母から叔父への贈り物
補聴器はちゃんと作るとそれなりの値段がする。高齢者に使わせるのは論外な電池式はさて置いて、耳掛け式の充電式となると三年ほど前に某所で見たものではざっくり、15万円ほどの機種からフラッグシップの95万円の機種まである。
生前母がどうしてもということで作ったのだが、私が勧める下から2番目ではなく上から2番目がいいとのことで、それに従った。その癖、本人は半年も使わないうちに一人暮らしをやめて私との家に戻ってきてしまい、それから入退院を繰り返して結局一年も使えなかった。
その補聴器を、形見分けとして叔父に委ね2年が経った。
当時は気づかなかったのだが、iPhoneの音声のストリーミングができるようだ。つまり、ワイヤレスのイヤホンマイクのように直接音声が聞こえるらしい。私が勧めた機種だったらその機能があったかどうか。この春、たまたまスマフォをiPhoneに買い替えた叔父が、補聴器の調整に行った際に設定してもらったようだ。
それ以来、叔父にとっては単なる補聴器を超えた無くてはならないアイテムになったようで、便利さを伝える様子が電話越しに伝わってきた。
なんとも嬉しいことじゃないか。
そして今日は母の三回忌。叔父はコロナ禍を懸念して参加しないと言うことだが、補聴器の話が何よりの手向けだ。
お読みいただきありがとうございます。Facebookに投稿したものにちょっと書き足した上での投稿です。
本文でも少し触れていますが、こうした福祉機器というかバリアフリーに繋がる機能ってなかなか知られていないのが現状です。お読みくださった読者の方は、ご自身がそろそろお世話になる世代でしょうか。それとも、親御さんがお世話になる世代でしょうか。何れにしても、少しでも知っていただけたらと思います。
母と叔父について少々。母は戦前の生まれ。成長期を戦後の食糧難の元で過ごした所為か、最期は多臓器不全のような状態でした。叔父は丁度終戦の月に生まれたので、もう既に後期高齢者となります。糟糠の妻である叔母と、都会を離れてのんびりしているようです。
宜しければ★を並べて評価してやってくださいませ。あ、いいねもお願いしますね。未だ殆どもらったことがないもんで。
え? 諸々の創作はどうなった? 頭ん中ではイメージが拡がっているんですがねぇ……