読み解き、汝の断りを省き、我は難事を成す。》
《汝の名は、「メリーさん」、されど、その名の定義を今一度変える。》
《蛙の子は、孵る。》
《ならば、汝の名は、「メリーさんの羊」!!!!Re:Word(リ:ワード)!!!!》
《我は悪童悪次!!!悪事を成す!!!》
・・・
・・・
・・・
渾身の力を込めて、言霊を放つ。
暗く染まった廃屋の中で、
世界が一瞬、更に暗く儚く、染まり、空が晴れる。
夜なのに黒と青のコントラストが、混ざり、
何かが決定的に変わる。音がする。
「お前がされたいことは…」
~池袋某所~
で、亜希さん改め、アーティストのAkiさん?
耳はもう良いんですか?治療を早めにしたので、それは大丈夫ですが…
それでは?お話を聞かせて頂きまっしょぃ。
「メリーさんの電話の話しご存知ですか?」
そういう話があるのは、悪次さんに報告メール出した時に知った。
悪次さんも何か事件に対峙してるみたいだ。
「はい、知ってます。」
「それで、其の件と何か?関係があるんですか?」
「それが、私が子供の頃に持っていた人形もメリーって言う名前なんです。」
「引っ越しする時に、捨てちゃって…」
「探偵さん、お願いです。其の耳で探して貰えませんか?未だに迷っているなら今もどこかにあるはずだから…。」
「きっとあの娘は…今でも…と想ってるはずだから。」
う~ん、正直、僕には難しい。でも、悪次さんの常在戦塵(いつも其処に居る)なら、
今ごろ、出逢ってるかも知れないけど??!
「分かりました、見つかるかわかりませんが、探してみます!」
よし、悪次さんへとは、メールしてと、僕は僕で独自に街のうわさ話から
メリーさんの行方を探す。
悪次さんは、自分を囮にして、メリーさんを探す。
二面作戦で行く。僕の方は、望み薄だけれども?
~場面は廃屋に戻る~
条件はすでに出揃っている。
「そうか?俺は悪童悪次。メリーさん。今、貴方の後ろに居るの。」
パリッン
「お前がしたいことは、他人を傷つけることじゃないだろう?」
「お前が本当にしたいことは、いや、されたいことは、すでに割れている。」
「相棒のお陰でな?」
四月に雪が降ると人は言う
けれども、此の世の中には真夏の八月に雪が降る事もある。
俺は其の事を不思議なくらい覚えてる。意味もないのになぜか?
※昔歌詞の提供をしたことが有る
だから、今一度、雪を降らせよう。
其の言丿葉を刃にして、紡ぐ言葉は、
《理を読み解き、汝の断りを省き、我は難事を成す。》
《汝の名は、「メリーさん」、されど、その名の定義を今一度変える。》
《蛙の子は、孵る。》
《ならば、汝の名は、「メリーさんの羊」!!!!Re:Word(リ:ワード)!!!!》
《我は悪童悪次!!!悪事を成す!!!》
怒りに震える人形よ。其の怒りを沈めて、悪夢を食らう羊となれ!!
夜を照らす天星が、一筋流れ、
我は言葉を繋いで、硝子の薄氷を踏む
振るう言葉は、雪・月・花。
言ノ葉は雪となり、彼女の心にも降り積もる。
其の姿を月のように照らし、華のように咲け。
渾身の力を込めて、言霊を放つ。
暗く染まった廃屋の中で、
世界が一瞬、更に暗く儚く、染まり、空が晴れる。
夜なのに黒と青のコントラストが、混ざり、
何かが決定的に変わる。音がする。
「お前がされたいことは…」
「唯、誰かに愛されたかっただけだ…」と、
背後からゆっくりと優しく、抱きしめる。
その怒り震えるその心を殺す。死の抱擁を!
パリッ゙ン
硝子の音が優しく氷雪のように割れた。
・・・
・・・
・・・
その後の事は、僕も詳しくわからないが、
悪次さんに依頼人へと渡すようにと、一体の外国製の人形を手渡される。
注意事項は丁重に扱え、羽を扱うようにゆっくり優しく、運び、
Akiさんに手渡す。
心做しか人形が笑ってるように見える。
Akiさんも泣き笑いの表情だった。
お礼の言葉を受けて、僕は、今回殆何も出来て居なかったから、
なんだかむず痒い。
問題は、今までの犠牲者たちだが、死人が出ていたらな、この噂は広まらない筈だ。
生きてるならば…咲姫に任せれば良い。
そう言って悪次さんは、面倒くさそうに、残務処理に取り掛かる。
また、何の肉か分からないすき焼きを食べる羽目になりそうだがなっと、少し、ほんの少し笑っていた。
どうやって人形の怒りを沈めたかについに、僕には話してくれなかった。
なんで其処まで怒っていたのに?機嫌直してくれたんだろう?
そんな事を想って、ここ数日の事を振り返る
僕は、中道善児。此の物語の主人公…の筈だ…?
だいぶ自信が無くなったけど、多分、間違いない。
趣味の日々の日課は、街のゴミ拾いに、打音検査で設備の点検
今日も今日とて、街を歩いて耳を澄ませて、心に問いかける
僕は一日一膳、ご飯をたぶる。
今日も異常なし、世は全て事もなし。
・・・
・・・
俺は、悪童悪次。此の物語の主役でも、脇役でも、唯の通りすがりの通行人ですらない。
日々の日課は、インスタントコーヒーを日に二杯飲む事。
今日も今日とて、その味を楽しむ。其れ以上は禁じられている。
唯の阿呆な己を眺めて
一言、つぶやく。
「全く無意味な事をしてやがる。」
一日一片の花びらを掴み、我は進む。
今日の出来事を振り返り、今度も助けられたなと、自嘲して、
これは彼奴には、話せないなと、口を鶫のように噤む。
おしまい
そしてつづくかは、誰か次第