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悪次と善児  作者: 幸せ泥棒
3/5

3話「困った時には其の名を呼べ」

僕が、此の事務所に、入社してから初めて事件が終わり、


警察からの聞き取りも終わった頃、


事務所の本棚の裏にある隠し部屋で、悪次さんがウンウン唸りながら、


何かを試行錯誤してる。


確かXーIXテンナインとか名付けてる多目的特殊警棒の整備をしながら、


設計図に何かを書き込んでる。


「悪次さん。どうしたんですかーここ数日ウンウン唸ってて?」


「はい。コーヒーですよ。」


と、事務所に併設されてる台所で、お湯を沸かしてインスタントコーヒーを淹れる。


悪次さんには、特に豆から挽くようなこだわりは、無いらしい。


「あーありがとう。俺の装備の整備がてらに、お前のガジェットも何か作ろうかと思ってるんだが?」


「イマイチ考えが纏まらん、何かリクエストとか無いのか?」


「んー僕も特に無いですね。直接の殴り合いは、怖いので、離れて多人数を一斉に制圧出来るのが良いですね。」


「あー理解った。考えてみる。」


「取り敢えずは其れまでは、改造したテーザー銃と、これだな、捕縛用のネットガンを使ってろ」


そう言って手渡されたガジェットの具合を確かめる。試射は、どこですれば良いのだろうか?


と思いつつ


「ありがとうございます!!で、そう言えばXーIXテンナインって多目的って言ってたけど何が出来るんですか?」


そうだなぁ、3つのそれぞれの本体を組み直して、斬、突、打を切り替えられる特殊警棒だ。


さらに追加のアタッチメントでヒートロッド、スタンロッドに水圧カッター、パイルバンカーや目潰し、振動ナイフも完備してる。優れ物だ。


その他にも使い道があるが、其れはおいおい説明して行く。使いこなすにはちょっとコツが居る。


「へぇ~」


「ところで、最近、依頼がないんですけど?やっぱりあの件、広めませんか?」


「あの件って、猫の手の話か?」


「デスです!猫の手も借りたいって思う人達が依頼してくれるかも?」


「そんな広告だしてる余裕は無いぞ?」


んー広告出す余裕がなかったら、都市伝説みたいに噂を広めれば?!


どうかな?


「却下。別にそんな誰もが幸せで、何事もない事件ばかりじゃない。」


「巫山戯すぎて緊迫感が無くなる。」


「えーかわいいのに?!」ぶーぶーと講義の声を上げる


「そう言えば、悪次さん。事務所の前に行列できてたけど、何か知りませんか?」


「あー近所でセールか、新しい旨い店でもできたんじゃないか?」


「いつもの事だ。気にするな。」


さあ、作業の邪魔とばかりに、善児の事を作業場から追い出す悪次を他所に


自分で入れたコーヒーをすする。


もー絶対かわいいのに!!!ぷんぷん。


と、窓の外を見ると、一瞬誰かと目があったような気がするけど、気の所為だよな?


と気を取り直して、思考をどうにかならんか?と思索する。


悪次さんは、ああ言ってるけど事務所の謳い文句が


貴方の悪事お受けいたします。より、猫の手お貸しします!の方が良いよなぁ。


「よし!ちょっと宣伝とかしてみるかなぁ?」


一言、断りを入れて、噂を広めるべく、街へと出る。


悪次さんは、引き続き、新しいガジェットの作成を続けてるみたいだ。


何が出るかな?と、思いを馳せつつ。


事務所をでると、何かがおかしい。


こんにちは!!と、道で出会う人に挨拶しても、全然みんな視線を合わせてくれない?


んーなんか、僕嫌われてるのかな?


まぁ、気の所為だろうと、一つ心当たりがある人を尋ねることにする。


・・・


・・・


・・・


「で、とう言う訳で、どうしたら良いでしょうか?!」


「哲人くん!」


(。´・ω・)ん?とね。僕ねわっかんない!!!


あと、僕のことはテッドって呼んで!


そう言った九藤哲人くん改めテッドに、善児は、相談する。


「そこをなんとか?!テッド師匠」


うーん、しょうだなぁと首をフリフリ、揺らしながら考える。


「僕も学校で噂を広めてみりゅけど?それだけじゃぁ噂広まるかなぁ?」


「何かみんなが食いつくような、キャッチーなえぴしょーど、とかあればいいと思う。」


あっ?!そうだと、何かを思い出して、其の事を善児に伝える。


今朝ね。何か良くわからない夢を見たの?よくわからないけど、


きつねさんとキレイなお姉さんが笑って猫の手さんの話をしてるのが見えたよ。


声がなかったから内容まではわかんないけどね。


きっときっかけはキレイなおねいすわんだよ?


(。´・ω・)ん?


きつねさんとキレイなお姉さん?!僕の知り合いにそんな人居たっけなぁ?


悪次さんの知り合いかな?


「テッド師匠、ありがとうございます!!!」


「噂流してくださいね!!!」


そう言ってテッドの家を辞して、街に出る。


日課のゴミ拾いと巡回は、既に済ませている。今日残っているのは...


宣伝だけだ?!


時に、高校生に笑われ、小学生に、


「なにそれ変なのー」と、四苦八苦していると、


うーん、上手く行かないなぁ。やっぱり広告付きのティッシュとか用意して販促しないとダメかなぁ?


トボトボと歩いていると。


公園のブランコでシクシクと泣いてるマスク姿の誰かの姿を見る。


おやぁ?どしたのかなぁ?お嬢ちゃん。


「お困りごとなら、猫の手お貸ししますよ?!迷子かな?」


「お兄ちゃんだーれ?」


「僕は、猫の手、二人で一匹の探偵さ!困ってることがあったらお話聞かせて?」


「あっ今は一人だけど、もう一人居るんだ!」


ぐずぐずの顔を、震わせ。


「そんな事言っても、誰にも何も出来ないよ...」


「そんな事は無いよ!きっと力になるよ!」


本当?!


それは随分と古めかしいありふれた都市伝説の話だった。


少女は、夕方、黄昏時に、一緒にいた母親と、それに出会ったらしい。


真っ赤なワンピースに赤いハイヒール。頭に、赤いつば広帽子と、顔の大半を覆う大きめなマスク。


その手には、大型の大鋏が握られていて。


其の姿は、雑誌に載っている。モデルさんのようにスラリとして、マスクと帽子の間から見える


切れ長の目は、その美しさの断片を覗かせて居た。


それは、こう問いかけてきた。


「私、綺麗?」


母親が、「えっ綺麗ですよ?」


「これでも?」


そういっておもむろに、マスクを外すと、そこには耳元まで口が裂けた顔を見せつける。


とっさに返事に窮する母を他所に、少女は思った...これって口裂け女だ?!


何かの本で読んだことがある...確か?


母は、其の姿を見て、二の句が付けずに


「大丈夫ですか?病院に...」


一歩下がると、


その姿に、女は激高し、手を伸ばす。


月光が照らす光の元に大きく開いた口で、包み込み


近くに駐車していた車共々母親をぺろりと丸呑みにする。


呟く、次はお前だ!


少女はとっさに、逸話を思い出し、「ポマード!」と、お母さん!!と二つの思考が交錯する中、


少女は叫び続ける。その声を聴いて、さらに激高する口裂け女は、


大鋏を大きく開き。「お前も同じ様にしてやる」


逃げなきゃ助けなきゃ?!と、相反する思考の中、後ろを振り返り逃げ出すが。


足元から伸びた手に掴まれ、動けずに居た


一瞬で駆け寄られ


バチッん


大鋏が、閉じる音が響き、絶叫が上がる。


余りの激痛で、ポケットから、おやつのベッコウ飴が零れ落ちた…。


・・・


・・・


・・・


「ねぇ、お兄ちゃん。私も綺麗?」


振り返る。少女がマスクを取ると、其の口が耳元まで、露らわし、傷も新しく荒々しく切り裂かれていた。


其の姿を見せ付けられ、善児は…。


・・・


・・・


・・・


少女からの話を聴いてから、今後のことについて相談しようと少女を連れて事務所に戻り、


悪次の姿を探す。


まだ、作業中かな?と、隠し部屋を覗くと誰も居ない...


外に居るのかと窓を覗くと、いつの間にか今朝方あった行列が、消えていた?


お店のセール時間終わったのかな?


んー?どうしよう?


「お~い、善児居るか?」と事務所のドア付近から声が響く


「はーぃ。居ますよ?」と、返事をすると、


悪次と、他にもう一人ならぬ、数人の大人の女性の姿があった。


そこには奇妙な共通点があって、その女性たちは身体の一部が欠損し、みんな大きなマスクをしていた。


まさか...


複数の女性...悪次がどこからか連れてきた。依頼人の話では…。


一様に、口裂け女に出会って...口を...、そして一緒にいた子供が連れ去られ...


現実味のないその言葉をまるで、関係ない第三者の視点で、流れ


悲痛な声が、走馬灯のように流れていくのを現実感がないまま、受け入れる


都市伝説が、現実となり、日常の世界へと侵食して行く。


どうにか、子供を救い出して欲しいと、嘆願の声を上げる。


「都市伝説か...良くある話だ。対処方法は理解ってる。問題はいつどこで遭遇できるかだな...」


「悪次さん、僕の話も聞いてください。」と、今日出会い、一緒に着いれてきた少女の話をする。


お母さんが食べられちゃった…。


・・・


・・・


・・・


ねぇ、此の人が、相棒のもう一人の猫の手さんなの?


そうだよ?


悪次はその様子を眺め、冷静に分析を開始する。


どうやら、複数の被害が起きている様だが、どうして今頃発生しているのか?


疑問に思いつつ


「ふむ、確か噂話では、三がつく場所に多く現れるらしい。」


そこを重点的に捜索すれば...


一先ず少女を残して、依頼者には、帰ってもらい。逐次状況を報告する事に、


「善児準備しろ。ガジェットの試作機は、出来てる。」


「その(背負いベルト付き)アタッシュケースに、入ってるから、持っていけ。」


依頼を受けると、了承し、銘々に、去っていく女性達を背に、準備を初める。


「悪次さん、居場所の当たりは付いてるんですか?」


「まぁ、噂では三の付く場所に現れるらしい。順番に見回って、後は俺の常在戦塵(いつも其処に居る)に賭ける。」


保護者が消えて、一人ぼっちになった少女をどうするか?考えた末に、


一緒に連れて行くことにする。


まぁ、なんとかなるだろう?...も居るしな。


そしてめぼしい、三の付く場所をピックアップして行く...


三番町(千代田区)


神田三崎町(千代田区)


三好(江東区)


三ノ輪(台東区)


三原台(練馬区)


三軒茶屋(世田谷区)


三宿(世田谷区)


三ツ藤(武蔵村山市)


三ツ木(武蔵村山市)


三鷹市


三輪町(町田市)


etc


狙う候補は、複数。黄昏時、夜と昼の間の其の瞬間と、月夜の晩の深夜に...それぞれの場所へと向かう。


だが、一日目は、空振り、二日目も空振り、とうとう三日目に差し掛かる。


噂話では...口裂け女の話を聞いて3日以内に誰かに話さいないと...口裂け女が現れるらしい。


となると...と思考しつつ、


合間の時間に、悪次さんに作ってもらったガジェットの調子を確かめる。


ありあわせのモノを組み合わせた試作品と言っていたが、


其れは、スタンガンと金属製のナックルを組み合わせたスタンナックルと円盤状の一対の何か?これはなんだろう?


「ちょっとぉ?悪次さん?!距離を取って戦いたんですけど?!なんで僕のガジェット近接武器なんですか?」


「あーだってお前のギフテッド、近接武器の方が使いやすいだろ?」


「あと其の圏はちゃんと投擲することによって、内蔵のギアにより回転が加速して、攻撃できるからちゃんと要望どおりだぞ?使い方は、身体で覚えろ。」


ん~もぉぉぉぉ~よし君に決めた!!!


命名、ビリビリ君1号と圏魂君1号


デデン!!!


「ダサいな...」


「えー格好いいでしょ!!!!」


試しに具合を確かめる為に、手に装着して、一二度、放電してみる。


「あんまり空打ちすると壊れるぞ?」と注意をしつつ、


移動途中で見かけた林の中で、試しに圏魂君1号の投擲を試しに、


円の中心に腕を入れて回転を加えつつ、回しに回して、


一気に解放、投擲した圏魂君1号が、ギアが噛み合う異音を鳴らしつつ、


木の間を、幹にぶつかりながら跳ねて、ギャッんと、別の幹に突き刺さる。


(。´・ω・)ん?


結構な威力があるな??!使い道難しいかも、投げたら帰ってこないし、


一発勝負だな...


何度か投擲してみて圏魂君1号の活用方法を見直して見る。


僕のギフテッドと組み合わせれば上手く扱えるかも?しれないけど、これについては要練習だなぁ...


事務所の少し大きめのワンボックスカーに二人で同乗しながら、被害者たちから聞き取りした


三の付く場所を巡るが...一向に遭遇しない。


二手に別れる案もあったが...話に聴く怪異には、悪次さんのギフテッド無しで、


僕一人だけじゃどうにもならないという結論によって、却下された。


それに一緒にいる少女を保護するのにも人では居るし、


遭遇するのにも悪次さんのギフテッド、常在戦塵(いつも其処に居る)


が必要だしなぁ、ここで戦力を分散するのは、愚の骨頂かもなぁ。


ワンボックスカーの運転をしつつ、僕は悪次さんに、問いかける。


「そう言えば、悪次さんのアレにもなんか名前付いてるんですか?」


「あーそうだな、一応あるにはある。俺は「言霊ことだま」って言ってる。」


「でも、悪次さんのは言霊って言うよりも、


言葉の弾丸で相手を撃ち抜いてるから言葉の弾丸と描いて言弾ことだまじゃないんですか?」


んー?そうか?そうだったら、他にも何か出来そうだな?


「お前のギフテッドにも名前付けて置くか?」


「耳が良いから、取り敢えず、鳶耳兎耳えんもくとじとかか?目はどうなんだ?」


情報を集める能力の高い人のこと。


鳶のように遠くのものまで見分けることのできる目と、小さな音を聞き分けることのできる兎のような耳という意味から。※四字熟語辞典オンラインより引用https://yoji.jitenon.jp


どうでしょうね?そんなに視力良いとは思えないんですけど?


実際に試して見ないと何も分からんがなと、雑談をしつつ、次の場所へと向かうが、


特に、痕跡が見つからない...


どうやら何かのピースが足りないらしい。捕まってる人たちの健康を考えると、遭遇するのは早いほうが良い...


そう言えばと、ふとテッドくんの事を思い返す。


あれは、誘拐事件が終わってから、気になった事があって、


訪ねた時、何故か、万馬券を当てていた。本人にもよく理解って無くて、お馬さんお馬さんと仕切りに


ねだるので、試しに深山氏が買ってみたら...だったらしい。


やっぱり何かがおかしい。誘拐された時にも僕が駆けつけるのも理解ってたみたいだし、


となるとテッド師匠の言葉を...思い返せば...


・・・


・・・


・・・


部屋の奥で、棒立ちの九藤哲人くんを発見。


見た所目立った外傷が無い。


プルルルるるるると震える。其の子に向かって一言。


「助けに着たよ?飴ちゃん食べる?」


うん?!!!お兄ちゃん誰??


僕は、テッド!!哲人だからテッド!


お義父さんに付けてもらった渾名なの!!


お兄ちゃんは?


そうだなぁ、僕かぁ僕は...


猫の手だよ!


二人で一匹の探偵さ!!!


僕ね、僕ね。知ってたよ。お兄ちゃんが来ること!


?!?!?!


僕ね、此の光景見たことある!


・・・


・・・


・・・


今朝ね。何か良くわからない夢を見たの?よくわからないけど、


きつねさんとキレイなお姉さんが笑って猫の手さんの話をしてるのが見えたよ。


きっときっかけはキレイなおねいすわんだよ?


(。´・ω・)ん?


きつねさんとキレイなお姉さん?!僕の知り合いにそんな人居たっけなぁ?


悪次さんの知り合いかな?


・・・


・・・


・・・


最初あった時、僕の顔はわかったのに名前だけ知らなかったし、


夢で見たって言ってた。となるとテッド師匠の持ってるギフテッドは...


予知夢を見る。但し、音声が無い サイレント映画(無声映画)のように


未来の出来事を見るって事なのでは?


とあれば、キレイなお姉さん以外にもキツネさんがなにか関係あるのかも?


(。´・ω・)ん?


「狐...がキーか?」


「狐?狐がどうした?そういえば新宿の百人町に、昔、狐が化けた口裂け女が出たって言う逸話があったな?」


念の為に...向かってみるか?と、車の方向を新大久保の百人町まで切り替える。


4日目...の夜。


近くのパーキングに、ワンボックスカーを止めて徒歩で向かう。


新大久保は、韓国系の飲食店がならぶコリアンタウンとして知られているが、


人通りの多い場所で口裂け女が現れるのかが?疑問ではあるが


人が多い、大通りを避けて、住宅街に入ると、


周囲の温度が、音頭が鳴り響くかの如く、数度、下がる。


肌がピリつき、耳の三半規管に、何かの気配が響く。


「悪次さん?!着たかも?!」


暗がりを照らす該当の光の向こうから、何者かがにじり寄って、残像を残して接近してくる。


「あっあいつが、来る?!よ?!」少女が叫ぶと


「よし、ベッコウ飴は持ったな。もしものときは其れをバラ撒いて逃げろ」と、


悪次は、告げる。


真っ赤なワンピースに赤いハイヒール。頭に、赤いつば広帽子と、顔の大半を覆う大きめなマスク。


その手には、包丁と大型の大鋏が握られていた。


其の姿は、雑誌に載っている。モデルさんのようにスラリとして、該当と月夜の光に照らし出された


マスクと帽子の間から見える顔の形がその美しさの断片を覗かせて居た。


それは、こう問いかけてきた。


「私、綺麗?」


絶対に綺麗じゃないと言うなよ!


「き...」


「嗚呼、そうだな、綺麗だな。」そう言って少女が答える前に悪次が割って入って答える。


「……これでも……?」と言いながらマスクを外す。


すると耳元まで大きく裂けた女の顔があった。


「嗚呼、そうだな綺麗だな。」


キッン


一歩踏み出そうとする其の動きが止まる


はっきりとそして強い口調で、そう主張する。も動きが何かに阻まれ止まる。


善児は、戦々恐々とそのやり取りを眺める。悪次さんは一体何を考えてるんだろう?と、


「嘘だ!!!コロシテヤル」


「良いや、嘘じゃないね。そもそも俺には他人の顔を品評して、感想を言う趣味は、ねぇ。」


「他の人間がそうだからって俺もそうだと思うな。」


「嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!」と、包丁を振り乱し地団駄を踏みながら


今にも襲いかかって来ようと


一歩前にでる。


パリッン!!!


跳躍して飛びかかってこようとする其の姿に、何かがぶつかったように、撃墜され空中から墜ちる


撃墜されされた激痛に苦しみながら、口裂け女が叫ぶ。


「ガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あガァあぁ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あ」


(。´・ω・)ん?


じゃぁ証拠を見せよう。


そしてそっと懐からスマートフォンを取り出し、音声の録音を再生する。


「もう!ちょっとなんで、お店に着てくれないの!!!」


「No1の私がプライベート用の名刺を上げたのに!!!」


「あー酒を飲みながら、女と話す。趣味がそもそも俺にはない。下戸だし飲んだらすぐに熟睡するだけだ。」


「そもそも顔の美醜も気にしてない」


「くぁwせdrftgyふじこlp」


「くぁwせdrftgyふじこlp」


「くぁwせdrftgyふじこlp」


「あー悪次さん...それは怒るよ…。」


ブッと音声の再生が止まる。


「そんなの信じられるか!!!!お前の顔も同じ様にしてやる」


そう言って口裂け女が、刃物を持って突進してくる。


やれやれ結局こうなるか?


~戦闘突入~


「善児やるぞ?!」


悪次は分解した多目的警棒を取り出し、一本目を口裂け女へと投擲し、


それを刃物で弾いたところに、一本接続し、二本を一本にさらに、三本目を突き出すように組み上げ一本の棍へと繋げて、払う。


其の一撃を、包丁で受け、


返すハサミの一撃が繰り出されるも警棒を引いて、刃を防ぐ。


「悪次さん?!」


善児は手に持った。新しく出来た獲物を手に、自分も前にでるか迷う。


「善児!!!俺は良い!その娘を守れ!!!」


「嘘吐き!嘘吐き!嘘吐き!嘘吐き!嘘吐き!嘘吐き!嘘吐き!」


「いや、綺麗だね。あんたがもし其の顔を醜いと思っているのならば、


それは...他人を傷つける様なその心が。醜い。」


「顔の問題じゃねぇ。」


パリッン


宙空に、まるで硝子の窓に、穿たれた弾痕の様に、言葉の銃火の軌跡が刻まれる。


撃ち抜かれた女が、それでも前に出て、答える。


「それなら私に!!!!口づけ出来る?!!」


交互に刃を振り乱しながら、口裂け女が迫ってくる


その重い一撃一撃を、後方へのステップを小刻みに入れて、棍を盾に、


次々に捌いていく


「あいにく、俺は身持ちが固くてな。そういうのは、長い交際を経てからにしてくれ。」


パリッン


ハサミの一撃、一撃が、言葉の弾丸で撃ち落とされ其の隙に、好き勝手に


棍の一撃が、口裂け女に入る。


(´;ω;`)ウッ…


何か身体が重い...


言葉の弾丸に撃たれて、嘆く、口裂け女の動きがみるみる内に、遅くなる。


「知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。

知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。

知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。

知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。

そんなの知らない」


「他人を知ろうとする前に、自分の考えを相手に押し付けるな。」


「自分を愛して欲しかったら、相手をまず理解しろ。」


パリッン


続く、口撃の言霊ことだまに撃たれ、言葉が突き刺さる。


たまらずくぅッと、苦鳴の声を上げ、怒りに震えるその手から、


次々と、大鋏が溢れ落ちて、地面に突き刺さる。


其の刃が一斉に女の地団駄に合わせて、中に浮かび。


こちらに向かって飛来する。


「善児!!!」


投擲された大鋏の群れを迎え撃つべく、次の言葉を探すが、


一度放たれた言弾の間隙を抜き、刃の群れが到達する。


とっさにXーIXテンナインを構え、


その刃を撃ち落とすが、何本かの大鋏が、後方の善児と少女へと流れる。


善児は、其の目を見開き、其の両手に持ったビリビリ君1号を構え、そのスタンナックルの金属部分で、刃を殴り、器用に弾く。


弾いた刃が、頬を掠め、そこに一筋の傷を刻むも、怯まず圏魂君1号を取り出し、手に持って回転をし始める。


続く大鋏の大投擲を防ぐべく、迎撃の異なる言弾を練る


「独り善がりな言葉じゃ、誰も(心が)動かない。」


パリッン


パリッン


と...銃火は続く。


・・・


・・・


・・・


なぁ、少年よ。君はなんでそんなにびくびく生きてるんだい?


お姉さんに一つ話して見ないかね?


相互理解の一歩は、決まって会話から始まる。


君がもしかっこよくなりたいなら、相手の話しを聞くんだよ。


・・・


・・・


・・・


「愛されたければ、一緒に心中出来るような思想と理想を述べろ。」


「顔貌がんぼうじゃなくて、心で魅せろ。もっと言葉を思想を寄越せ。」


・・・


・・・


・・・


ねぇねぇお姉さんもっと話しをしようよ?


少年がベットに横たわる女性に、近づく姿がオーバーラップする。


パリッン


言葉の弾丸に弾かれ、吹き飛ぶ口裂け女を他所に


「善児!!!チェンジ!!!」


悪次は、後方に下がりつつ、XーIXテンナインを組み換え、追加のアタッチメント繋げ、


言霊の弾丸と合わせて、入れ替わるように、善児が手に持った圏魂君一号を投擲。


回転するギアとギアが絡み駆動して、回転が加速する。


言弾の一撃から復帰して、


其れを迎え撃つ、口裂け女の刃の群れをジグザグに圏魂君一号が撃ち落とし


そのまま口裂け女の元へと肉薄する。


顔面に其れが、命中する。


・・・


・・・


・・・


が、大口を開けた口腔の牙が、圏を噛み取り、回転する火花を撒き散らし、その回転が止まる。


ペッっと吐き出し、そのまま大口を開けて、


善児を丸呑みにしようと襲いかかる。


其の動きを其の目で、其の耳で、動きを察知し、直前で回避。


悪次の代わりに、前衛に躍り出た、善児は、もう一本の圏魂君1号を振り回し、


今度は、相手の動きを見定め、音を聞き取り動きを先読みする。


攻撃が強くなる瞬間をスカシ、勢いが弱まった一瞬に


人を丸呑み出来るほど膨らんだその顔と口腔に、お返しとばかりにスタンナックル、ビリビリ君一号の一撃を加え、電光と火花が散る。


怯んだその瞬間を捉えた悪次は、


「チェンジ!!」


善児は後方に下がる瞬間に、残る一方の圏魂君を力の限りに投擲し、


電撃で怯んだその喉元に、命中。火花を散らして加速した其れに口裂け女の動きが更に怯む。


其の姿を確認し、これから起こる事に確信をもって、其れを解き放つ。


突き出した右手で、棍先を直角に突き出し、一直線に、腹部めがけて一撃、


火薬の破裂音とともに、撃発。棍先が撃ち出され衝撃が走る。


素早く右手を引き戻し、再び棍を突き出し


続く掌底をXーIXテンナインの棍底(棍尾)に叩き込み。


「お前のその言葉を思想を死相をもって吐き出せ!!!《言論透勁》(げんろんとうけい)」


丹田に込めた頸を複式呼吸で、一気に放ち、其の声が、其の言葉が、


四肢末端へと伝わり、獅子奮迅とばかりにその手に集約される。


連動する身体が、腹が、喉が、声が、一発の弾丸となり、


力点が施条しじょうを巡り撃ち出される。


言弾を纏った言魂が、対象に響き、


パリッン


穿たれた弾痕が、言葉の銃火となり軌跡描いて、空間を硝子の窓が粉々に、打ち砕く


口裂け女は血反吐を撒き散らしながら、口から臓腑を吐き出さんばかりに、嘔吐し続ける。


吐き出される車の残骸と伴に、女性も弾き出され、


此の量の残骸と人を一体どこに納めていたのか?甚だ疑問ではあるが…


「お母さん!!!!」


蹈鞴たたらを踏み、後方へズルズルと下がっていく口裂け女の口腔が元の人間大の大きさへと戻る。


そこに少女が前に飛び出すのを...


「善児!!!」


と、その声に心得たとばかりに善児は、前にでて、胃液まみれの女性を、車の残骸の上から


引き下ろす。


ここは、善児が仕事をするまでに、時間を稼ぐ。


XーIXテンナインを再度、変形、組み換え、繋ぐも、


その間に、血反吐をぶち撒けた口裂け女が、復帰して、向かってくる。


「綺麗と言わない奴は、みんな、【私と】同じ様にしてやる!!!」


「なんで!【私だけが】、こんな顔のなの?!」


「みんな、みんな!!ズルい。ズルい。ズルい。ズルい。ズルい。ズルい。」


「誰も彼も、同じにしてやる。死ねぇぇぇぇぇ。」


今度は、衝撃で取り落とした包丁を捨てて、大鋏をその両手で掴み、


見るむる内に其の刃が大きく膨らみ、大口を開けて道幅全体を覆うほどに巨大化、


致命の刃が、前衛に出た悪次と、其の後ろで救護していた善児に迫る。


・・・


・・・


・・・


周囲の状況を耳で走査すると、何人かの人の塊が近くにいる...不味い...


・・・


・・・


・・・


其の心配を他所に、悪次は、上げる。反撃の狼煙を。


「自分だけが不幸だって、看板立てて喚いたって、誰も同情なんてしない。」


「そもそも其の不幸が、自分だけだと思っているのか?」


「誰だって大なり小なり、不幸を抱えてる。」


・・・


・・・


・・・


火に包まれた病院の一室で


血まみれの手が、少年の頬を触れる姿を幻視する。


・・・


・・・


・・・


【其れを理解ってやれるのは、他人の痛みを自分の痛みの様に感じられる奇特な馬鹿なだけだ。】


「お兄ちゃん!?!」


刃の大きさに怯え、立ち尽くす少女に向かって声をかける。


「大丈夫。きっと力になるよ!」


「なんたって僕らは...僕ら二人は...」


チッ


【仕方ねぇ。乗ってやる!】


時間稼ぎを放棄して叫ぶ。


「僕(俺)らは、猫の手、二人で一匹の探偵さ(だ)!困ってることがあったら其の名を呼んで(困った時には其の名を呼べ)!!!」


悪次はXーIXテンナインの基部を組み換え、刃を露出させ、小型のブレードへと変換させる。


「善児!!!!」


その呼び声で、とっさに何をすべきなのか?迷...わず、一歩踏み出す。


両腕に装備したビリビリ君1号を携え、左側の刃へ、


悪次は、XーIXテンナイン のブレードを持って右側の刃へ、


とそれぞれ受け持ち、其の刃を防ぐ。


「あ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」


ビリビリ君の電圧を最大に、そしてXーIXテンナイン のブレードが異音を上げて高速振動する。


刃と刃が触れ合い弾け飛ぶ火花に、電光の煌めきが重なる。


「何か言いたいのなら、もっと叫べ!!!!!」


【俺が...】


パリッン


言葉の弾丸が放たれ、穿たれた弾痕が、言葉の銃火となり軌跡描き


大鋏の連結部分の捻子を破砕する。粉々に、砕け散る。


口裂け女の手は電撃で震え、大鋏の刃が削れて、そのままへし折れ明後日の方向へと


飛んでいく。


電撃で痺れる口裂け女は、その手を震わせながら、叫ぶ。


「こんな傷要らない、私も、綺麗にな”り”た”い”の”!!!!!!!!!!!!!」


宙空に腕を差し伸べると、腕が半ばから何かに埋もれるように、


空間が波立ち、そして、善児は、その空気の揺らぎを聴く。


「悪次さん!!!下!!!飛んで」


地面から伸びる手をとっさに飛び上がり、変形させたXーIXテンナインで、


棒幅跳びの要領で回避。


「止めを!!」


しゅたっと着地し、


既にキーワードは選定済みだ...


四月に雪が降ると人は言うけれども、此の世の中には真夏の八月に雪が降る事もある。


俺は其の事を不思議なくらい覚えてる。意味もないのになぜか?

※昔歌詞の提供をしたことが有る


だから、今一度、雪を降らせよう。


其の言丿葉を刃にして、紡ぐ言葉は、


《汝の名は、「口裂け女」、されど、その名の定義を一時いっとき変える。》


《ならば、汝の名は、「口先女」!!!!Re:Word(リ:ワード)!!!!》


夜を照らす天星あまぼしが、一筋流れ、


我は言葉を繋いで、硝子の薄氷を踏む


振るう言葉は、雪・月・花。


言ノ葉は雪となり、彼女の心にも降り積もる。


其の姿を月のように照らし、華のように咲け。


口先女が新たに、大鋏を取り出そうとして、其の行動は、口先だけのモノとなり、


何も起きない。


・・・。


Σ(゜Д゜)


なんなの?!!


君のその手を、俺が掴もう。


無力化した其れに


更に言葉の返信を続ける


Re:「response【リスポンス】(応答)」「reply【リプライ】(返信)」「regarding【リガーディング】(~に関して)」


「res【レス】(こと、もの)」


“re”我は「再び」


大別し、「繰り返す」、「再び」、「後ろ向きに前へと進む」、「其の存在は反対に」

※辞書[itmedia.co.jp]よりhttps://atmarkit.itmedia.co.jp/icd/root/90/63678290.html


《理ことわりを読み解き、汝の断りを省き、我は難事を成す。》


《汝の名は、「口先女」、されど、その名の定義を今一度変えて変身す!》


《蛙の子は、孵る。》


《ならば、汝の名は、「【口】咲姫さき【女】]」!!!!Re:Re:Word(リ:リ:ワード)!!!!》


《我は悪童悪次あくどうあくじ!!!悪事を成す!!!》


渾身の力を込めて、言霊を放つ。


世界が一瞬、暗く儚く、染まり、空が晴れる。


夜なのに黒と青のコントラストが、混ざり、


何かが決定的に変わる。音がする。


「鏡を見ろ?【時よ止まれ。】お前は美しい。」

※ファウストより引用


壊れた車の残骸の、サイドミラーをもぎ取り、口裂け女改め、


口先女...いや...咲姫さきへと、差し出す。


そこに映し出されたのは、傷ひとつもない。唯の女性の顔が写っていった...


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・


半瞬を置いて、一筋の泪が落涙する。


・・・


・・・


・・・


・・・


「ねぇ、お兄ちゃん。私も綺麗?」


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・


「そうだね!綺麗だよ。」


あははは~よかったぁ~。ありがとう猫の手さん。事務所で飛び跳ねる少女を他所に、


僕は、一体何が起きたのかを思い返す。


悪次さんが、何かをしたのは、間違いないけど、詳しい事は、教えてくれなかった。


唯、確認できたのは、傷ついた誰もががその傷を癒やされ、離れ離れになった家族に再会する。


そして、切られた痛みが無かった事になって居た事実が残っている。


中には、部位が欠損していたにも関わらずなのに、


これは僕の推測ではあるが...


口裂け女改め、咲姫さきさんは、人の口に笑顔の華を咲かせる為に、


傷を癒すことが出来る様になっていた。


そして彼女は、今日も…。なぜか、事務所の前でタイムセールの行列に並んでいる。


なんで?!


あの荷物的に今日は、すき焼きかな?時たま視線が僕と合うんんだよなぁぁ?


阿吽の呼吸のように...


なんでだろう?悪次さんは知ってか知らないか?窓の方には視線を向けないで、


相変わらず我関せずに、インスタントコーヒーを飲んでいる。


今日は、新しいガジェットの準備をしてるみたい。


そんな、暇な一日を僕は、思い返しながら、天井を仰ぎ、


今日も一日一膳、ご飯を食べる。


・・・


・・・


・・・


そして悪次は、唯の阿呆な己を眺めて


一言、つぶやく。


「全く無意味な事をしてやがる。」


その表情は、少し微笑んでいた。


おしまい。


そして、続く。

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