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怒りのSTORM

作者: 星川宙

「ああ、私はすでに嵐を知っており、海のように興奮している。

Da wei? ich die Stürme schon und bin erregt wie das Meer.」

- ライナー・マリア・リルケ《予感》


----------【0】 平和と友愛 ----------


「平和と友愛、みんな相互に愛し合い、

平和の歌声が四海に響き渡り、

自由と博愛を再び見ることができます。」


子供たちは手をつないで、古い童謡を歌っているんだ。


「子供たち〜」 ほら、子供たちはすぐに歌を止めて、先生の話に耳を傾けるんだよ。


先生は門にかかっている輝く円盾を指差し、「ここは大聖堂の立法庁舎であり、主教や議員たちが平和秩序を維持するために法律を制定し、通過させる場所です。」と言うんだ。


「みんな、あの紋章を見たかい?『平和と友愛』と刻まれているんだ。一緒に唱えてみよう:『平和と友愛』」


「平和と友愛」と子供たちは一斉に唱うけど、ただ陽斗だけが東を見たり西を見たり、漫然としていたんだよ。


「碧、この古い壺の上の踊る人を見て!」 陽斗の小さな手は丸い壺を机からつかんで前に持ち上げたけど、すべての視線を遮るようにちょうどその場に立っていたため、不注意にも倒れてしまい、古い壺は割れてしまったんだよ。


「陽斗!」先生は驚いて、陽斗の前に駆け寄ったけど、右手を高く挙げ、彼が彼に耳打ちしようとするところで、20代とは思えない銀髪の若者が先生の手を掴んで止めたんだよ。


「主教!」先生は赤面して、銀髪の若者に謝罪したんだよ。


「平和と友愛を心に抱いている限り、どんな罪でも許されるべきだよ。少年よ、あなたの心の中に愛はあるかい?」 銀髪の若者は陽斗に微笑みかけて尋ねたんだよ。


「...多分、あると思います...」 陽斗は口ごもって答えたんだよ。


「それは素晴らしいことだ!私はあなたの罪を赦し、許す!」 銀髪の若者は目を閉じて、彼の額に手を置き、何らかの呪文をつぶやき始めました。すると、あっという間に暖...



----------【1 A.D.】平和の守護者 ----------


清水結斗-出撃日誌 [15]

日付:2027年12月15日


あらゆる事故を脅かす「崩壊の地」を越え、蔓延する「異獣」を浄化するため、先鋒部隊は史上最長の長距離行軍に挑戦することになった。この重要な任務に選ばれた4人の小隊には、湊斗隊長、陽、絢を含め、私も参加している。


しかし、私は最も若く、経験不足であった。入隊して1年も経たないうちに、このような過酷な任務に直面することになるとは思ってもみなかった。家族や友人たちは私に誇りを持っているが、私の心は不安で震えていた。この森に勤務する者たちは、わずかしか生き残ることができず、湊斗隊長以外は誰も森を出たことがなかった。私たち3人にとって、「崩壊の地」は未知の世界であった。


私の不安を感じ取ったのか、めいちゃんは私に祝福の白鳩の指輪を贈ってくれた。彼女は静かに私に語りかけた。「平和と愛を忘れずに、あなたは恐れを感じることはないわ」と。


「幸福な国」への道は、まだ遠く険しい。だが、めいちゃんの言葉を胸に刻んで、新しい旅に挑戦することで、私たちはその地平を見ることができるだろう。迷いや後悔は許されない。未来を切り拓くために、一歩一歩踏みしめて、勇気を持って進むのだ。



----------【3 B.C.】仲間たち ----------


「真斗!歩兵!」


新兵たちは、練度の訓練が終わり、緊張した面持ちで、長官の指示を待って整列していた。


「ヴァンガード…ヴァンガード…」陽斗は、内心で祈りを捧げながら、ヴァンガードに配属されることを切望していた。それが彼と啊良の共通の夢だった。


「碧斗!ヴァンガード!」


「了解!長官!」碧斗は、興奮を抑えながらも、満面の笑みを浮かべた。一方、陽斗は長官の視線を避け、こっそりと碧斗と拳をぶつけた。


碧斗の夢がかなった。もし自分もヴァンガードに配属されていたら、陽斗にとっては人生最大の満足だった。


「陽斗!」自分の名前が呼ばれたことを聞き、陽斗は胸を張って、人生最大の成就を迎えるために雄々しく姿勢を正した。


「炊事兵!」


「良かった!良かった!良かった!」陽斗は、叫び声を上げて喜びに沸いたが、碧斗は青ざめた顔で立ち尽くしていた。


「陽...冷静になって。君は炊事兵に配属されたんだ。ヴァンガードではないんだ。笑えない理由は何?」碧斗に指摘され、陽斗はようやく長官の言葉の意味を理解し、驚愕した。


「なんだって!?炊事兵!?何でヴァンガードじゃないんだ!?2年間も頑張ったのに、今更、調理員とか言われて笑われるとか!」陽斗は、怒りを露わにして長官に不満をぶつけた。


「陽斗!それは上級からの命令だ。君は服従するか、反抗するかだ!」長官は、厳しく陽斗を叱責した。


陽斗は、反論しようとしたが、碧斗が彼を引き留めた。


数秒の沈黙の後、彼は言った。「服従します!長官!ありがとうございます!長官!」


「若人よ、平和で安定した社会を築くためには、生活の基盤を支える労働力が必要だ。」と、陽斗が勤務先に到着した際、炊事長が彼に語りかけた。



----------【2.1 AD】堕ちる壮麗華やかなるもの ----------


清水絢斗・出陣の日誌[514]

日付:2027年12月20日


原定計画通り、私たちは森を出て「崩壊の地」に入り、既に3日目になっています。最初の2日間、湊斗隊長と結斗を連れて中部地域に調査に行き、私と陽斗は基地物資の設置を担当しています。


湊斗隊長は以前よりもう『崩壊の地』に滞在したことがあり、慣れ親しんでいるが、結斗は異なる。結斗は調査の度に、この荒れ果てた地の『華やかさ』を熱く語り、嫉妬と希望に満ちた瞳で我々に語りかける。我が彼が堕落し始め、この荒廃した地を認めていることは分かっていたが、彼の腐敗した歪んだ思考には同意出来ない。


その夜、私たちは話し合ったのじゃ。そして今後の調査には、私と陽斗が出向くことになると決めた。一方で結斗は、我が基地に残ることを決めたのじゃ。彼は新しいポジションに不満を持っていたが、上官の命令に逆らえなかったため、素直に基地に残ることにした。


我と陽斗は、『崩壊の地』の交通要所に潜入して、秘密調査を行ったが、思い通りに進まなかった。陽斗は優秀な兵士で、口数は少ないが実務的である。経験は豊富ではないが、慎重で安定した性格が素晴らしい。今日、彼は一人の少女に執拗に付きまとわれるトラブルに巻き込まれた。私はこれが大きな問題に発展することを予感し、彼に任務の目的を再度思い出させた。計画が失敗することはできない。ミスを減らすことができれば、計画の実行は有利になる。我が幸福国家には失敗の余地はない。



----------【3 A.D.】妹妹 ----------


この地は「崩壊の地」と呼ばれる。その名の由来は、「死の粉塵」が蔓延するためだ。この粉塵は、呼吸を断たれる前に、人々を狂気による妄想に陥らせ、肺を萎縮させ、脳に幻覚を引き起こし、意志を損ない、心を蝕む。まさに、人の魂を食い荒らす毒ともいうべき存在である。


そんな中、黒いマスクをつけた陽斗は、のどが痛く、何度も咳き込んでいた。かゆみも続き、苦しみを感じていた。一方、シンザイは、水筒を彼に差し出し、望遠鏡で道路上の動きを監視していた。


彼らが隠れている高層ビルは、森の中にあっても目を見張るような大聖堂のような建物である。しかしここが「崩壊の地」であるため、至る所に同じような壮大な建造物が立ち並んでいた。大聖堂はその中でも一際高く、幅広い建物であった。加えて、予想を遥かに超える怪獣たちが集結していて、非常に混雑している状況に紀弘たちは驚かされた。しかし、陽斗は繁栄する都市の光景には心を動かされなかった。彼らがここに来た「目的」を忘れていなかったからだ。そんな彼を見て、彼の眉がひそまれた。

「どこが痛いの?なぜ眉をひそめているの?」という声が、陽斗の耳に響いた。すぐに彼は、腰に差していた小さなナイフを抜いた。


小さな女の子が現れた。彼女は二つの水晶のような黒い瞳を持ち、ナイフの刃先を純粋に見つめていた。


「輝いている...」と彼女は刃先に手を伸ばしたが、陽斗は彼女を阻止した。「だめだ!何をしているんだ?早く出て行ってくれ!」と彼は叫んだ。


闇の帳が降りた深夜、小さな女の子が陽斗にすがるように座った。


「私にはどこにも行くところがありません。おばあちゃんはいつも寝ています...」


「此処に寄るな!速やかに...」


腹鳴りが紀弘の言葉を遮り、彼女は空腹であることを告げた。

彼は数息ほど黙り、最後には心が揺らいで、ため息を吐きながら背負った鞄からパンを取り出して彼女に手渡した。


女の子は明らかに腹をすかせていた。手の平ほどの大きさのパンを無理やり喉に詰め込んだ。


「私は...叫...ス...ズメ、あなたは...名前...?」彼女は噛みながら訊ねたが、陽斗は返事をしなかった。ただ、食べ終わったら早々に帰れと軽く指図し、去っていった。


陽斗の言葉はスズメの好奇心を止められなかった。彼女は紀弘が冷たく振る舞っていたことを気にせず、可笑しな願いを提案した。

「あなた、スズメのお兄ちゃんになってくれる?」"



----------【2 B.C.】ヒーロー ----------


灰青色の雨が空から降り注ぎ、陽斗の身体を染め上げた。

友人たちや家族の説得を聞かず、陽斗は必死に駆け抜けた。


「陽斗!諦めるな!オレはおまえの力を信じている!すぐにヴァンガードに昇進するだろう!その時には、オレたちの分隊に異動してこいよ!オレがここで待っているからな!」と、碧斗が最後に彼に言った言葉は、陽斗の頭に何度も浮かび上がった。誰が想像できただろうか、優等生の碧斗が最後には自分の脚の一部を同僚に引きずられながら戻ってくることになるとは。


「碧!...」と、陽斗は走りながら叫んだ。しかし、砂利につまずいて、道路に倒れこんでしまった。その瞬間、悲しみが込み上げてきて、雨に打たれながら泣き崩れた。


「少年よ!悲しむな!」陽斗は頭を上げると、銀髪の男が傘をさして立っていた。


「主教...」と、陽斗は涙を堪えながら言った。


「オレは悲しんでいない。ただ、怒りに駆られているんだ!」陽斗は大木に向かって拳を振り下ろし、深い拳痕を残して木に打ち込んだ。拳には木くずが刺さり、傷だらけになっていた。


「陽斗少年よ、お主は我が直々に教授した『平和と友愛の心』を忘れ去っておったかのう?」主教は、陽斗の傷を手当てしながら、真っ白な手拭いを一瞬のうちに鮮血に染まらせた。


「神様は我らに不公平じゃ!碧を殺めたのは何じゃ?『異獣』どもは殺戮を崇め、なぜ死ぬことがない?なぜ死んだのは碧なのじゃ?」陽斗は、涙を流して咆哮する。


「陽斗少年よ、彼らの心に愛があると思うかのう?」


「ない!彼らには何もねえ!」


「では、何故に『異獣』どもは幼少期には人間だったのか?それは『異獣』の本性が優しく、平和的で、愛に満ちていたからじゃ。ただ、『死の粉塵』に汚染され、堕落した『異獣』に変貌しただけじゃ。我ら人間は、自分だけが幸福な国に入ることばかりを考え、助けが必要な命を救うことを忘れてはならんのじゃ...」


主教は、血染めになった真っ白なハンカチをしまい、陽斗の肩をやさしく抱いて言った。「我々がヴァンガードを立ち上げた目的は、異獣を救うことにある。そうだ、我々は狂暴な異獣を討つが、それはわずかな数にすぎない。大切なのは、空気中に漂う『死の粉塵』を浄化し、異獣たちを救済するために浄化作業を行うことだ。従って、あらんの命は決して無駄にならなかった。彼は生前、数多くの異獣たちを救ったのだ。彼は、まさに真の英雄である!」


陽斗は黙って、主教の傘の下に身を寄せ、心が平穏になった。


主教は、陽斗の瞳を優しく見つめながら言った。「陽斗少年、碧斗の後継者として、国のヒーローとなる覚悟はあるか?」


----------【4 A.D.】捕虜 ----------


清水湊斗・出征日誌[819]

日付:2027年12月24日


0800 - 私はいつものように小隊の仕事を割り振る。結斗は基地の後方支援に専念し、陽斗と絢斗は作戦計画地点の監視に従事することになっている。そして私は、補給物資を収集するために外出することに決めた。


1035 - 私が基地に戻ると、そこには開かれた門が待っていた。財物は盗まれていないが、結斗がいない。彼の出征日誌が机の上に残されており、「捕虜」という言葉が真っ赤に塗りつぶされていた。


1038 - 私はすぐに緊急手順を開始し、陽斗と絢斗を基地に呼び戻すことに決めた。結斗は10日前に「崩壊の地」に到着して以来、私たちは彼が「死の粉塵」に影響を受けていることを知っていた。彼の心は歪み、この崩壊した地に夢中になっていた。


1105 - 彼がどこにいるのか、誰に捕まったのか、私たちはまだ知ることができない。しかし、私たちはこの状況を受け入れ、計画に従って任務を続行することにした。結斗のことは暫定的に記録しておくことにしよう。


----------【1 B.C.】私ども、怒るのだ ----------


刺々しい汽笛の音が風に響く。国民たちは、家々から立ち上がり、街灯に掲げられた拡声器から流れる放送を聞くのだ。


「『碧斗ヒーロー銅像の除幕式』という、その名に相応しい式典の中で、こんな悲劇が起きるとは...」アナウンサーの特徴的な声から、続く先生の声を聞き分けることができるのだ。


「我らが尊き建国者、主教様が、今朝のスピーチ中に『異獣』に襲撃されたのだ。『異獣』は森林で捕獲され、射殺されたが、主教様は胸に銃弾を受け、今なお意識不明の重体状態だ...」すると、拡声器から低く泣き声が聞こえ、国民たちは胸を打たれるのだ。


「主教様は、『平和と友愛』を常に抱いていると言っていたが、許せ、今回の事件で、私どもは怒るのだ!」先生は、悲しみに包まれた声で語りかけるのだ。


主教様の生死は定かではない。国民たちは、そのことに動揺し、先生の言葉によって目を覚まされ、「私どもは怒るのだ!」と叫び始めるのだ。


声は洪水のように大きく、防音材で覆われた放送室でも、国民たちの怒りを聞くことができる。


「私も聞いている!私も知っている!国民の皆さん、私どもは怒るのだ!私どもは、人として、心の奥に愛を持っている。だが、本質を見失わぬようにしよう。私どもは許しを与え、援助の手を差し伸べる必要がある!そのために私どもができることはただ一つ、『崩壊の地』を浄化することだけだ!」


----------【5 A.D.】怒りの嵐 ----------


風ようようと吹き抜けるなか、陽斗は抗異変の血清をびんに入れ、発射装置を手にしていた。この装置は、主教様がご自らお考えになったもので、簡単にボタンを押すだけで、血清が霧散して風に乗って、数百もの『異獣』のいのちを救える。


陽斗は、『異獣』にどれほど恨みを抱いているかはわからない。しかし、主教様から学んだ『平和と愛』、『寛容と救済』という教えを、彼は胸に刻んでいた。それによって、すべての命を幸福な国へと導けるのだ。そこには、彼の待つ、あの良がいる。


混雑した通路の向こうには、同じ装置を背負った新一がいた。


「最後のカウントダウン...十...」湊斗隊長が二人に指示を送る。


「九...」


「『異獣』がますます増えている。外見だけでは、人間と『異獣』を見分けることができないのが幸いだ。そうでなければ、私たちは彼らに引き裂かれてしまうだろうな...」絢斗は心の中でつぶやく。


「八...」


小さな手が、陽斗の後ろから伸び、その手を軽く握りしめた。「お兄ちゃん!」と、その手の主は声を上げる。「スズメ、なぜここにいるの?」陽斗は驚いているにもかかわらず、スズメの手を振り払うことができなかった。


「七...」

その手を握りしめた真真が言う。「こっそりお兄ちゃんの後をつけてきたわ。私も一緒に、お兄ちゃんと幸せな国に行きたいの!」彼女の甘えた声に、陽斗は微笑む。


「六...」


スズメが語る。「私を怖がらないで。ここにいる大人たちは本当に病気だったけど、すぐに治るわ。その時におばあちゃんを迎えに行きましょう!」スズメの目に映る紀弘はいつもキラキラと輝いている。


「五...」


『異獣』たちから叫び声が聞こえ、結斗は目を凝らして、結斗の場所を指し示す。「くそっ!結斗が裏切った!」と彼は叫ぶ。



「四...」


『異獣』の一団が丸盾と短い槍を手に、人混みに突入して、絢斗を地面に押し倒す。彼は打ち上げ装置を握りしめていたが、身体をくねらせながら激しく叫ぶ。


「三...」


陽斗はスズメの手を握りしめ、騒乱の反対方向に猛ダッシュする。幸い、スズメは彼の場所を見つけていなかったので、彼は任務のために少し時間を稼ぐことができた。


「二...」


『異獣』の一人が絢斗の手錠をかけ、「清水絢斗、あなたは逮捕されました!あなたは沈黙を保つ権利がありますが、あなたが言ったことは全て記録され、法廷証拠となる可能性があります。」と言う。


「一...」


陽斗は発射装置を押す。『崩壊の地』に猛烈な嵐が巻き起こった。


----------【6 A.D.】その如き ----------


【ニュース】「12月25日OO駅に於いて、二人の邪教の信徒が自爆攻撃を行い、警察は一名の三十歳余の男を制圧しましたが、もう一名の男は逃走してしまい、数秒後に爆弾を身にまとい、この事件で63人の死者と230人の負傷者を出す結果となりました…」


【政治家A】「わたくしはこの事件に対し、憤り、悲しみ、そしてかなしいこころに満ちております…」


【政治家B】「私はこの事件に対し、政府が責任を負うべきであると考えております。警察によれば、この邪教の集団はあの地域で十年近くにわたり潜伏しており、しばしば暴力事件を起こしており、違法に銃器を所持していたという情報もあるにもかかわらず、警察がこれに対し適切に対処せず、邪教の勢力を育て上げてしまったことが、市民にとって不幸であると言わねばならぬのであります!」


【ネットユーザーA】「(中指の絵文字) Fuck! (中指の絵文字)」


【主婦A】 「あぁ、恐ろしや。こんなにも多くの人々が邪教にはまってしまっているとは。」


【隣人のおじさん】「昔の社会でもこんな騒乱はなかった。なぜ今、こんな事態になってしまったのか?ただの『怒り』という一言で、無実の市民たちを犠牲にするなんて。人間がかかっているんだ!」


【主婦B】 「もう一人の男はもっと怖かったわ。小さな妹を引きずって死のうとしたのよ。小さな妹は本当に哀れだったわ。爆破後、警察が家を調べて彼女のおばあさんが何ヶ月も前に亡くなっていたことが判明したっていうのよ。」


【ネットユーザーB】 「(怒りの絵文字) (火の絵文字)」


【めい】 「主教が口にする『平和と愛』は、何故あなたには空疎に聞こえるのか。『怒り』や『暴力』こそが真実なのか?結斗!もう主教大人の捕虜ではない。森の中での生活こそが本当の自由だと思う。どんなに堕ちても、私はあなたを待っている。あなたを愛している。」


【先生】「先ほど二つの嬉しいニュースが入ってきた。まずは主教大人が死の淵から蘇生したこと。そして、『崩壊の地』へ派遣されたヴァンガードが処分任務を無事に完了したことだ。ただ、今回の暗殺事件で私たちの居場所が明るみに出てしまったため、主教大人は国民の安全を考慮し、緊急避難計画を発動した。」


【客人】「主教、おめでとうございます。主教はやはり器が大きい。忠実で自己中心的な兵士たちを鍛え上げ、あなたのために前線で戦ってくれた。お金はすでにあなたの口座に振り込まれたよ。来年も引き続き楽しく協力しようね!」


----------【7 A.D.】幸福な国 ----------

「お兄ちゃん、ここはどういうところですか?」


「この国は幸福な国ですよ。」


「私たちはなぜここにいるのですか?」


「私たちは平和と愛を信じているから、この幸福を手に入れたのです。」


「でも、私はまだ怖いです...」


「怖がらなくてもいいですよ。私の手を握って、一緒に歩きましょう。」

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